度肝どぎも)” の例文
平次は度肝どぎもを拔かれました、檜木ひのき官之助の細目に開いた格子へ手をかけて、ガラリとやると、頭の上から小氣味の良い一かつはされたのです。
いずれ宛擦あてこすりぐらいは有ろうとは思ッていたが、こうまでとは思い掛けなかッた。晴天の霹靂へきれき、思いの外なのに度肝どぎもを抜かれて、腹を立てるいとまも無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
吾輩も、友吉おやじが吾輩の代りになって講演を初めるのかと思って、ちょっと度肝どぎもを抜かれたが、間もなく非常な興味をもって、皆と一緒に傾聴した。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
龍之介は、道子の、ほとんど高圧的な言葉に対抗しようと思って、相手の度肝どぎもをぬくつもりで言った。
謎の女 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
「誰だ、君は!」博士は度肝どぎもをぬかれて、かすれた声で、やっとこの短いことばを相手にぶっつけた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大工だいくはこんどこそほんとうに度肝どぎもかれて、ただもう目ばかりきょろきょろさせていました。
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
余りにも大がかりな悪魔のプロパガンダに度肝どぎもを抜かれたのか、群集が立ち去ったあとまでも、ボンヤリと海岸にたたずんでいたが、ふと気がつくと、十間ばかり向うの波打際なみうちぎわ
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
疑問を先方が答えてくれましたから、白雲ほどのものが度肝どぎもを抜かれました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これにはおもはず度肝どぎもかれてこしおとしたさうである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
コンナ計劃が違法か、違法でないかは、希望者が司法官連中と来ているんだから、先ず先ず別問題としても、そうした思い附きの奇抜さ加減には取敢とりあえず度肝どぎもを抜かれたよ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いつにもない平次の激しさ、お角も度肝どぎもを抜かれて口をつぐみます。
さすがのやくざ者も、これには少しばかり度肝どぎもを抜かれました。自分が有頂天うちょうてんになって、六所明神を向うに廻しての策戦を考えているうちに、後ろにいてこういうたちの悪いいたずらをした奴がある。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)