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ふりがな文庫
“
和蘭
(
オランダ
)” の例文
新村氏は
希臘
(
ギリシヤ
)
語や、
羅甸
(
ラテン
)
語や、
和蘭
(
オランダ
)
語や、そしてやくざな日本語が福神漬のやうに一杯詰つてゐる頭へ手を当てがつてじつと考へた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
だが、咸臨丸という船だけは、本来
和蘭
(
オランダ
)
から買入れた船なのだ。もう一歩進んで、その船をも日本人の手で造りたいものではないか。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この報償として
和蘭
(
オランダ
)
人だけは鎖国の令を
免
(
まぬか
)
かれて、長崎の一部を与えられ、この地に商業を営んで盛んに利益を獲得しつつあった。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
我我は盗賊、殺戮、姦淫等に於ても、決して「黄金の島」を探しに来た
西班牙
(
スペイン
)
人、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
人、
和蘭
(
オランダ
)
人、
英吉利
(
イギリス
)
人等に劣らなかつた。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
土地の売買勝手次第又各国巡回中、待遇の最も
濃
(
こまやか
)
なるは
和蘭
(
オランダ
)
の右に
出
(
いず
)
るものはない。是れは三百年来特別の関係で
爾
(
そ
)
うなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
一九一五年二月、私は独逸軍占領のブルツセル市を脱け出して、
和蘭
(
オランダ
)
の国境を超へ、英国に渡り、更に海峡を
過
(
よぎ
)
つて仏蘭西に落ち延びた。
馬鈴薯からトマト迄
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
それに、胸の方も少し痛めているので、あの和かな水と花で飾られてある
和蘭
(
オランダ
)
で、職業を研究しながら、体を恢復して来るつもりです。.
唇草
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
道具は他愛の無いものでしたが、金持の道樂の馬鹿々々しさよりも、人一人の命を取つた、
和蘭
(
オランダ
)
の赤い酒が平次には大事でした。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
積んで来た十個の味噌樽が全部、ロクに調べもせずに
和蘭
(
オランダ
)
船に積込まれて、代りに夥しい
羅紗
(
ラシャ
)
とギヤマンの梱包が、玄海丸に積込まれた。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
譬
(
たと
)
へば
和蘭
(
オランダ
)
のレンブラント仏蘭西のコロオ
西班牙
(
スペイン
)
のゴヤとまた仏国の
諷刺
(
ふうし
)
画家ドオミエーとを一時に混同したるが如き大家なりとなせり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この本は三冊あり、宇田川榕庵のつくった
和蘭
(
オランダ
)
の本の訳本で、西洋の植物学を解説したものであったが、この本について植物学を勉強した。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ベルギーを見よ、
和蘭
(
オランダ
)
を見よ、チェッコを見よ、ポーランドを見よ、それからユーゴを見よ。ギリシヤを見よ、
蒋介石
(
しょうかいせき
)
を見よ。
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
壁に添ってハンモックが釣るされてあったが、そこには、人間が寝ていずに、
和蘭
(
オランダ
)
あたりの船長でも着そうな、洋服が丸めて置いてあった。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
波蘭
(
ポーランド
)
、
和蘭
(
オランダ
)
、
加奈陀
(
カナダ
)
、
諾威
(
ノルーウェー
)
、等の国人より成り、毎週一回二時間位の部長会議を開き、各種の問題を打合せまたは討議する。
国際聯盟とは如何なものか
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「
和蘭
(
オランダ
)
渡りで遠くの人を呼ぶ道具……。
吹矢
(
ふきや
)
の筒のようなもの……。成程それに違げえねえ。わっしも一度見たことがある」
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
形而上学と云ふ、
和蘭
(
オランダ
)
寺院楽
(
じゐんがく
)
の
諧律
(
かいりつ
)
のやうな組立てに
倦
(
う
)
んだ自分の耳に、或時ちぎれちぎれの
Aphorismen
(
アフオリスメン
)
の旋律が聞えて来た。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鎖国令行われてより以来、
我邦
(
わがくに
)
と通商するものは、僅かに
支那
(
シナ
)
、
和蘭
(
オランダ
)
にして、その地方もまた長崎の
猫額
(
ねこのひたい
)
大の天地に限れり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
後
和蘭
(
オランダ
)
国ニ留学ノ日亦同シク
霊田
(
ライデン
)
ニ住シ、霊田大学法学教授法学博士ヒツスセリング氏ニ就テ欧洲政学ノ要ヲ聞キ、余暇互ニ議論ヲ闘ハシタリ。
西周伝:05 序
(新字旧仮名)
/
津田真道
(著)
出島
和蘭
(
オランダ
)
屋敷の絵巻物、対支貿易に使用された信牌、航海図、きりしたんころびに関する書つけ、シーボルトの遺物、フェートン号の航海日誌
長崎の一瞥
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
しかるにそれよりも二十何年の後、西暦一七七七年に来朝した
和蘭
(
オランダ
)
甲比丹
(
カピタン
)
ツンベルグは、その江戸往来の旅行において次のような見聞をしている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
和蘭
(
オランダ
)
が不作のために、
倫敦
(
ロンドン
)
から大口の注文があったからだ、とあの時皆は云っていたさ。ところが、今度小樽へ出て聞いてみると、そうでないんだ。
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
というのは、
途々
(
みちみち
)
ウルリーケが話したとおりに、艇長の生地が
和蘭
(
オランダ
)
のロッタム島だとすれば、当然その符合が、彼を指差すものでなくて何であろう。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
外国と緩優交易に付、此後とても拒絶あらば、幸福の日本国、
究
(
きわまり
)
て航海する世界数ヶ所の強国、
然
(
しか
)
も一統と、戦闘に及ぶべく、
和蘭
(
オランダ
)
政府確と見究め候。
空罎
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
登の頭に殺人
淫楽
(
いんらく
)
、という意味の言葉がうかんだ。長崎で勉強したときに、
和蘭
(
オランダ
)
の医書でそういう症例をまなんだ。
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
盲人一流の芸者として当然の事なれども、触覚鋭敏
精緻
(
せいち
)
にして、琉球時計という特殊の
和蘭
(
オランダ
)
製の時計の掃除、修繕を探りながら自らやって楽しんでいた。
盲人独笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
○西洋の古画の写真を見て居たらば、二百年前位に
和蘭
(
オランダ
)
人の画いた風景画がある。これらは恐らくはこの時代にあつては珍しい材料であつたのであらう。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
しかるに今年三月初めに至って
和蘭
(
オランダ
)
ライデンの大学教授オンネス氏はついにこれをも液化し得たと伝えられる。
話の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
又家康の時には更に西班牙と葡萄牙とを商敵とする新教国の
和蘭
(
オランダ
)
人が現はれて家康の前に世界地図をひろげ
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
濠州
(
ごうしゅう
)
、あふりか、
支那
(
しな
)
、日本への関門。そうです。十六世紀に、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
人がここの海岸へ城塁を築きました。それを、あとから
和蘭
(
オランダ
)
の征服者が改造しました。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それが間違がつて、樅の木より先に、
和蘭
(
オランダ
)
の商船の壊れたのが沈んでしまつたり何かするのでございます。
うづしほ
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
天井の太い梁も、隅棚の
和蘭
(
オランダ
)
の人形も、置時計も、花瓶も、木の間ごしにチラチラとうごく水明りも、眼にうつるものはすべて、もうなんの情緒もひき起さない。
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
葡萄牙
(
ポルトガル
)
人を先駆として東洋の
印度
(
インド
)
や支那や日本に力を伸して来たが、今はすでに英国が
葡萄牙
(
ポルトガル
)
を
卻
(
しりぞ
)
け、
和蘭
(
オランダ
)
を圧して、東洋貿易を独占しようとして、支那と交易し
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そのとき、ある
和蘭
(
オランダ
)
船のかぴたんから隅然手に入れたのがこの妖異きわまる嗜人草の苗であった。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
長崎の凧は昔
葡萄牙
(
ポルトガル
)
や
和蘭
(
オランダ
)
の船の旗を模したと見えて、今日でも信号旗のようなものが多い。
凧の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
そうしないと、どこで何を騒いでるんだか一向わからないから——そこで、なにを隠そう、この僻村こそは、
和蘭
(
オランダ
)
ユウトラクト在なになに郡
大字
(
おおあざ
)
何とかドュウルンの部落である。
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
独逸
(
ドイツ
)
人二人にガイド一人、一組は、米人と
和蘭
(
オランダ
)
人で、ガイドが二人、この連中が手分けをして、一人はグリンデルワルトに医者と人夫を呼びに行き、一組はヘッスラーの捜索に
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
そうして林鶴一博士が
和蘭
(
オランダ
)
の雑誌へ「日本数学略史」と題して紹介を始め、独逸ではキール大学の教授で、同所の天文台長であるハルツェル博士が、「旧日本の精密科学」と題し
数学史の研究に就きて
(新字新仮名)
/
三上義夫
(著)
軍隊洋式調練の必要が唱えらるるや、我が藩は直ちに採用して、
和蘭
(
オランダ
)
式の銃隊を編成することとなり、その教授のために
下曾根
(
しもそね
)
〔金三郎〕の門人なる小林大助というを召抱えられた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
和蘭
(
オランダ
)
か
南京
(
ナンキン
)
じゃ、そうなると、女なんかそっち除けじゃ、この皿鉢さえ一枚持ち出せば、今晩の散財は浮いてしまう、と云う、悪いことを考えだしたのじゃ、で、大引けまで、ちびり
幽霊の自筆
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それを、側にゐた素焼の
和蘭
(
オランダ
)
人が二人で抱き起したのが、丁度公爵の首の落ちたのと同時であつた。和蘭人は二人とも人の好い、腹のふくらんでゐる男である。そしてかう云つてゐる。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
通訳として
和蘭
(
オランダ
)
の
甲必丹
(
カピタン
)
マンスダール、商人シクス、手代ヰッセールそれに
羅甸
(
ラテン
)
語のやゝ解るドューウといふ者が立合ひ、彼等はこの日取調べる二十五箇条を箇条書にしたものを持ち
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかし独逸人に限らず、
亜米利加
(
アメリカ
)
人でも、仏蘭西人、
和蘭
(
オランダ
)
人……西洋人のことごとくが、ほとほと当惑した時に、顔中をしかめて投げ出すような調子で、
呟
(
つぶや
)
く苦笑の言葉だったのです。
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
巾着切
(
きんちゃくき
)
りから、女白浪——長崎で役を勤めるようになってからは、
紅毛碧眼
(
こうもうへきがん
)
の
和蘭
(
オランダ
)
、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
人、顔色の青白い背の高い唐人から、
呂宋
(
ルソン
)
人まで善悪正邪にかかわらず、
凡
(
およ
)
そありと
凡
(
あら
)
ゆる
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
Ⅻ
敷瓦
(
しきがわら
)
。陶器。藍絵。魚釣の図。
和蘭
(
オランダ
)
デルフト。四寸二分角。厚み三分。著者蔵。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
泉石は
和蘭
(
オランダ
)
の本も沢山買ってよく読んだ。日記の中に、非常に欲しい蘭本があるが、三両もするので買えないという記事がある。家老の身でも三両の本はちょっと買いにくかったらしい。
『雪華図説』の研究後日譚
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
から
英吉利
(
イギリス
)
に渡り、英吉利から
和蘭
(
オランダ
)
、
独逸
(
ドイツ
)
、
瑞西
(
スイス
)
とまわって
伊太利
(
イタリー
)
のミラノに来た。ミラノに来たのは僕は二度目である、そうして歩いているうちに妻はいつのまにか懐妊していた。
妻
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
たとえて見ると、心の奥に吉野山があるようなもので、その吉野山は唐土までも続いているという事であるが、あたかも我心も唐土は愚か
天竺
(
てんじく
)
までも
和蘭
(
オランダ
)
までも続いておるというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
歓喜の最中夢中独待の下品な言葉をもらすアングロサクソン種の
和蘭
(
オランダ
)
人、オットマン帝国の
土耳古
(
トルコ
)
人からは古代のシステムの掟を、アイオニア民族の
希臘
(
ギリシャ
)
人からは商売の極意を教わりました。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
またヲハイの女王額上に菊章を
文
(
もん
)
する類〈
和蘭
(
オランダ
)
人ム、イ、ハンオーヘン氏著述、千八百五十五年鏤行、地上人民風俗通四百六十四葉の図に
出
(
い
)
ず〉、皇国学者をしてこれを論ぜしめば必ず云わん
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
絵かきだか何だか妙な
判
(
はん
)
じもののような者や、ポンチ画の広告見たような者や、長いマントを着て
尖
(
とが
)
ったような帽子を
被
(
かぶ
)
った
和蘭
(
オランダ
)
の植民地にいるような者や、一種特別な人間ばかりが行っている。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
蘭
漢検準1級
部首:⾋
19画
“和蘭”で始まる語句
和蘭陀
和蘭人
和蘭語
和蘭陀加留多
和蘭風
和蘭画
和蘭館
和蘭渡
和蘭物
和蘭船