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赫々
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あかあか
ふりがな文庫
“
赫々
(
あかあか
)” の例文
身心ともに
痺
(
しび
)
れて生ける
屍
(
しかばね
)
のような肉体の
殻
(
から
)
に、ただ、彼の意念の火が——生命の火だけが——
赫々
(
あかあか
)
と
求法
(
ぐほう
)
の
扉
(
と
)
に向って燃えているのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木橋の、埃りは終日、沈黙し、ポストは終日
赫々
(
あかあか
)
と、風車を付けた
乳母車
(
うばぐるま
)
、いつも街上に
停
(
とま
)
つてゐた。
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
嶮
(
けわ
)
しい磯に白波を立てて轟きわたっているのが見えも聞えもする
寄波
(
よせなみ
)
など、そういう島の光景のためであったろうが、——とにかく、太陽は
赫々
(
あかあか
)
と焼くが
如
(
ごと
)
くに輝いていたし
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
夕日はまだ消えやらず芝生を
赫々
(
あかあか
)
とはでに染めていた。そしてごい鷺もまたしきりにボコポンボコポンと啼いていた。何かしら小さな、しかし怖るべき運命を予告でもしているもののように。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
高い、真黒な大屋根の上へ、
鉛
(
なまり
)
を
鎔
(
と
)
かす
炉
(
ろ
)
の
熱火
(
ねっか
)
が、
赫々
(
あかあか
)
と反射していた。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
翌朝、眼の覚めたときは、もう十時過ぎでしたろう。
枕
(
まくら
)
もとの
障子
(
しょうじ
)
一面に、
赫々
(
あかあか
)
と陽がさしています。「ああ、気持よい」と手足をのばした
途端
(
とたん
)
、
襖
(
ふすま
)
ごしに、
舵手
(
だしゅ
)
の清さんと、母の声がします。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そこが縁起じゃ、
禁厭
(
まじない
)
とも言うのじゃよ、
金烏玉兎
(
きんうぎょくと
)
と聞くは——この
赫々
(
あかあか
)
とした日輪の中には三脚の
鴉
(
からす
)
が
棲
(
す
)
むと言うげな、
日中
(
ひなか
)
の道を照す、老人が、暗い心の
補助
(
おぎない
)
に、烏瓜の
灯
(
ともしび
)
は天の与えと心得る。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今にも
絶
(
た
)
えなんとしていた火の
命
(
いのち
)
!
甦
(
よみがえ
)
ったかの如く
赫々
(
あかあか
)
と燃え上がってあたりは光明昼のごとく真っ赤に照った。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
煉瓦干されて
赫々
(
あかあか
)
してゐた
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「もすこし
焚
(
た
)
こうか」
薪
(
まき
)
を加えると、炉はまた、
赫々
(
あかあか
)
と炎をあげた。
煤
(
すす
)
で黒くなった天井が赤く
映
(
うつ
)
る。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赫
漢検準1級
部首:⾚
14画
々
3画
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赫々邦家新