“こうしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
哄笑48.1%
高尚14.8%
工廠7.6%
交渉4.6%
好尚4.2%
工匠4.2%
翺翔2.5%
高翔2.1%
公娼1.7%
降将1.7%
口誦0.8%
句章0.8%
後檣0.8%
攷證0.4%
後踵0.4%
黄邵0.4%
広昌0.4%
狡将0.4%
行商0.4%
行相0.4%
鉱床0.4%
香獐0.4%
高嘯0.4%
高墻0.4%
高昌0.4%
高聳0.4%
黄鐘0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、その時早しその時おそし、聴衆のなかにたちまれ鐘のやうな哄笑こうしょうが起つて、ぬつと前へせせりだした一名の壮漢がある。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それでつりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこでは吐き出された炭酸瓦斯ガスが気圧を造り、塵埃を吹き込む東風とチブスと工廠こうしょうの煙ばかりが自由であった。そこには植物がなかった。
街の底 (新字新仮名) / 横光利一(著)
花前はいろも動きはしない。もとより一ごんものをいうのでない。主人しゅじん細君さいくんとはなんらの交渉こうしょうもないふうで、つぎの黒白まだらの牛にかかった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
男の好尚こうしょうなかば伝説的である。なまじいに美学などを聴いた因果いんがで、男はすぐ女に同意するだけの勇気を失っている。学問はおのれをあざむくとは心づかぬと見える。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
工匠こうしょうの家を建つるは労働なり。然りといへどものみかんなを手にするもの欣然きんぜんとしてその業を楽しみ時に覚えず清元きよもとでも口ずさむほどなればその術必ずつたなからず。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
脱公が都へし環さるるに及んで、友仁もいっしょに往って朝廷に仕え、館閣を践歴し、遂に省部に翺翔こうしょうするようになった。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こういうものの間に精神が高翔こうしょうしているんです! 我輩も多少はその……ときに、あなたはリヴィングストンの手記をお読みになりましたか?
そうして一人のおいらんに、振られて振られて振られとおして、やけになって公娼こうしょう廃止を叫び、憤然として美男の同志を殴り、あばれて、うるさがられて、たまたま勲章をもらい
トカトントン (新字新仮名) / 太宰治(著)
の旗を北平ほくへいに送り、世子せいしさとして曰く、これを蔵し、後世をして忘るなからしめよと。旗世子のもとに至る。時に降将こうしょう顧成こせいりて之を見る。成は操舟そうしゅうを業とする者より出づ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
口誦こうしょう・口演・ものがたり」となり、次に
『グリム童話集』序 (新字新仮名) / 金田鬼一(著)
赤烏せきう三年、句章こうしょうの農夫楊度ようたくという者が余姚よちょうというところまで出てゆくと、途中で日が暮れた。
前檣ぜんしょう後檣こうしょうの残部などのもっとも重いものを、エイエイかけ声をして運んだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
攷證こうしょうで、「この歌もし中皇命の御歌ならば、そを奉らせ給ふを取次せし人の名を、ことさらにかくべきよしなきをや」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
旅人の妻の死を哀悼あいとうしたという説に従ったが、これは、憶良の妻の死を、憶良が直接悼んでいるのだと解釈する説があり、岸本由豆流ゆずるの万葉集攷證こうしょうにも
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ところで熊城君、君は、ババンスキイ痛点という言葉を知っているかね。それは、クリヴォフ夫人のような、初期の脊髄癆せきずいろう患者によく見る徴候で、後踵こうしょう部に現われる痛点を指して云うのだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その上、爪先の印像を中央の部分に比較すると、均衡上幾分小さいように思われるのだ。おまけに、後踵こうしょう部に重点があったと言えて、その部分には、特に力を加えたらしい跡が残されている……。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ここに、黄巾の残党で、何儀かぎ黄邵こうしょうという二頭目は、羊山ようざんを中心に、多年百姓の膏血こうけつをしぼっていたが
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李典は、その間に、駒をとばして、賊の大将黄邵こうしょうを、馬上で生擒いけどりにした。——もう一名の賊将、何儀のほうは、二、三百の手下をつれて、葛陂かつはの堤を、一目散に逃げて行った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王は南軍をして苦寒に際して奔命に疲れしめんが為に、師を出して広昌こうしょうを攻めて之を降す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
といってしまうと、彼は弱い凡将のようだが、彼の天分は別な面にあって実戦場ではむしろ狡将こうしょうと呼ぶべき方の者だろう。その道誉でさえも、このときばかりは必死な目にあって働いた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とめやのきぬやは早速立ン坊を連れて良人おっとに引合わせ、翌日から車をかせて行商こうしょうに出したが、立ン坊君正直に働いて双方喜んで居る云々。此話は非常に旧主人夫婦を悦ばした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これ児らの志なり。ここを以て児ら、まさに某日を以て同志とともに、益田行相こうしょうの門にいたり、故を告げて発せんとす。敢て許允きょいんを求めず、政府待つに逋亡ほぼうを以てするも可なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
日本中の廃棄金山の鉱床こうしょうを調べ、過去の鉱量を精密に計算して、もっとも有望だと思われる六つの鉱山を選び出すと、四月のある朝、腰にさい鉱用の鉄鎚スレッチをはさみ
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……牛魔王一匹の香獐こうしょうと変じ悠然ゆうぜんとして草をくらいいたり。悟空ごくうこれを悟りとらに変じけ来たりて香獐を喰わんとす。牛魔王急に大豹だいひょうと化して虎を撃たんと飛びかかる。
その間にずるさを働かして耳学問を盗み合い、捥ぎ取る利益も彼等にはよろこびであった。鼈四郎が東洋趣味の幽玄を高嘯こうしょうするに対し、檜垣の主人は西洋趣味の生々なまなましさを誇った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それ驕奢品なるものは必要品の需用を飽かしめたるののちにおいてすべし。いまだ茅屋ぼうおくのうちにありて大門高墻こうしょうを作るものあらず。いまだ飢餓に瀕して羊肉・葡萄酒をうものあらず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そこには高昌こうしょう国人だといふミイラが、さう、たしか六七体ほどならべてあつた。高昌といふ国を僕は知らなかつた。君もひよつとすると知らないかもしれない。
夜の鳥 (新字旧仮名) / 神西清(著)
東京市の大きい美しさは、フッド火山を有するポートランド市の如く、レイニーア火山を高聳こうしょうさせるシアトル市の如く、富士山を西の半空に、君臨させるところに存すると考えられる。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
淡窓をりょ黄鐘こうしょうとすれば、山陽のはりつでしょう。いつは温雅にして沈痛、一は慷慨にして激越とでも言いましょうか。では、ひとつその淡窓流をまねてやってみます
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)