“あかあか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
明々36.5%
赤々20.3%
紅々17.6%
赫々10.8%
赤赤2.7%
煌々2.7%
紅紅2.7%
晃々1.4%
晶々1.4%
赧々1.4%
赭々1.4%
銅々1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああいう敏捷びんしょうな女だから、かえってこっちの裏をかいて、明々あかあか町家ちょうかの灯が往来を照らしている中を、洒然しゃぜんとあるいているかも知れない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のついていない部屋へやくらかった。ただ赤々あかあかとさかんにえている暖炉だんろの火が、あたりをぼんやりと照らしだしていた。
まだ霧こそ深いが、東山のうえは紅々あかあか黎明れいめいに染められている頃なので、往来人のために、常のごとく木戸のくぐりは開かれていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木橋の、埃りは終日、沈黙し、ポストは終日赫々あかあかと、風車を付けた乳母車うばぐるま、いつも街上にとまつてゐた。
赤赤あかあか入日いりひうつれる
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
煌々あかあか神灯みあかしがついた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
罌粟畑けしばたけ日は紅紅あかあか
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
道場の正面にある「八幡大菩薩」の神だなに、ぽっと、あかしがともった。しかし、その燈明さえ、晃々あかあかとした光がなかった。弔火ちょうかのように眼にうつって、不吉なかさがかかっている気がするのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は久しりに晴れた。空には一片の雲なく、日は晶々あかあかとして美しく照りながら、寒暖計は八十二三度をえず、涼しい南風みなみが朝から晩まで水の流るゝ様に小止おやみなく吹いた。颯々さっさつと鳴る庭の松。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
またも森林が途絶えて、前方遙かに砂丘が見え、熱帯の太陽が赧々あかあかと光の洪水を漲らせている何んとなく神々しい別天地が私達の前へ展開した。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
文政ぶんせい元年秋の事でここ八ヶ嶽の中腹の笹の平と呼ばれている陽当りのよい大谿谷には真昼の光が赭々あかあかと今一杯にし込んでいる。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なぜなら、そこに映ったのが、銅々あかあかと光った、横蔵の半面と思いのほか、意外にも、奇怪を極めた絵となって飛びついてきたからだ。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)