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みぶるい
ふりがな文庫
“
身震
(
みぶるい
)” の例文
大嫌
(
だいきらい
)
だから
身震
(
みぶるい
)
をして立留ったが、また
歩行
(
ある
)
き出そうとして見ると、蛇よりもっとお前心持の悪いものが居たろうではないか。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「これはほんとに
身震
(
みぶるい
)
を催させますね」と彼女が言った。「牧師さんを除いては、私達がその最初であろうと考えますとね」
金の十字架の呪い
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
恰度
(
ちょうど
)
葬式だとの事、
段々
(
だんだん
)
その死んだ刻限をきき合わしてみると、自分が聴いた
箏
(
こと
)
の音の刻限とぴったり合うので、私は思わず
身震
(
みぶるい
)
をしたのであった
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
中佐は軽い
身震
(
みぶるい
)
をすると、すぐに馬を急がせ出した。ちょうど当り出した薄日の光に、
飾緒
(
かざりお
)
の
金
(
きん
)
をきらめかせながら。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし今では奇妙なもので、「もうそれも平気になった」と彼は
頗
(
すこ
)
ぶる平然として語ったが、この際弟は、思わずそこの
玻璃
(
がらす
)
窓越しに見える死体室を見て、
身震
(
みぶるい
)
をしたと、
談
(
はな
)
したのであった。
死体室
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
▼ もっと見る
その余りの生々しさに私はハッと
身震
(
みぶるい
)
を感じたほどでありました。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その女が、これも化けた一つの
欺
(
て
)
で、
俥
(
くるま
)
まで
拵
(
こしら
)
えて、無事に帰してくれたんです。が、こちらが
身震
(
みぶるい
)
をするにつけて、
立替
(
たてかえ
)
の催促が
烈
(
はげ
)
しく来ます。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
助け船——なんのって弱い音さ出すのもあって、七転八倒するだでな、兄哥
真直
(
まっすぐ
)
に突立って、ぶるッと
身震
(
みぶるい
)
をさしっけえよ、
突然
(
いきなり
)
素裸
(
すっぱだか
)
になっただね。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
恐しいといって
身震
(
みぶるい
)
をしやあがって、コン畜生、その癖
俺
(
おいら
)
にゃあ三杯と
啜
(
すす
)
らせやがって、鍋底をまた
装
(
も
)
りつけたろう、どうだ、やい、もう
不可
(
いけ
)
ねえだろう。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手が、砂地に
引上
(
ひきあ
)
げてある難破船の、
纔
(
わず
)
かにその形を
留
(
とど
)
めて居る、三十
石積
(
こくづみ
)
と見覚えのある、その
舷
(
ふなばた
)
にかかって、五寸釘をヒヤヒヤと
掴
(
つか
)
んで、また
身震
(
みぶるい
)
をした。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが——後には
可悪
(
おそろし
)
い
偉大
(
おおき
)
な
獣
(
けもの
)
が、
焔
(
ほのお
)
を吹いて
唸
(
うな
)
って来るか、と
身震
(
みぶるい
)
をするまでに、なってしまった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と坊主が呼ぶと、スツと
畳
(
たた
)
んで、
貴女
(
きじょ
)
が地に落した
涼傘
(
ひがさ
)
は、
身震
(
みぶるい
)
をしてむくと起きた。手まさぐり
給
(
たま
)
へる緋の
総
(
ふさ
)
は、
忽
(
たちま
)
ち
紅
(
くれない
)
の
手綱
(
たづな
)
に
捌
(
さば
)
けて、朱の
鞍
(
くら
)
置
(
お
)
いた白の
神馬
(
しんめ
)
。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、乱暴だ。失礼。」と
身震
(
みぶるい
)
して、とんとんと軽く靴を踏み、中折を取ると柔かに乱れかかる額髪を払って、色の白い耳のあたりを
拭
(
ぬぐ
)
ったが、
年紀
(
とし
)
のころ二十三四
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬は
背
(
せな
)
、腹の皮を
弛
(
ゆる
)
めて汗もしとどに流れんばかり、
突張
(
つッぱ
)
った脚もなよなよとして
身震
(
みぶるい
)
をしたが、
鼻面
(
はなづら
)
を地につけて
一掴
(
ひとつかみ
)
の
白泡
(
しろあわ
)
を
吹出
(
ふきだ
)
したと思うと前足を折ろうとする。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と坊主が呼ぶと、スッと畳んで、
貴女
(
きじょ
)
が地に落した涼傘は、
身震
(
みぶるい
)
をしてむくと起きた。手まさぐりたまえる緋の
総
(
ふさ
)
は、たちまち
紅
(
くれない
)
の手綱に
捌
(
さば
)
けて、朱の
鞍
(
くら
)
置いた白の
神馬
(
しんめ
)
。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(ああ、
身震
(
みぶるい
)
がするほど
上手
(
うま
)
い、あやかるように拝んで来な、それ、お
賽銭
(
さいせん
)
をあげる気で。)
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怪しき
魚
(
うお
)
のように
身震
(
みぶるい
)
して跳ねたのを、
追手
(
おって
)
が見つけて、
医師
(
いしゃ
)
のその家へかつぎ込んだ。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
煮たのが、
心持
(
こころもち
)
が悪けりゃ、
刺身
(
さしみ
)
にして食べないかッていうとね、
身震
(
みぶるい
)
をするんだぜ。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と言うより
身震
(
みぶるい
)
せしが、
俯伏
(
うつむけ
)
にゆらめく
挿頭
(
かんざし
)
、真白き
頸
(
うなじ
)
、手と手の間を抜けつ、
潜
(
くぐ
)
りつ、前髪ばらりとこぼれたるが
仰
(
の
)
けざまに倒れかかれる、
裳
(
もすそ
)
蹴返し
踵
(
かかと
)
を空に、下着の
紅
(
くれない
)
宙を飛びて
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
判然
(
きっぱり
)
言う。その威儀が正しくって、月に背けた顔が
蒼
(
あお
)
く、なぜか目の色が光るようで、
羅
(
うすもの
)
の
縞
(
しま
)
もきりりと堅く
引緊
(
ひきしま
)
って、くっきり黒くなったのに、
悚然
(
ぞっと
)
すると、
身震
(
みぶるい
)
がして酔が
醒
(
さ
)
めた。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
左様
(
そう
)
だ、
刺身
(
さしみ
)
は一
寸
(
すん
)
だめしで、
鱠
(
なます
)
はぶつぶつ
切
(
ぎり
)
だ、
魚
(
うお
)
の煮たのは、食べると肉がからみついたまま頭に
繋
(
つなが
)
って、骨が残る、
彼
(
あ
)
の皿の中の死骸に
何
(
ど
)
うして箸がつけられようといって
身震
(
みぶるい
)
をする
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
父様
(
おとっさん
)
とこの母様とが聞いても
身震
(
みぶるい
)
がするような、そういう
酷
(
ひど
)
いめに、苦しい、痛い、苦しい、辛い、惨酷なめに逢って、そうしてようようお分りになったのを、すっかり私に教えて下すったので
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さればこそ烈しく聞えたれ、此の
児
(
こ
)
が
何時
(
いつ
)
も
身震
(
みぶるい
)
をする
蠅
(
はえ
)
の
羽音
(
はおと
)
。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どうして、酒と聞くと
身震
(
みぶるい
)
がするんだ、どうも、」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
美女 おお、(
身震
(
みぶるい
)
す)船の沈んだ浦が見える。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
震
常用漢字
中学
部首:⾬
15画
“身”で始まる語句
身体
身
身上
身装
身扮
身體
身動
身長
身代
身悶