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わけい
ふりがな文庫
“
分入
(
わけい
)” の例文
此
(
この
)
上は
矢
(
や
)
はり山へ向うより他は無い。で、
曩
(
さき
)
に巡査等が登った
路
(
みち
)
とは方角を変えて、西の方から
山路
(
やまみち
)
へ
分入
(
わけい
)
ろうとする途中に、小さい丘が見えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
聞
(
き
)
くが
如
(
ごと
)
き
他界
(
たかい
)
であるのを
信
(
しん
)
ずると
共
(
とも
)
に、
双六
(
すごろく
)
の
賭
(
かけ
)
が
弥
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
にも、
意味
(
いみ
)
の
深
(
ふか
)
いものに
成
(
な
)
つた
事
(
こと
)
を
喜
(
よろこ
)
んだ……
勿論
(
もちろん
)
、
谷
(
たに
)
へ
分入
(
わけい
)
るに
就
(
つ
)
いて
躊躇
(
ちうちよ
)
を
為
(
し
)
たり
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
初
(
はじ
)
めて
萱原
(
かやはら
)
に
分入
(
わけい
)
つた
時
(
とき
)
に
居
(
ゐ
)
た
活東子
(
くわつとうし
)
は
死
(
し
)
んだ。
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
は
如何
(
どう
)
したのか、
寄
(
よ
)
りつきも
仕
(
し
)
ない。
狹衣子
(
さごろもし
)
は
役者
(
やくしや
)
に
成
(
な
)
つて、あの
泥
(
どろ
)
を
渫
(
しやく
)
つた
手
(
て
)
でお
白粉
(
しろしい
)
を
解
(
と
)
きつゝあり。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
池の
辺
(
ほとり
)
を逍遥して古い石像の欠けたのなどを
木立
(
こだち
)
の中に仰ぎ、又林の中に
分入
(
わけい
)
つて
淡紅
(
たんこう
)
の大理石を畳んだ
仏蘭西
(
フランス
)
建築の最も醇化されたトリアノンの柱廊に
倚
(
よ
)
り掛り
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それでもこれだけ
分入
(
わけい
)
るのさえ、樹の枝にも、卒都婆にも、
苔
(
こけ
)
の露は深かった。……旅客の指の
尖
(
さき
)
は草の汁に青く染まっている。
雑樹
(
ぞうき
)
の影が
沁
(
し
)
むのかも知れない。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
山又山の奥ふかく
分入
(
わけい
)
ると、
斯
(
こ
)
ういう不思議が毎々あるので、忌々しいから
何
(
ど
)
うかして其の正体を見とどけて、一番退治して遣ろうと、仲間の者とも
平生
(
つねづね
)
申合せているけれども
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これで一同勇気が出て、かれこれ一里余りも
分入
(
わけい
)
った時に、また先頭の一人が叫んだ。
壁の眼の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
来
(
き
)
て
見
(
み
)
ぬ
内
(
うち
)
こそ、
峯
(
みね
)
は
雲
(
くも
)
に、
谷
(
たに
)
は
霞
(
かすみ
)
に、
長
(
とこしへ
)
に
封
(
ふう
)
ぜられて、
自分等
(
じぶんら
)
、
芸術
(
げいじゆつ
)
の
神
(
かみ
)
に
渇仰
(
かつがう
)
するものが、
精進
(
しやうじん
)
の
鷲
(
わし
)
の
翼
(
つばさ
)
に
乗
(
の
)
らないでは、
杣
(
そま
)
山伏
(
やまぶし
)
も
分入
(
わけい
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬであらう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それが数年前からこちらへ来て、黒姫山中に珍奇の薬草を採集する目的で、老体ながら人手を借りず、自ら不思議な住居を建て、
隙
(
ひま
)
さえあれば山野の中にただ一人で
分入
(
わけい
)
るのであった。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
有合
(
ありあ
)
う枯枝や落葉を拾って釜の下を焚付け、三人寄って夕飯の支度をしている
中
(
うち
)
、一人が枯枝を拾う為に
背後
(
うしろ
)
の木かげへ
分入
(
わけい
)
ると、ここに大きな池があって、三羽の鴨が岸の浅瀬に降りている。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何、牛に乗らないだけの
仙家
(
せんか
)
の
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の
指示
(
しめし
)
である……もっと山高く、草深く
分入
(
わけい
)
ればだけれども、それにはこの陽気だ、
蛇体
(
じゃたい
)
という
障碍
(
しょうげ
)
があって、望むものの方に、
苦行
(
くぎょう
)
が足りない。
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
珠
(
たま
)
か、
黄金
(
こがね
)
か、
世
(
よ
)
にも
貴
(
たうと
)
い
宝什
(
たから
)
が
潜
(
ひそ
)
んで、
気
(
き
)
の
群立
(
むらだ
)
つよ、と
憧憬
(
あこが
)
れながら、
風
(
かぜ
)
に
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
の
音信
(
たより
)
もなければ、もみぢを
分入
(
わけい
)
る
道
(
みち
)
も
知
(
し
)
らず……
恰
(
あたか
)
も
燦爛
(
さんらん
)
として
五彩
(
ごさい
)
に
煌
(
きら
)
めく、
天上
(
てんじやう
)
の
星
(
ほし
)
を
指
(
ゆびさ
)
しても
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“分”で始まる語句
分
分明
分別
分限
分際
分娩
分捕
分限者
分銅
分疏