“しんしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
身上76.8%
財産3.2%
真正2.4%
給金2.4%
紳商1.6%
針小1.6%
心匠0.8%
心性0.8%
心秤0.8%
心証0.8%
(他:11)8.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家を堅くしたと言われる祖父が先代から身上しんしょうを受取る時には、銭箱に百文と、米蔵に二俵のたくわえしか無かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その償いの一端にさえ、あらゆる身上しんしょうけむにして、なお足りないくらいで、焼あとには灰らしい灰も残らなかった。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
財産しんしょうをスッカラカンにってしまうものだそうです。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なんでも二度目か三度目の奥様に違いないので、あの三郎様やお嬢様のみのお母さんではないのですね。なんだか変に、こんがらがっていて、とても、こんな大家の財産しんしょうと内幕は、わたしたちの頭では算段が附きません。
および真正しんしょうを信ぜず、殺盗して罪をつくらば、畜生ちくしょう餓鬼がきの中に堕在し、つぶさに衆苦しゅくを受け、地獄を経歴せん
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そ、そんなんじゃねえ。真正しんしょう間違まちがいのねえおせんのつめべに糠袋ぬかぶくろから小出こだしにして、薬罐やかんなかてるんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「ところが、役者はこっちの方だと云いたいくらいさ、最初から、給金しんしょうも出ないくせにわらわれどおしじゃないか」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
従って菱川もかれも、身分だの給金しんしょうだのは、若宮のような売出しの花形には及ばないまでも、いえば新参の、吾妻や小倉たちのはるか上にあった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
公正なる人格は百の華族、百の紳商しんしょう、百の博士をもってするもつぐないがたきほどたっときものである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そういえば思い出しましたが、あれの居るときに、妙な質問を私にしたことがありましたよ。江戸川乱歩えどがわらんぽさんの有名な小説に『陰獣いんじゅう』というのがありますが、あの内容なか紳商しんしょう小山田夫人おやまだふじん静子しずこが、平田ひらた一郎という男から脅迫状きょうはくじょうを毎日のように受けとる件があります。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
針小しんしょうの外因よりして棒大ぼうだいの内患を引起すべきやも図るべからず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かく動揺されるときは、さなきだに思慮分別ふんべつじゅくせぬ青年はいよいよ心の衡平こうへいを失い、些事さじをも棒大ぼうだいに思い、あるいは反対に大事を針小しんしょうに誤る傾向がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
文明の士人心匠しんしょう巧みにして、自家の便利のためには、時に文林儒流の磊落らいらくを学び、軽躁浮薄けいそうふはく、法外なる不品行を犯しながら、君子は細行さいこうを顧みずなど揚言して、以てその不品行を瞞着まんちゃくするの口実に用いんとする者なきにあらず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もし、不生滅の辺りより論ずるときは、『起信論』のいわゆる「心性しんしょう不生不滅ふしょうふめつ」なり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
わたくしのかけた色っぽい電気は普通の性根の男なら、なおも相手の胸の中に浸み入って、そこで好悪の心秤しんしょうにかゝり、粘り返すなり蔑み除けるなりとにかく心理的な手応えがあるほか、人によっては性の相対の火花を所作の上にまで撥いて何等かこっちに手応えを得さすものですが、文吉はそれっ放しでございます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
中国でお別れする折、道中用心のためにと、私へ手ずからお槍を一本下された上。——さて、筑前どのがいわれるには、その方は仕合せな仁じゃ、いずれ光秀と会うだろうが、このところ、後の天下は、光秀が取るか、自分が取るかだ。その両将のいずれにも心証しんしょうのよいその方の家はまことに安全を保証されているものといわねばならん。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多少たしょう再度さいど内省ないせい分析ぶんせきとはあっても、たしかにこのとおりその時心象しんしょうの中にあらわれたものである。
京師けいし応挙おうきょという画人あり。生まれは丹波たんば笹山ささやまの者なり。京にいでて一風の画を描出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の工夫くふうにて。新裳しんしょうを出しければ。京じゅう妙手として。
人の言葉――自分の言葉 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
然れども太平の酔客は、霜天そうてん晨鐘しんしょうに目をさますを欲せず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
あるいはわが邦の将来を思い、これを思いこれを想うて禁ずるあたわず、万籟寂々ばんらいせきせき天地眠るの深宵しんしょうにひとり慷慨こうがいの熱涙をふるうの愛国者もあらん。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
真証しんしょう間違まちがいなしの、立派りっぱ品物しなものってって、若旦那わかだんなよろこかおながら
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
大勢おおぜい神将しんしょう、あるいはほこり、あるいはけんひっさげ、小野おの小町こまちの屋根をまもっている。そこへ黄泉よみの使、蹌踉そうろうと空へ現れる。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
神戸の縉商しんしょうであるNさんなぞは、飄逸な海亀さながらの長い首を前伸びによろけさして、ヤレ漕げソレ漕げエンヤラヤアノヤアヤである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
Mさんは神戸の縉商しんしょうである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しかし国民としての我は、昔何もかもごちゃごちゃにしていた時代の所謂いわゆる臣妾しんしょうではない。親には孝行を尽す。しかし人の子としての我は、昔子を売ることも殺すことも出来た時代の奴隷ではない。忠義も孝行も、我の領略し得た人生の価値に過ぎない。日常の生活一切も、我の領略してく人生の価値である。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
何も、雀にかこつけて身代しんしょうの伸びない愚痴ぐちを言うのではない。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前さんに笑われるかも知れないが、私しゃね、何だかかえるのがいやになッたから、今日は夕刻ゆうかたまで遊ばせておいて下さいな。紙入れに五円ばかり入ッている。それが私しの今の身性しんしょう残らずなんだ。昨夜ゆうべの勘定を済まして、今日一日遊ばれるかしら。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
抽斎六世の祖を小左衛門こざえもん辰勝しんしょうという。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
後に聞けば墓は今一基あって、それには抽斎の六せいの祖辰勝しんしょうが「寂而院宗貞日岸居士」とし、その妻が「繋縁院妙念日潮大姉」とし、五世の祖辰盛しんせいが「寂照院道陸玄沢日行居士」とし
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)