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免
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めん
ふりがな文庫
“
免
(
めん
)” の例文
ここだろうと、いい加減に見当をつけて、ご
免
(
めん
)
ご免と二返ばかり云うと、
奥
(
おく
)
から五十ぐらいな
年寄
(
としより
)
が古風な
紙燭
(
しそく
)
をつけて、出て来た。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まア、よい。五人の命を助けた手柄に
免
(
めん
)
じて、今度だけは
朝倉石見守
(
あさくらいはみのかみ
)
樣の手前を取りつくろつてやらう。以後はならぬぞ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ご両君でそういうご保証がおできなら、若様がた年来のご勉強に
免
(
めん
)
じて、一回だけごらんに入れ申しあげましょうか?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
保則さま、ご
免
(
めん
)
あそばせ、しまいにわたくしは
御身様
(
おみさま
)
があそこにお住みになられているのではないかと、そんなふうに考えることもございました。
玉章
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして、あなたには知恵の鏡に
免
(
めん
)
じて、卵を一つ差し上げたそうです。それを大事にしまっておおきなさい。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
「どうかご
免
(
めん
)
をねがいます。私は長くお
日様
(
ひさま
)
を見ますと
死
(
し
)
んでしまいますので」としきりにおわびをします。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
※※共に四角の中の
劃
(
かく
)
を外まで引き出すなり。活字を見るに
兎
(
と
)
の字は正しけれど
免
(
めん
)
の字はことさらに二画に離したるが多し。しかしこれらは誤といふにも
非
(
あらざ
)
るか。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
『おまえさんを相手に
喧嘩
(
けんか
)
したって初まらねえ。じゃあ、新之助さんの顔に
免
(
めん
)
じて、出してやろうか』
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ゆえに止むを得ず一時の
権宜
(
けんぎ
)
として、彼らには軍法を応用せず、兵役も
免
(
めん
)
じ、納税の義務も免じた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
(
厭
(
いや
)
? しょうがありませんね、それじゃご
一所
(
いっしょ
)
に召しあがれ。
貴僧
(
あなた
)
、ご
免
(
めん
)
を
蒙
(
こうむ
)
りますよ。)
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(赦文を読む)重科
遠流
(
おんる
)
を
免
(
めん
)
ず。早く
帰洛
(
きらく
)
の思いをなすべし。このたび
中宮
(
ちゅうぐう
)
ご産の
祈祷
(
きとう
)
によって非常のゆるし行なわる。しかる間、
鬼界
(
きかい
)
が島の
流人
(
るにん
)
、
丹波
(
たんばの
)
成経、
平
(
たいらの
)
康頼を
赦免
(
しゃめん
)
す。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
おれに
免
(
めん
)
じておまえたちもがまんしてくれ、おれがあやまり
賃
(
ちん
)
はだすから、花前も気ちがいながら、牛をだいじにしてからの思いちがいであってみるとかわいそうなところがある
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
采女
(
うねめ
)
はこう言って、
昔
(
むかし
)
からの言い伝えを引いておもしろく歌いあげました。天皇はこの歌に
免
(
めん
)
じて、
采女
(
うねめ
)
の罪を許しておやりになりました。すると皇后もたいそうお喜びになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
(2) 裁判官ハ刑法ノ宣告又ハ
懲戒
(
ちょうかい
)
ノ処分ニ
由
(
よ
)
ルノ
外
(
ほか
)
其
(
そ
)
ノ職ヲ
免
(
めん
)
セラルヽコトナシ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
またあるいは大字何々字何々里もしくは何々村大字何何字何々
免
(
めん
)
というのもある。免は地租の関係から出た語である。免は今の語でいえば地租率である。各免ごとに納率を異にし得たのである。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いまさら帰らぬことながら、わしというものないならば、
半兵衛
(
はんべえ
)
様もお通に
免
(
めん
)
じ、子までなしたる
三勝
(
さんかつ
)
どのを、
疾
(
と
)
くにも呼び入れさしゃんしたら、半七さんの身持も直り、ご勘当もあるまいに……
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
忠太郎 ご
免
(
めん
)
蒙りますでござんす。(敷居を越えて下手に坐る)
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「ついでにおかあさんに云っときますがね、いくら僕が寂しかろうといって、むやみに、お嫁さんの候補者なんか送りつけたりするのはご
免
(
めん
)
蒙
(
こうむ
)
りますよ。やり兼ねないからね。いくらお母さんの世話でも、全くこれだけは断りますよ」
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「ちょっとご
免
(
めん
)
なさい。」
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
好むわけぢやねえ。忠義な人達に
免
(
めん
)
じて、今晩は歸るとしよう——その代り、このお北を、金物町のお屋敷へ引取つて、若樣のお側へ置いてやつて下さい
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
話す義務があると思ふから
話
(
はな
)
すんだから、今日迄の友誼に
免
(
めん
)
じて、
快
(
こゝろ
)
よく僕に僕の義務を
果
(
はた
)
さして呉れ給へ
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「酒までたくさんそろええてくれた
志
(
こころざし
)
に
免
(
めん
)
じて、今晩はお前の家で
酒盛
(
さかも
)
りをするとしよう」
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ひとつ、さっぱりと、
啀
(
いが
)
み合いはやめてもらえぬか。利家の顔にも
免
(
めん
)
じて。——いや利家ごときは問題でないが、先君の御遺志はまだ中道にある。早くも、遺臣仲間の
同床異夢
(
どうしょういむ
)
は見ッともない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(ご
免
(
めん
)
なさいまし、)といったがものもいわない、首筋をぐったりと、耳を肩で
塞
(
ふさ
)
ぐほど顔を横にしたまま
小児
(
こども
)
らしい、意味のない、しかもぼっちりした目で、じろじろと門に立ったものを
瞻
(
みつ
)
める
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ
陛下
(
へいか
)
に
対
(
たい
)
し
奉
(
たてまつ
)
る至誠に
免
(
めん
)
じてお許しを願う
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「まあ
免
(
めん
)
の字に近いという洒落です」
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ご
免
(
めん
)
くださいませ
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ことに語学とか文学とか云うものは
真平
(
まっぴら
)
ご
免
(
めん
)
だ。新体詩などと来ては二十行あるうちで一行も分らない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
王子、あなたがいくら
骨折
(
ほねお
)
っても、夢を捕えることは出来ません。けれど、あなたがあまり熱心なのに
免
(
めん
)
じて、夢の精を一つ見せてあげましょう。私はこの城の後ろの森の王です。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
われは三ヵ国を取り、残り二ヵ国は宗治の忠節に
免
(
めん
)
じておもどし申さん。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ご
免
(
めん
)
下さいまし、」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はめだるだけはご
免
(
めん
)
蒙
(
こうむ
)
りましたが、それでも会員にはされたのです。無論発起人でないから、ずいぶん異存もあったのですが、まあ入っても差支なかろうという主意から入会しました。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是公に聞いて見ると、射撃場へ連れて行ってやるんだと云うから、例の連れて行ってやると云う厚意に
免
(
めん
)
じて、腹の痛いのを我慢して目的の家まで行ってすぐ
椅子
(
いす
)
の上へ腰をかけてしまった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「御
免
(
めん
)
なさい」と云つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
真平
(
まっぴら
)
ご
免
(
めん
)
だ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“免”の解説
免(めん)とは免合/免相(めんあい)とも呼ばれ、江戸時代における石高に対する貢租の割合を指す。
(出典:Wikipedia)
免
常用漢字
中学
部首:⼉
8画
“免”を含む語句
御免
赦免
放免
御免蒙
真平御免
御赦免
御宥免
高免
免許
罷免
免状
免職
赦免状
新免武蔵
眞平御免
免倒
免除
解免
差免
御免成
...