“どぎも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
度胆76.1%
度肝15.5%
度膽2.8%
肚胆2.8%
吐胆1.4%
度肚1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぼくは一瞬いっしゅん度胆どぎもかれましたが、こんな景色とて、これが、あの背広を失った晩に見たらどんなにつまらなく見えたでしょうか。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
いずれ宛擦あてこすりぐらいは有ろうとは思ッていたが、こうまでとは思い掛けなかッた。晴天の霹靂へきれき、思いの外なのに度肝どぎもを抜かれて、腹を立てるいとまも無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
八五郎はもう一つ度膽どぎもを拔かれました。死體の側に居る女房のお峯と言ふのは、ツイ二日前に、同じ目黒の栗飯屋で、親分の平次へ——と言つて、謎の結び文を渡した、あの美しい女だつたのです。
仙吉は、その時まで、すっかり肚胆どぎもをぬかれたような恰好で、店の上り框に突っ立ち、次郎の方をぽかんと眺めていたが、女にそう言われると、まるでからくり人形のように、ぴょこり頭をさげた。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
此の何も知らない絵かきの吐胆どぎもを抜いてやりたさに、自棄になって此の場へ導いて来たものの、考えて見れば此の男に、自分の大切な秘密を打明けてしまった訳だ——一体秘密というものは
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
おお、度肚どぎもを抜かれて名前を聞いとくのを忘れちゃった。さぞあの人は俺達を嗤ってるだろう。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)