“おッつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押着38.2%
追着23.5%
追付11.8%
押付11.8%
推着8.8%
押附5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男とも女とも弁別わさまえるひまなく、れてぐんなりと手の伸びるままに、細々と煙の立つ、その線香を押着おッつけたものであろう。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まさかに聞いたほどでもあるまいが、それが本当ならば見殺みごろしじゃ、どの道私は出家しゅっけの体、日がれるまでに宿へ着いて屋根の下に寝るにはおよばぬ、追着おッついて引戻してやろう。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、初て部屋へ来た時、何故私は物を言わなかったろうと、千悔万悔せんかいばんかい、それこそほぞむけれど、追付おッつかない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何うか刀が出るだろうと思うんだが、出ねえまでもお前を連れてッて詫ことをしなけりゃア己が押付おッつかねえんだから、死ぬのはめておくれ、そう泣いてたッていけねえ、気をしっかりしねえ
娘はこの肥満女ふとっちょに、のしのし隅っこへ推着おッつけられて、可恐おそろしく見勝手が悪くなった。ああ、可哀そうにと思う。ちょうど、その身体からだが、舞台と私との中垣になったもんだからね。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
釣瓶つるべへ唇を押附おッつけるので、井筒の紅梅は葉になっても、時々花片はなびらが浮ぶのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)