哲學てつがく)” の例文
新字:哲学
ロレ いや、そのことば鋭鋒きっさきふせ甲胄よろひおまさう。逆境ぎゃくきゃうあまちゝぢゃと哲學てつがくこそはひとこゝろなぐさぐさぢゃ、よしや追放つゐはうとならうと。
そこで自分じぶんは『對話たいわ』といふことについかんがはじめた、大袈裟おほげさへば『對話哲學たいわてつがくたのを『お喋舌しやべり哲學てつがく』について。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いく丁斑魚めだかでも滿足まんぞくられんなら、哲學てつがくずにはられんでせう。いやしく智慧ちゑある、教育けういくある、自尊じそんある、自由じいうあいする、すなはかみざうたる人間にんげんが。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
以來いらい百家ひやくかしよんで、哲學てつがくしうする、ととなへて、別業べつげふ居續ゐつゞけして、まどぢて、かきひらいた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
りながらこの問題もんだいじつ哲學てつがく領分れうぶんぞくするもので、容易ようゐ解決かいけつされぬ性質せいしつのものである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
文藝ぶんげいにも哲學てつがくにもゑんのない彼等かれらは、このあぢつくしながら、自分じぶん自分じぶん状態じやうたい得意とくいがつて自覺じかくするほど知識ちしきたなかつたから、おな境遇きやうぐうにある詩人しじん文人ぶんじんなどよりも、一層いつそう純粹じゆんすゐであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
八の哲學てつがくは相變らず、途方もないところまで發展するのです。
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部ぐわいぶだとか、苦痛くつうや、たいする輕蔑けいべつだとか、眞正しんせいなる幸福かうふくだとか、と那麼言草こんないひぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適當てきたうしてゐる哲學てつがくです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ロミオ それ、また「追放つゐはう」と! えゝ、哲學てつがくめ、くさりをれ! 哲學てつがくでヂュリエットが出來できまちうつされ、領主りゃうしゅ宣告せんこく取消とりけさるればらぬこと、哲學てつがくなんやくつ、なんにならう? もうかぬ。
八五郎はまた、途方もない哲學てつがくを持ち込んで來るのです。
と、まこと都合つがふ哲學てつがくです。さうして自分じぶん哲人ワイゼかんじてゐる……いや貴方あなたこれはです、哲學てつがくでもなければ、思想しさうでもなし、見解けんかいあへひろいのでもい、怠惰たいだです。自滅じめつです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
八五郎と一かど哲學てつがくらしいことを言ふのでした。