赤々あかあか)” の例文
ある、つばめは、カンナのはなや、さるすべりのはなが、赤々あかあかいている、公園こうえんんでいて、ふとうおたちのことをおもしました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
のついていない部屋へやくらかった。ただ赤々あかあかとさかんにえている暖炉だんろの火が、あたりをぼんやりと照らしだしていた。
が、そう云う家の中に、赤々あかあかかまどの火が見えたり、珍らしい人影が見えたりすると、とにかく村里へ来たと云う、なつかしい気もちだけはして来ました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ゆめからさめた平三へいぞうは、ぼんやりとして、そとをながめました。めずらしく、よくそられて、夕焼ゆうやけが赤々あかあかゆき平野へいやをそめていました。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤々あかあかと石炭の火を燃え立たせて、窓硝子ガラスにつもる雪さえ、うす青い反射の光を漂わすひまもなく、けて行った。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暖炉だんろの火が青めがねにうつって、赤々あかあかとゆらいでいるが、どんな目をしてこちらを見ているか、とおもうと、やはり、ぶきみさが先に感じられてくるのだった。
もんそとると、西にしそら赤々あかあかとしていました。とみさんや、よしさんや、ゆうちゃんたちが、あそんでいました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくも、おかねすよ。」と、小山こやまが、いいました。赤土あかつちはらっぱには、赤々あかあかとして、夕日ゆうひがうつっていました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、あるときは、みなみあつ太陽たいよう赤々あかあからす、真下ましたのところで、あかいしったこともありました。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤々あかあかとした、なつ太陽たいようは、たかいビルディングと、ひとあゆしろみちをいきいきといろどり、らしていました。
夏とおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれ山茶花さざんかうえまりました。そこにも、あたたかな夕日ゆうひひかりが、赤々あかあかとしてっていました。
寒い日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのあいだうしは、居眠いねむりをして、じっとっていました。うしつかれていたのです。赤々あかあかとして、太陽たいようは、西にしそらかたむきかけて、くもがもくりもくりと野原のはらうえそらにわいていました。
ある男と牛の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あねや、おとうとは、彼女かのじょのまわりにあつまって、いまさらわかれてゆく、むすめのためにかなしみました。ちょうど、うちまえには、赤々あかあかとした、ほうせんかが、いまをさかりにみだれていました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、一つの砂山すなやまがりますと、もう、まえには、さおうみが、がっていました。そしてなみおとが、なくこっています。うみにも、夕日ゆうひ赤々あかあかとさしていました。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめは、毎日まいにち晩方ばんがたそらをながめて、おとうさんをおもっていました。赤々あかあかと、うみほうの、西にしやまめて、いくたびか、夕焼ゆうやけは、え、そして、えたのです。そのうちに、あきとなりました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
赤々あかあかとした、あきが、草木くさきらしています。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)