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島原
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しまばら
ふりがな文庫
“
島原
(
しまばら
)” の例文
京都、
島原
(
しまばら
)
に
花魁
(
おいらん
)
がようやく余命を保っている。やがて島原が取払われたら花魁はミュゼーのガラス箱へ収められてしまわなければならぬ。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
肥前
(
ひぜん
)
の
島原
(
しまばら
)
半島などでは是をヨナガリとも謂うそうである。妙な言葉であるがその起原は、朝食をアサガリという語にかぶれたものと思う。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その、橋の向う角の一角を、東京の者は
島原
(
しまばら
)
といった。そこにある新富座という劇場のことも、島原という代名詞でいった。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
中国
筋
(
すじ
)
、大坂、
島原
(
しまばら
)
と、諸国の遊び場所を通って来たが、清吉はこんな馬鹿な女の多い土地はまだ
他
(
ほか
)
では知らなかった。
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の方からも
願
(
ねがい
)
の
筋
(
すじ
)
がある、兼て長官へ内々御話いたしたこともある通り、
三田
(
みた
)
の
島原
(
しまばら
)
の屋敷地を拝借いたしたい、
是
(
こ
)
れ
丈
(
だ
)
けは厚く
御含
(
おふくみ
)
を願うと云うは
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
寛永
(
かんえい
)
十五年正月、
島原
(
しまばら
)
の
乱
(
らん
)
が片づき、つづいて南蛮鎖国令が出て後、
天文
(
てんもん
)
十八年以来百余年の長きにわたり
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
長崎へ着いたのが翌朝の九時、
阜頭
(
ふとう
)
へ着くと、迎えの自動車が待っており、すぐそれに乗込むと、一路
島原
(
しまばら
)
半島を目指したのである。同行者は上野さんと大塚さん。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
上方へ行って
島原
(
しまばら
)
などの
別嬪
(
べっぴん
)
さんを泣かせるなんてのは、男と生れて何よりの果報だろうじゃないか。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ここを
新富町
(
しんとみちょう
)
だの、新富座だのと云うものはない。一般に
島原
(
しまばら
)
とか、島原の芝居とか呼んでいた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
与八を出し抜いてお松を
欺
(
あざむ
)
き、急にこの男の家へつれて来たとのこと、そこへつれて来ると共にお松を人買いの手に売り渡したこと、その売渡し先は京都の
島原
(
しまばら
)
であること
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
同じ御隠居の
庶子
(
しょし
)
にあたる
浜田
(
はまだ
)
、
島原
(
しまばら
)
、
喜連川
(
きつれがわ
)
の三侯も、武田らのために朝廷と幕府とへ嘆願書を差し出し、因州、
備前
(
びぜん
)
の二侯も、浪士らの寛典に処せらるることを奏請した。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
島原
(
しまばら
)
や
祇園
(
ぎおん
)
の花見の
宴
(
えん
)
も、苦肉の計に耽っている彼には、苦しかったのに相違ない。……
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女ガモシ昔ノ
島原
(
しまばら
)
ノヨウナ
妓楼
(
ぎろう
)
ニ売ラレテイタトシタラ、必ズヤ世間ノ評判ニナリ、無数ノ
嫖客
(
ひょうかく
)
ガ競ッテ彼女ノ周囲ニ集マリ、天下ノ男子ハ
悉
(
ことごと
)
ク彼女ニ悩殺サレタカモ知レナイ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
馬爪
(
ばづ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
も
世
(
よ
)
にある
人
(
ひと
)
の
本甲
(
ほんかう
)
ほどには
嬉
(
うれ
)
しがりし
物
(
もの
)
なれども、
見
(
み
)
る
人毎
(
ひとごと
)
に
賞
(
ほ
)
めそやして、これほどの
容貌
(
きりよう
)
を
埋
(
うも
)
れ
木
(
ぎ
)
とは
可
(
あたら
)
惜しいもの、
出
(
で
)
て
居
(
い
)
る
人
(
ひと
)
で
有
(
あら
)
うなら
恐
(
おそ
)
らく
島原
(
しまばら
)
切
(
き
)
つての
美人
(
びじん
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
島原
(
しまばら
)
の
切支丹
(
きりしたん
)
退治
(
たいじ
)
があって、
血腥
(
ちなまぐさ
)
い
噂
(
うわさ
)
が伝わったのは昨年のことである。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
顔の色を林間の
紅葉
(
もみじ
)
に争いて酒に暖めらるゝ風流の仲間にも
入
(
い
)
らず、
硝子
(
ガラス
)
越しの雪見に
昆布
(
こんぶ
)
を
蒲団
(
ふとん
)
にしての湯豆腐を
粋
(
すい
)
がる徒党にも加わらねば、まして
島原
(
しまばら
)
祇園
(
ぎおん
)
の
艶色
(
えんしょく
)
には
横眼
(
よこめ
)
遣
(
つか
)
い
一
(
ひ
)
トつせず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
元亀
(
げんき
)
、天正とうちつづく戦国時代のことで、彼もまた一国一城の主になる野心をもったのであろう、多くの海賊なかまをひきつれて
有明
(
ありあけ
)
の海から
島原
(
しまばら
)
へと入り、大村領の西岸へ上陸するとともに
伝四郎兄妹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お米の父というのは、
芳村道之丞
(
よしむらみちのじょう
)
という
切支丹
(
きりしたん
)
侍で、
島原
(
しまばら
)
の残党。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これを所持する者は
腫物
(
はれもの
)
に
祟
(
たた
)
られるというのである。かつてこの茶碗を所持していた一人の数奇者があった。零落して京
島原
(
しまばら
)
に通う遊客の馬子にまでなったが、この茶碗だけは手離さなかったという。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
この
宿
(
やど
)
に
島原
(
しまばら
)
ゆ来し
少女
(
をとめ
)
居りわがために夕べ
洋灯
(
ランプ
)
を運ぶ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
京都、
島原
(
しまばら
)
に
花魁
(
おいらん
)
がようやく余命を保っている。やがて島原が取払われたら花魁はミュゼーのガラス箱へ収められてしまわなければならぬ。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
あんた、
先度
(
せんど
)
お
出
(
いで
)
やはった時に、わてに口かけときなさりながら、
島原
(
しまばら
)
の
太夫
(
たゆう
)
さん落籍おさせやしたやないか。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
川島郷の七人衆の原士、あの方々も
寛永
(
かんえい
)
の昔、
島原
(
しまばら
)
の一
揆
(
き
)
戦
(
せん
)
がみじめな敗れとなった時、
天草灘
(
あまくさなだ
)
から海づたいに、阿波へ
漂泊
(
ひょうはく
)
してきた落武者の子孫なのでございました。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地所の事は
島原
(
しまばら
)
藩と福澤と
直談
(
じきだん
)
すべき性質のものでないから御返答は致さぬ、
一切
(
いっさい
)
万事君
夫
(
そ
)
れ
之
(
こ
)
を東京府に聞けと
云
(
い
)
う調子に構えて居て、
六
(
むず
)
かしい談判も立消になったのは
難有
(
ありがた
)
い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私が「モシ昔ノ
島原
(
しまばら
)
ノヨウナ
妓楼
(
ぎろう
)
ニ売ラレ」た女であったとしたら、「必ズヤ世間ノ評判ニナリ、無数ノ
嫖客
(
ひょうかく
)
ガ競ッテ」「周囲ニ集マ」ったであろうことを、私は始めて知ったのであった。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
やがてもの言わぬ花にも
厭
(
あ
)
きて、
島原
(
しまばら
)
に繰り込み、京で評判の
名妓
(
めいぎ
)
をきら星の如く大勢ならべて
眺
(
なが
)
め、好色の手下の一人は、うむと
呻
(
うめ
)
いて口に
泡
(
あわ
)
を噴きどうとうしろに倒れてそれお水それお薬
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかし雲仙の美はこの三大景観に
止
(
とど
)
まらず展望の利くところはどこでも美くしいので、それは一面
島原
(
しまばら
)
半島の海洋美であって、海洋美を兼ねることによって、山岳美の高調される雲仙の
如
(
ごと
)
き名山は
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
徳川期では、
吉原
(
よしわら
)
や
島原
(
しまばら
)
の
廓
(
くるわ
)
が社交場であり、遊女が、上流の風俗をまねて更に派手やかであり、そして、女としての教養もあって、その代表者たちにより、時代の女として見られた。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
此方
(
こっち
)
の説が決した
計
(
ばか
)
りで、その屋敷は他人の屋敷であるから、
之
(
これ
)
を手に入れるには東京府に頼み、政府から
島原
(
しまばら
)
藩に
上地
(
じょうち
)
を命じて、改めて福澤に貸渡すと
云
(
い
)
う趣向にしなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
島
常用漢字
小3
部首:⼭
10画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“島原”で始まる語句
島原攻
島原灣
島原城之介