圧附おしつ)” の例文
旧字:壓附
でございますから、圧附おしつけに、勝手なおんなを取持たれました時は、馬鹿々々しいと思いましたが、因果とそのおんなの美しさ。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うつうつしながらぬかせるように鬱陶うっとうしい、羽虫と蚊の声がいんこもって、大蚊帳の上から圧附おしつけるようで息苦しい。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歴然ありありと、ああ、あれが、嬰児あかんぼの時から桃太郎と一所にお馴染なじみの城か、と思って見ていると、城のその屋根の上へ、山も見えぬのに、ぬえが乗って来そうな雲が、真黒まっくろな壁で上から圧附おしつけるばかり
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)