“しんしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
身上80.2%
財産2.4%
真正1.8%
紳商1.8%
給金1.8%
晨鐘1.2%
針小1.2%
縉商0.6%
辰勝0.6%
心匠0.6%
心性0.6%
心秤0.6%
心証0.6%
心象0.6%
新裳0.6%
深宵0.6%
真性0.6%
真証0.6%
神将0.6%
臣妾0.6%
親性0.6%
身代0.6%
身性0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家を堅くしたと言われる祖父が先代から身上しんしょうを受取る時には、銭箱に百文と、米蔵に二俵のたくわえしか無かった。味噌蔵も空であった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なんだか変に、こんがらがっていて、とても、こんな大家の財産しんしょうと内幕は、わたしたちの頭では算段が附きません。
そりゃァもう仙蔵せんぞうのいうとお真正しんしょう間違まちげえなしの、きたおせんちゃんを江戸えど町中まちなかたとなりゃァ、また評判ひょうばん格別かくべつだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
江戸川乱歩えどがわらんぽさんの有名な小説に『陰獣いんじゅう』というのがありますが、あの内容なか紳商しんしょう小山田夫人おやまだふじん静子しずこが、平田ひらた一郎という男から脅迫状きょうはくじょうを毎日のように受けとる件があります。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
給金しんしょう談判かけあいでした。ずんずん通り抜けて、寺内へ入ると、正面がずッと高縁たかえんで、障子が閉って、茅葺かやぶきですが本堂らしい。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
晨鐘しんしょうを今打ち出だす去年こぞ今年ことし
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
かく動揺されるときは、さなきだに思慮分別ふんべつじゅくせぬ青年はいよいよ心の衡平こうへいを失い、些事さじをも棒大ぼうだいに思い、あるいは反対に大事を針小しんしょうに誤る傾向がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
神戸の縉商しんしょうであるNさんなぞは、飄逸な海亀さながらの長い首を前伸びによろけさして、ヤレ漕げソレ漕げエンヤラヤアノヤアヤである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
Mさんは神戸の縉商しんしょうである。いうところによると、美術院の大観観山たいかんかんざん等の極めて親しいパトロンだそうである。飄逸な反り型の赤ら顔だが、どこかに俗っぽい。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
渋江氏の祖先は下野しもつけ大田原おおたわら家の臣であった。抽斎六世の祖を小左衛門こざえもん辰勝しんしょうという。大田原政継せいけい政増せいそうの二代に仕えて、正徳しょうとく元年七月二日に歿した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それには抽斎の六せいの祖辰勝しんしょうが「寂而院宗貞日岸居士」とし、その妻が「繋縁院妙念日潮大姉」とし、五世の祖辰盛しんせいが「寂照院道陸玄沢日行居士」とし、その妻が「寂光院妙照日修大姉」とし
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
文明の士人心匠しんしょう巧みにして、自家の便利のためには、時に文林儒流の磊落らいらくを学び、軽躁浮薄けいそうふはく、法外なる不品行を犯しながら、君子は細行さいこうを顧みずなど揚言して
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もし、不生滅の辺りより論ずるときは、『起信論』のいわゆる「心性しんしょう不生不滅ふしょうふめつ」なり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そこで好悪の心秤しんしょうにかゝり、粘り返すなり蔑み除けるなりとにかく心理的な手応えがあるほか、人によっては性の相対の火花を所作の上にまで撥いて何等かこっちに手応えを得さすものですが
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その両将のいずれにも心証しんしょうのよいその方の家はまことに安全を保証されているものといわねばならん。——ついては、自分より先に光秀に面会いたした折は、筑前がかく申しおったといえ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多少たしょう再度さいど内省ないせい分析ぶんせきとはあっても、たしかにこのとおりその時心象しんしょうの中にあらわれたものである。ゆえにそれは、どんなに馬鹿ばかげていても、難解なんかいでもかならず心の深部しんぶにおいて万人ばんにん共通きょうつうである。
京師けいし応挙おうきょという画人あり。生まれは丹波たんば笹山ささやまの者なり。京にいでて一風の画を描出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の工夫くふうにて。新裳しんしょうを出しければ。京じゅう妙手として。
人の言葉――自分の言葉 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あるいはわが邦の将来を思い、これを思いこれを想うて禁ずるあたわず、万籟寂々ばんらいせきせき天地眠るの深宵しんしょうにひとり慷慨こうがいの熱涙をふるうの愛国者もあらん。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
次にわれらの座主として真性しんしょう僧正を迎えたことを、まずここに祝そう
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真証しんしょう間違まちがいなしの、立派りっぱ品物しなものってって、若旦那わかだんなよろこかおながら、拝借はいしゃくおよぼうッてんだ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
大勢おおぜい神将しんしょう、あるいはほこり、あるいはけんひっさげ、小野おの小町こまちの屋根をまもっている。そこへ黄泉よみの使、蹌踉そうろうと空へ現れる。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
君には忠義を尽す。しかし国民としての我は、昔何もかもごちゃごちゃにしていた時代の所謂いわゆる臣妾しんしょうではない。親には孝行を尽す。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大町の如道にょどうとか、和田の親性しんしょうとか、松住まつずみ円貞えんていなどという人々も、善信と知りあう機縁を得て、みな旧教をすてて念仏門の帰依者きえしゃになった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何も、雀にかこつけて身代しんしょうの伸びない愚痴ぐちを言うのではない。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紙入れに五円ばかり入ッている。それが私しの今の身性しんしょう残らずなんだ。昨夜ゆうべの勘定を済まして、今日一日遊ばれるかしら。遊ばれるだけにして、どうか置いて下さい。一文も残らないでもいい。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)