追付おッつ)” の例文
鐵「止しねえ/\、うっかり喋るな、冗談じゃアねえぜ、し八州のお役人が、れは何う云う訳だ、他人に聞いたんでと云っても追付おッつくめえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ああ、初て部屋へ来た時、何故私は物を言わなかったろうと、千悔万悔せんかいばんかい、それこそほぞむけれど、追付おッつかない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私が一番生捕いけどって、御覧じろ、火事の卵を硝子ビイドロの中へ泳がせて、追付おッつけ金魚の看板をお目に懸ける。……
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親を残して先立ちます其の上、御主人様へ御心配をかけ、自分は死んでも追付おッつかないような事をして、姿の見えないような事を致しましたは、誠に親不孝な奴で
まだまだと云ってるうちにいつしか此世のひまが明いて、もうおさらばという時節が来る。其時になって幾ら足掻あがいたって藻掻もがいたって追付おッつかない。覚悟をするなら今のうちだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
長持や挟箱はさみばこの話になっちゃ大事去った、と後悔しても最う追付おッつかない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)