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相伴
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しょうばん
ふりがな文庫
“
相伴
(
しょうばん
)” の例文
「次郎、おたべよ、……お芳さんもひとついかが。次郎が一人ではきまりが悪そうだから、あたしたちもお
相伴
(
しょうばん
)
いたしましょうよ。」
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「そんな遠慮はよしてくれ給え。僕は君のお
相伴
(
しょうばん
)
に怠けちゃいられない。もう三年生だ。ソロ/\上の学校へ行く支度をするんだから」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
細い
大根
(
だいこ
)
を三四本ぶら下げて、今日は
御馳走
(
ごちそう
)
を買って来たと云って、それを宜道に煮てもらって食った。宜道も宗助もその
相伴
(
しょうばん
)
をした。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「俺の手料理さ。肉食の好きな君たちには、あまり珍らしくもあるまいが、まあ遠慮せんで食べてくれ。俺もここでお
相伴
(
しょうばん
)
をするから。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あらかじめ、明朝の秀吉の登城時刻やら、
相伴
(
しょうばん
)
の人員やらを問い合わせ、また、信長の
懇篤
(
こんとく
)
な内意をも伝えておくためであった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
どういう淹れ方か? 私は一遍、東京で
土耳古
(
トルコ
)
風の淹れ方だとかいって、叔父の
相伴
(
しょうばん
)
をしたことがありましたが、ちょうどそれと同じでした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
わたくしはそんな手伝いはいやでございます。歪んだ運命のお
相伴
(
しょうばん
)
なら、もう父や葛岡のことだけで沢山でございます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それで、クリストフへ
宛
(
あ
)
てられた招待の
相伴
(
しょうばん
)
を受けた。そしてひそかにクリストフを監視するためについて行った。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ビクビクしながら呑む酒は、酔いとならず、相手の夏子の方が、グラスに一つ二つのお
相伴
(
しょうばん
)
に、ホンノリと上気して、段々多弁に艶かしくなって来る。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と云いますのはお客様の中には、ちょうどあなたと同じように私ども善良な
相伴
(
しょうばん
)
役を、虐待なさる方がございます。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
安宅は祖父の
相伴
(
しょうばん
)
で、毎年その焙り焼きを喰べるのがたのしみだったし、久太夫が鳥さしにゆくときついていったりして、その鳴き声も覚えてしまった。
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして
水行
(
みずぎょう
)
を済してからゆっくり晩飯という段取は、講中には誂向きに出来ているがお
相伴
(
しょうばん
)
の私には、千松ほどでなくとも
可
(
か
)
なりつらい辛抱でありました。
木曾御岳の話
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
次の土曜日には、父は朝から、「今日は林に好物を
御馳走
(
ごちそう
)
してやろう」といって、兄の帰りを待っていられます。私たちはお
相伴
(
しょうばん
)
が出来るので大喜びです。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
こうやって自分の手にかけたお座敷で、
兄弟分
(
きょうでえぶん
)
がこしれえたお庭を眺めながら、旦那様のお
相伴
(
しょうばん
)
をして
一杯
(
いっぺえ
)
頂戴出来るなんて職人
冥利
(
みょうり
)
の行止まりでげしょう。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それを日本がお
相伴
(
しょうばん
)
して、今に至るもお茶人たちはよろこびあい、賞玩している。さすが美術国日本である。世界中この事実は他に見る能わざる事象であろう。
料理一夕話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
そりゃ兄さんが一人で二階で飲んでる分にはちっともかまいませんが、私もお
相伴
(
しょうばん
)
をして、毎日飲んでるとなっては、帳場の手前にしてもよくありませんからね
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
あたしもお
相伴
(
しょうばん
)
をさせられる。課業のあるうちは、黒板の下へお線香と
茶碗の水
(
おみず
)
をもってたたされるのだが、彼女は笑いながら水の中へ線香を突込んで火を消した。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
夫がひとり
手持無沙汰
(
てもちぶたさ
)
にしてますのんで、「どやのん、あんたもお
相伴
(
しょうばん
)
しやはれへんか」いいますと、「ふん、してもええ」いうて三人でたべること多いでしたが
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
どころでない、宿へ
皈
(
もど
)
ると、
晩餉
(
ばんげ
)
の
卓子台
(
ちゃぶだい
)
もやい、一銚子の
相伴
(
しょうばん
)
、二つ三つで、赤くなって、ああ紅木瓜になった、と頬辺を
圧
(
おさ
)
えながら、山鳥の旦那様はいい男か知ら。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今夜は、妻籠の兄さんのお
相伴
(
しょうばん
)
に、正己にも
新蕎麦
(
しんそば
)
のごちそうをしてやりましょう。それに、お
母
(
っか
)
さんの言うには、何かこの子につけてあげなけりゃなりますまいッて。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
洲崎
(
すのさき
)
の番所では蒸したてのジャガタラ
芋
(
いも
)
の湯気を吹き吹きお
相伴
(
しょうばん
)
になれようものを、ここまで来てしまっては、今の夕飯が
覚束
(
おぼつか
)
ないのみでなく、今晩の泊る所もわかるまい。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
食わせてくれたときに、お駒も
相伴
(
しょうばん
)
して行っていて、気分が悪くなって中座したことがあったげな。なに、このごろは達者さ。式部小路の家に、ぴんしゃんして働いているよ
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「何もありませんが、おあがりになってくださいまし、お嬢さんも私もお
相伴
(
しょうばん
)
いたします」
狼の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
稽古
(
けいこ
)
のたびごとに、うら若かった
嫂
(
あによめ
)
といっしょに、いたずら盛りの
小伜
(
こせがれ
)
かく申す自分も、ちょこなんとお
相伴
(
しょうばん
)
して、窮屈な茶室にしびれを切らせながら、結構な御ふくあいなどと
茶の本:01 はしがき
(新字新仮名)
/
岡倉由三郎
(著)
七兵衛もそのお
相伴
(
しょうばん
)
で、おちおち眠られなかった。この頃の夜は短いので、わびしい雨戸の隙間が薄明るくなったかと思うと、ぬき足をして縁側の障子の外へ忍び寄る者があった。
鼠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
時々東京から上客が来るとお
相伴
(
しょうばん
)
をさせてやる。頭から骨ぐるみ食べるのだ。
猫料理
(新字新仮名)
/
村松梢風
(著)
杜氏もその
相伴
(
しょうばん
)
をした。
砂糖泥棒
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
大原「僕もお
相伴
(
しょうばん
)
を ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「いや、豊子の料簡が分ったから、本科になってから本気でやろう。斯うなれば、僕もお
相伴
(
しょうばん
)
だ。決して君に恥をかゝせない」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と、
金剛山寺
(
こんごうせんじ
)
では彼の下山と聞いて、急に、その日の
昼餐
(
ひるげ
)
を、朝原寺の一房にととのえて、
院主
(
いんじゅ
)
がお
相伴
(
しょうばん
)
に坐り、役僧以下も給仕に付いて
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへ行ってお春にも
相伴
(
しょうばん
)
をさせてやり、帰りに夜店を冷やかしてから
服部
(
はっとり
)
の角で二人に別れて、幸子と悦子とが浜屋へ歩いて戻ったのは九時過ぎであったろうか。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「太郎
冠者
(
かじゃ
)
殿まず一杯、ご
相伴
(
しょうばん
)
をなされ、ご相伴をなされ」こういって首を前へ伸ばした。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
兎のお吸物とお茶の式がある。お白書院がこれに
相伴
(
しょうばん
)
する。御三家が済んで、
御連枝溜詰
(
ごれんしたまりづめ
)
、大広間
譜代
(
ふだい
)
、
柳間出仕
(
やなぎのましゅっし
)
、
寄合御番
(
よりあいごばん
)
、
幸若観世太夫
(
こうわかかんぜだゆう
)
と順々に装束を正して将軍拝賀に出る。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「それに、若夫婦のお
相伴
(
しょうばん
)
に、お隣の
子息
(
むすこ
)
さんでも呼んであげようかと思ってさ。」
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
引張り出すのは無論池内で、柾木はいつもお
相伴
(
しょうばん
)
といった形であったが、併し、芙蓉がその
都度
(
つど
)
快く招待に応じたのは、柾木に興味を感じていたからだと、彼はひそかに
自惚
(
うぬぼ
)
れていた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「まだあんなことを言ってやがる、勝手にしな。ところで、こっちも人に飲まれたり、愚痴を聞かされたりばっかりしていてはうまくないから——これより、思うさまお
相伴
(
しょうばん
)
と致して」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私のもお
相伴
(
しょうばん
)
をしたとて愚痴を申すわけにもまいりませんが、それから多くの年月を経た今でも、何か見たいことがあると、平野氏が本を持って門をお出になった後姿を思い出します。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
芝居から帰ると二階へあがって、寝る前に白
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
をあがるのえ、わたしもお
相伴
(
しょうばん
)
するわ。それから寝るまで話をします。けれど、川上さんのお
位牌
(
いはい
)
には私が毎日拝んでおいてあげます。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
拙道
(
せつどう
)
、
煙草
(
たばこ
)
は
不調法
(
ぶちょうほう
)
ぢや。
然
(
さ
)
らば
相伴
(
しょうばん
)
に
腰兵糧
(
こしびょうろう
)
は使はうよ。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
始終
脂
(
あぶら
)
っこいもののお
相伴
(
しょうばん
)
をするせいよ。
豆腐買い
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
こよいは秀吉がみずから彼の恨み多き
義胆
(
ぎたん
)
忠魂に、一
碗
(
わん
)
供
(
そな
)
えてなぐさめてやろうと思う。お
汝
(
こと
)
らもそれにいて
相伴
(
しょうばん
)
いたすがいい
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正三君はたべないお
相伴
(
しょうばん
)
をさせられた。忠義のためには腹のへるぐらい仕方がない。一同は客間へ通された。先生夫婦が下へもおかないようにもてなす。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「赤松などではお客があっても、家内の者がお
相伴
(
しょうばん
)
するのではありませんから。」
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「いえそこはそれ管轄
異
(
ちが
)
いで、知っている筈はございません。つまり私の役目と云えばお客様方の
相伴
(
しょうばん
)
役、とりわけ新入りのお客様方を粗末のないように扱いますのが私の役目でございます」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
俺らの芸をお名ざしで
御贔屓
(
ごひいき
)
だ、籠抜け一枚でも
曲
(
きょく
)
がねえと思うから、誰かこの仲間にお
相伴
(
しょうばん
)
をさせてやりてえと思うんだが、いずれを見ても道楽寺育ちだ、荒熊でいけず、阿房陀羅でいけず
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お春どんが時々見かねて、西宮の市場から天ぷらだの
蒲鉾
(
かまぼこ
)
だの
大和煮
(
やまとに
)
の
缶詰
(
かんづめ
)
だのを買って来てくれることがあったが、そんな時には啓坊もお
相伴
(
しょうばん
)
に
与
(
あずか
)
っていた、斎藤先生の運転手に
遣
(
や
)
る祝儀なども
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「冗談ではない、まったく空腹じゃ。あのすし売りの姿が殊に面白いではないか、これへ呼べこれへ。そして、お前たちも
相伴
(
しょうばん
)
するがいい」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あなたがお崩しにならないものですから、兄さんや二郎はお
相伴
(
しょうばん
)
でいつも
痺
(
しび
)
れが切れると言っていますわ」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「平間に糸里か、
不憫
(
ふびん
)
ながらこれも
相伴
(
しょうばん
)
。さて大将は」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここでは、
精進
(
しょうじん
)
料理のお
斎
(
とき
)
がある。
轎
(
かご
)
かきの者、お供の
迎児
(
げいじ
)
までが、別室でご
相伴
(
しょうばん
)
の振舞いにあずかり、潘の爺さんは、持参の
銀子
(
ぎんす
)
や織物などを差出して
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“相伴”の意味
《名詞》
相 伴 (しょうばん)
宴席などで、正客に混じり同じようにもてなしを受けること。
(出典:Wiktionary)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
伴
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“相伴”で始まる語句
相伴役