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ちさ
ふりがな文庫
“
小
(
ちさ
)” の例文
小
(
ちさ
)
き中庭を歩みて宿るべき部屋々々に登り着きぬ。我室の窓より見れば、烟波
渺茫
(
べうばう
)
として、遠きシチリアのあたりまで只だ一目に見渡さる。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ああ了見の
小
(
ちさ
)
い奴はつまらぬことを理屈らしく恥かしくもなく云うものだと、聞いているさえおかしくて
堪
(
たま
)
らなさにふとそう思ったその途端
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
白樺の
小
(
ちさ
)
い林などを
時時
(
ときどき
)
見るやうになつた。
三日
(
みつか
)
目の朝に
復
(
また
)
国境の駅で旅行券や手荷物を調べられた。午後に私の室へ一人の相客が
入
(
はひ
)
つて来た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
路
(
みち
)
に
太郎稻荷
(
たらういなり
)
あり、
奉納
(
ほうなふ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
堂
(
だう
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ、
小
(
ちさ
)
き
鳥居
(
とりゐ
)
夥多
(
おびたゞ
)
し。
此處
(
こゝ
)
彼處
(
かしこ
)
露地
(
ろぢ
)
の
日
(
ひ
)
あたりに
手習草紙
(
てならひざうし
)
を
干
(
ほ
)
したるが
到
(
いた
)
る
處
(
ところ
)
に
見
(
み
)
ゆ、
最
(
いと
)
もしをらし。それより
待乳山
(
まつちやま
)
の
聖天
(
しやうでん
)
に
詣
(
まう
)
づ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
エリスは床に
臥
(
ふ
)
すほどにはあらねど、
小
(
ちさ
)
き鉄炉の
畔
(
ほとり
)
に椅子さし寄せて言葉
寡
(
すくな
)
し。この時戸口に人の声して、程なく
庖厨
(
はうちゆう
)
にありしエリスが母は、郵便の書状を持て来て余にわたしつ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
ところへ過去が押し寄せて来た。二十七年の長い夢と
背
(
そびら
)
を向けて、西の国へさらりと流したはずの昔から、一滴の
墨汁
(
ぼくじゅう
)
にも
較
(
くら
)
ぶべきほどの暗い
小
(
ちさ
)
い点が、明かなる都まで押し寄せて来た。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「とつちやん」と
小
(
ちさ
)
き
末
(
すゑ
)
娘に呼ばれて、
門先
(
かどさき
)
の井戸の
許
(
もと
)
に
鎌磨
(
かまと
)
ぐ
老爺
(
おやぢ
)
もあり。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此処に
小
(
ちさ
)
い
痣
(
あざ
)
が出来ているでしょう。痣なんか、私にゃありゃしなかった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
何
(
いず
)
れとわかぬ
小
(
ちさ
)
きフランスの街の名に
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
いつきたる
小
(
ちさ
)
き
龕
(
ほくら
)
の
傍
(
かた
)
へ過ぎ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
いとほしや
小
(
ちさ
)
き
学生
(
がくしやう
)
おもひで
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
小
(
ちさ
)
き蕾も見ゆるかな
枯草
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
午後は
此
(
この
)
君達あらかた留守になり申し
候
(
さふらふ
)
。残れるは
小
(
ちさ
)
き人伴へる婦人達のみ、さあらぬは
私
(
わたくし
)
の如き病人に
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
當時わが目にとまりしは、
方
(
けた
)
なる形に作りたる圓柱の廊なりき。廊に圍まれたるは
小
(
ちさ
)
き
馬鈴藷圃
(
ばれいしよばたけ
)
にて、そこにはいとすぎ(チプレツソオ)の木二株、
檸檬
(
リモネ
)
の木一株立てりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と不足らしい顔つきして女を見送りしが、何が眼につきしや急にショゲて
黙然
(
だんまり
)
になって抽斗を
開
(
あ
)
け、
小刀
(
こがたな
)
と
鰹節
(
ふし
)
とを取り出したる男は、
鰹節
(
ふし
)
の
亀節
(
かめぶし
)
という
小
(
ちさ
)
きものなるを見て
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
細い足を壺の
縁
(
ふち
)
へ
懸
(
か
)
けて、
小
(
ちさ
)
い嘴に受けた
一雫
(
ひとしずく
)
を大事そうに、
仰向
(
あおむ
)
いて
呑
(
の
)
み
下
(
くだ
)
している。この分では一杯の水が十日ぐらい続くだろうと思ってまた書斎へ帰った。晩には箱へしまってやった。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それではこれ/\の処に菊水という、桜木ほどに
清潔
(
きれい
)
ではないが、私の気の置けない
小
(
ちさ
)
い家があるから、と、約束をして、私は、ものの一と月も顔を見なかったような、
急々
(
せかせか
)
した心持をしながら
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
『あの人
等
(
ら
)
は来なくつても
好
(
い
)
い。
小
(
ちさ
)
いのだから。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
今見る
如
(
ごと
)
く
小
(
ちさ
)
き
都
(
みやこ
)
に過ぎざらん。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
歳
(
とし
)
は
小
(
ちさ
)
くも 幼くも
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
小
(
ちさ
)
きはひしめける
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
独逸
(
ドイツ
)
と
仏蘭西
(
フランス
)
をかたみに
賞
(
ほ
)
め合ふ事のみ致し、
英
(
えい
)
は大国の風ありとのみをよき事にして話より
何時
(
いつ
)
も遠ざけられ
居
(
を
)
り
候
(
さふら
)
ふも、こはこの
小
(
ちさ
)
き一室のみの事にて
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
提香爐
(
ひさげかうろ
)
を打ち振りても、街にありて、叫ぶ
賈人
(
あきうど
)
、
轟
(
とゞろ
)
く車の間に立ちても、聖母の像と靈水盛りたる瓶の下なる、
小
(
ちさ
)
き
臥床
(
ふしど
)
の中にありても、たゞ詩をおもふより外あらざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
はかなげに花
小
(
ちさ
)
く咲きぬ。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小
(
ちさ
)
き蝶の、小き花に
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小
(
ちさ
)
い花子が来て見たら
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小
(
ちさ
)
い花子の思ふやう
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小
(
ちさ
)
い頭とくちばしが
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小
(
ちさ
)
き事一つに
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
“小”の意味
《名詞》
(ショウ)ちいさいこと。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
“小”を含む語句
小便
小女
小刀
小屋
小僧
小路
小児
小舟
小童
小人
小竹
矮小
小兒
小娘
小角
小波
小野
小説
小婢
小字
...