旧字:健氣
最前、鶴子夫人の健気な心構えも聞いているので、信じてはいるが、もしまちがえば、産婦の一命にかかわるかも知れないのである。
家康之を聞き「団右衛門は健気なるものなり、首は見苦しくとも実検せん」とて、法通り実検した。すると、女の痞は忽ち怠った。
まきには落着いた母性的の分別が備はつて、姿形さへ優しく整ふし、ひろ子にはまた、しほらしく健気な娘の性根が現はれて来た。
ひろ子が、どの点では譲歩しすぎている、どの点では、健気に理性を防衛しようと努力している、と。そのとき、ひろ子は学んだ。
だが菊路は、涙ぐましい位にも今健気でした。つかつかと門の外へ歩みよると、ほとほと扉を叩いて中なる門番に呼びかけました。