“おしつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押付16.1%
圧付12.9%
圧附9.7%
壓付9.7%
推着9.7%
圧着6.5%
圧迫6.5%
壓附6.5%
壓伏3.2%
壓迫3.2%
押填3.2%
押着3.2%
押詰3.2%
押附3.2%
推付3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
美しい泥人形の多与里を押付おしつけられるよりは、まだしも三つに一つのプロバビリティの方が気が楽ですが、それでも、自分の狙っている小浪を手に入れる為には
この暑さと云ったら暑さが重石おもしに成って、人間を、ずんと上から圧付おしつけるようです。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うつうつしながらぬかせるように鬱陶うっとうしい、羽虫と蚊の声がいんこもって、大蚊帳の上から圧附おしつけるようで息苦しい。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こびるやうな、なぶるやうな、そしてなにかにあこがれてゐるやうな其の眼……私は少女せうぢよの其の眼容まなざし壓付おしつけられて、我にもなく下を向いて了つた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お定は男の胸に密接ぴつたりと顏を推着おしつけた儘で、強く頭を振つた。男はもう無性にお定が可憐いぢらしくなつて
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
が文三無念で残念で口惜しくて、堪え切れぬ憤怒の気がカッとばかりに激昂げっこうしたのをば無理無体に圧着おしつけた為めに、発しこじれて内攻して胸中に磅礴ほうはく鬱積する、胸板が張裂ける、はらわた断絶ちぎれる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
四辺あたりには人も見えなかった。誰の遠慮も無いこの谷間で彼は堪らなく圧迫おしつけられるような切ない心を紛らそうとした。沈黙し鬱屈した胸の苦痛をそこへもらしに来た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『小母さん!』と智惠子は口早に壓附おしつける樣に言つた。そして優しい調子で
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
マーキュ なんぢゃ、壓伏おしつける? あのこひ重荷おもにを? さりとは温柔やさしいもの慘酷むごたらしうあつかうたものぢゃ。
ロミオ 彼奴あいつ箭先やさきかゝってゐるゆゑ、はねりたとてもかけられぬわい、とびからすのやうにもべず、かなしいおもひにつながれてゐるゆゑ、たかのやうにたかうもべぬ。こひ重荷おもに壓伏おしつけらるゝばかりぢゃ。
よくツケ/\と人を壓迫おしつける樣な物言ひをする癖があつて、多少の學識もあり、村で健が友人扱ひをするのは此男の外に無かつた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あゝ神の正義よ、かく多くの新なる苦しみと痛みとを押填おしつむるは誰ぞ、我等の罪何ぞ我等をかく滅ぼすや 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
たれ一人ひとりよこるなんど場席ばせきはない。花枕はなまくら草枕くさまくら旅枕たびまくら皮枕かはまくらたてよこに、硝子窓がらすまど押着おしつけたかたたるや、浮嚢うきぶくろ取外とりはづした柄杓ひしやくたぬもののごとく、をりからそとのどしやぶりに、宛然さながら人間にんげん海月くらげる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
屋根やねの低い片側町かたかはまち人家じんか丁度ちやうどうしろから深いどぶはうへと押詰おしつめられたやうな気がするので、大方おほかたのためであらう、ほどに混雑もせぬ往来わうらいがいつもめういそがしく見え
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
うない、それうない、お前樣まへさま、」と押附おしつけにつたこゑに、振切ふりきつてはあしちからこもる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
満枝は荒尾の立てる脚下あしもとしとね推付おしつけて、に還さじとあるじにも劣らず最惜いとをしむ様なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)