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地味
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ぢみ
ふりがな文庫
“
地味
(
ぢみ
)” の例文
けれども三千代は其方面の婦人ではなかつた。
色合
(
いろあひ
)
から云ふと、もつと
地味
(
ぢみ
)
で、
気持
(
きもち
)
から云ふと、もう少し
沈
(
しづ
)
んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
凡
(
すべ
)
ての
草木
(
さうもく
)
は
更
(
さら
)
に
慌
(
あわ
)
てた。
地味
(
ぢみ
)
な
常磐木
(
ときはぎ
)
を
除
(
のぞ
)
いた
外
(
ほか
)
に
皆
(
みな
)
次
(
つぎ
)
の
春
(
はる
)
の
用意
(
ようい
)
の
出來
(
でき
)
るまでは
凄
(
すご
)
い
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
つてまでも
凝然
(
ぢつ
)
としがみついて
居
(
ゐ
)
る。
冬
(
ふゆ
)
は
復
(
ま
)
た
霜
(
しも
)
を
偃
(
は
)
はせて
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼は石のやうに頑固なので、私は散々困り拔いた末、やつと
地味
(
ぢみ
)
な黒の繻子と
眞珠色
(
しんじゆいろ
)
をした灰色の絹とに換へるやうに、彼を説きつけた。「今度はまあそれでよい。」と彼は云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
派手
(
はで
)
と
地味
(
ぢみ
)
に歐風を學んでゐたが、急風潮だつた歐風の、鹿鳴館時代の反動もあつて、漢詩をやつたり、煎茶が
流行
(
はや
)
つたりして、道具類も支那式のものが客間に多く竝べられてゐるし
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「うん。
地味
(
ぢみ
)
もひどくよくはないが、またひどく悪くもないな。」
狼森と笊森、盗森
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
あの
地味
(
ぢみ
)
な、薄暗い、不思議な
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
たゞ
地味
(
ぢみ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
をしなれた
結果
(
けつくわ
)
として、
足
(
た
)
らぬ
家計
(
くらし
)
を
足
(
た
)
ると
諦
(
あき
)
らめる
癖
(
くせ
)
が
付
(
つ
)
いてゐるので、
毎月
(
まいげつ
)
極
(
きま
)
つて
這入
(
はい
)
るものゝ
外
(
ほか
)
には、
臨時
(
りんじ
)
に
不意
(
ふい
)
の
工面
(
くめん
)
をしてまで
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
寧
(
むし
)
ろ
地味
(
ぢみ
)
で
移氣
(
うつりぎ
)
な
心
(
こゝろ
)
が
際限
(
さいげん
)
もなく
一
(
ひと
)
つを
逐
(
お
)
ふには
年齡
(
ねんれい
)
が
餘
(
あまり
)
に
彼等
(
かれら
)
を
冷靜
(
れいせい
)
な
方向
(
はうかう
)
に
傾
(
かたむ
)
かしめて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
室
(
へや
)
は
高
(
たか
)
い
天井
(
てんじやう
)
に
比例
(
ひれい
)
して
廣
(
ひろ
)
く
且
(
か
)
つ
寒
(
さむ
)
かつた。
色
(
いろ
)
の
變
(
かは
)
つた
疊
(
たゝみ
)
の
色
(
いろ
)
が
古
(
ふる
)
い
柱
(
はしら
)
と
映
(
て
)
り
合
(
あ
)
つて、
昔
(
むかし
)
を
物語
(
ものがた
)
る
樣
(
やう
)
に
寂
(
さ
)
び
果
(
は
)
てゝゐた。
其所
(
そこ
)
に
坐
(
すわ
)
つてゐる
人々
(
ひと/″\
)
も
皆
(
みな
)
地味
(
ぢみ
)
に
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
水
(
みづ
)
に
近
(
ちか
)
い
濕
(
しめ
)
つた
土
(
つち
)
が
暖
(
あたゝ
)
かい
日光
(
につくわう
)
を
思
(
おも
)
ふ一
杯
(
ぱい
)
に
吸
(
す
)
うて
其
(
その
)
勢
(
いきほ
)
ひづいた
土
(
つち
)
の
微
(
かす
)
かな
刺戟
(
しげき
)
を
根
(
ね
)
に
感
(
かん
)
ぜしめるので、
田圃
(
たんぼ
)
の
榛
(
はん
)
の
木
(
き
)
の
地味
(
ぢみ
)
な
蕾
(
つぼみ
)
は
目
(
め
)
に
立
(
た
)
たぬ
間
(
ま
)
に
少
(
すこ
)
しづゝ
延
(
の
)
びてひら/\と
動
(
うご
)
き
易
(
やす
)
くなる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼等
(
かれら
)
は
夫程
(
それほど
)
の
年輩
(
ねんぱい
)
でもないのに、もう
其所
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
り
拔
(
ぬ
)
けて、
日毎
(
ひごと
)
に
地味
(
ぢみ
)
になつて
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
の
樣
(
やう
)
にも
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎が
著
(
いちじ
)
るしく感じたのは、其水彩の色が、どれも是も
薄
(
うす
)
くて、
数
(
かず
)
が
少
(
すく
)
なくつて、対照に乏しくつて、
日向
(
ひなた
)
へでも
出
(
だ
)
さないと
引
(
ひ
)
き立たないと思ふ程
地味
(
ぢみ
)
に
描
(
か
)
いてあるといふ事である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
最後に地方の大
地主
(
ぢぬし
)
の、一見
地味
(
ぢみ
)
であつて、其実自分等よりはずつと鞏固の基礎を有してゐる事を述べた。さうして、此比較を論拠として、新たに今度の結婚を成立させやうと力めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“地味”の意味
《名詞》
(ちみ、ぢみ)土地の性質。土壌の良し悪、肥(こ)え具合。土地の生産力、とれる作物。
(じみ 歴史的仮名遣い:ぢみ)飾り気がなく落ち着いていること(詳細は「じみ」参照)。
(出典:Wiktionary)
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“地味”で始まる語句
地味豊饒