トップ
>
追着
>
おッつ
ふりがな文庫
“
追着
(
おッつ
)” の例文
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
の
皺
(
しな
)
びた上へ
手拭
(
てぬぐい
)
の頬かむりぐらいでは
追着
(
おッつ
)
かない、早や十月の声を聞いていたから、護身用の
扇子
(
せんす
)
も持たぬ。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まさかに聞いたほどでもあるまいが、それが本当ならば
見殺
(
みごろし
)
じゃ、どの道私は
出家
(
しゅっけ
)
の体、日が
暮
(
く
)
れるまでに宿へ着いて屋根の下に寝るには
及
(
およ
)
ばぬ、
追着
(
おッつ
)
いて引戻してやろう。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汗で美しい
襦袢
(
じゅばん
)
の汚れるのも
厭
(
いと
)
わず、意とせず、
些々
(
ささ
)
たる内職をして苦労をし抜いて育てたが、六ツ七ツ八ツにもなれば、
膳
(
ぜん
)
も別にして食べさせたいので、手内職では
追着
(
おッつ
)
かないから
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
緩
(
ゆっく
)
り
歩行
(
ある
)
いても
追着
(
おッつ
)
いて来ないから、内へ帰ったろうと思ったのに。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「きゃっ、ひいッ。」と逆に半身を折って、前へ折曲げて、
脾腹
(
ひばら
)
を腕で圧えたが
追着
(
おッつ
)
かない。身を悶え、肩を揉み揉みへとへとになったらしい。……畦の端の草もみじに、だらしなく膝をついた。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
今はただ蚊が名物で、湯の谷といえば、
市
(
まち
)
の者は蚊だと思う。
木屑
(
きくず
)
などを
焼
(
た
)
いた位で
追着
(
おッつ
)
かぬと、売物の蚊遣香は買わさないで、
杉葉
(
すぎッぱ
)
を
掻
(
か
)
いてくれる深切さ。縁側に
両人
(
ふたり
)
並んだのを見て嬉しそうに
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先へ出た女中がまだそこを、うしろの
人足
(
ひとあし
)
も聞きつけないで、ふらふらして
歩行
(
ある
)
いているんだ。
追着
(
おッつ
)
いてね、
使
(
つかい
)
がこの使だ、手を
曳
(
ひ
)
くようにして力をつけて、とぼとぼ
遣
(
や
)
りながら炬燵の事も聞いたよ。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
直ぐに
大跨
(
おおまた
)
に夫人の後について、
社
(
やしろ
)
の廻廊を曲った所で
追着
(
おッつ
)
いた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(坊ちゃん)……か何かで、直ぐに
追着
(
おッつ
)
く。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“追”で始まる語句
追
追従
追々
追剥
追分
追掛
追手
追憶
追付
追駈