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甚麽
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どんな
ふりがな文庫
“
甚麽
(
どんな
)” の例文
今度帰つて来て、毎日来る加藤と顔を合せるのも、兄は
甚麽
(
どんな
)
に不愉快な思ひをするだらう、などとまで狭い女心に心配もしてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
父樣
(
おとつさん
)
は
善
(
よ
)
いお
方
(
かた
)
で、
其
(
それ
)
きり
跡
(
あと
)
の
斷
(
た
)
えるやうな
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
爲置
(
しお
)
かれた
方
(
かた
)
ではありませんから、
私
(
わたくし
)
どもは
甚麽
(
どんな
)
危
(
あぶな
)
い
恐
(
こは
)
い
目
(
め
)
に
出會
(
であ
)
ひましても、
安心
(
あんしん
)
でございます。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
然
(
さ
)
うしたら
甚麽
(
どんな
)
に
面白
(
おもしろ
)
いでせう』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「戸数は幾何あるですか」と訊くと、「左様六千余に上つてるでせう」と其人が答へた。
甚麽
(
どんな
)
人であつたかは、見る事が出来ずに了つた。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
船
(
ふね
)
が
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
と
信
(
しん
)
じたら
乘
(
の
)
つて
出
(
で
)
る、
出
(
で
)
た
上
(
うへ
)
では
甚麽
(
どんな
)
颶風
(
はやて
)
が
來
(
こ
)
ようが、
船
(
ふね
)
が
沈
(
しづ
)
まうが、
體
(
からだ
)
が
溺
(
おぼ
)
れようが、なに、
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だと
思
(
おも
)
つてござれば、
些
(
ちつ
)
とも
驚
(
おどろ
)
くことはない。こりやよし
死
(
し
)
んでも
生返
(
いきかへ
)
る。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
見す見す
実家
(
さと
)
の零落して行くのを、
奈何
(
いかん
)
ともする事の出来ない母の心になつて見たら、叔父の道楽が
甚麽
(
どんな
)
に辛く悲く思はれたか知れない。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其新聞には野口雨情君も行くのだと小国君が言ふ。「
甚麽
(
どんな
)
人だい。」と
訊
(
き
)
くと、「一二度逢つたが、至極
穏和
(
おとなし
)
い丁寧な人だ。」
悲しき思出:(野口雨情君の北海道時代)
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『さうですか。天野はまた何處かへ行くと云つてましたか。アノ男も常に人生の裏路許り走つて居る男だが、
甚麽
(
どんな
)
計畫をしてるのかネー。』
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『さうですか。天野はまた何処かへ行くと云つてましたか。アノ男も常に人生の裏路許り走つて居る男だが、
甚麽
(
どんな
)
計画をしてるのかネー。』
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
至つて軽口の、
捌
(
さば
)
けた、竹を割つた様な気象で、
甚麽
(
どんな
)
人の前でも
胡坐
(
あぐら
)
しかかいた事のない代り、又、甚麽人に対しても
牆壁
(
しやうへき
)
を設ける事をしない。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
母、生みの母、
上衝
(
のぼせ
)
で眼を悪くしてる母が、アノ時
甚麽
(
どんな
)
に恋しくなつかしく思はれたらう! 母の額に大きな
痍
(
きず
)
があつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
健が
平生
(
へいぜい
)
人に
魂消
(
たまげ
)
られる程の喫煙家で、職員室に入つて来ると、
甚麽
(
どんな
)
事があらうと先づ
煙管
(
キセル
)
を取上げる男であることは、孝子もよく知つてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『一體マア何の話だらう? 大層勿體をつけるぢやないか? 葢許り澤山あつて、中に
甚麽
(
どんな
)
美味い饅頭が入つてるんか、一向アテが付かない。』
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甘き夏の夜の風を、四人は
甚麽
(
どんな
)
に
嬉
(
うれ
)
しんだらう! 久子の兄とアノ人との
会話
(
はなし
)
が、解らぬ乍らに甚麽に面白かつたらう!
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
心配する事ア
無
(
ね
)
え、先生。齡ア四十一だべえが、村一番の
醜婦
(
みたくなし
)
の
巨女
(
おほをなご
)
だア、
加之
(
それに
)
ハア、酒を飮めば一升も飮むし、
甚麽
(
どんな
)
男も
手餘
(
てやまし
)
にする
位
(
くれえ
)
の
惡醉語堀
(
ごんぼうほり
)
だで。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
心配
(
しんぺい
)
する事ア
無
(
ね
)
え、先生。齢ア四十一だべえが、村一番の
醜婦
(
みたくなし
)
の
巨女
(
おほをなご
)
だア、
加之
(
それに
)
ハア、酒を飲めば一升も飲むし、
甚麽
(
どんな
)
男も
手余
(
てやまし
)
にする
位
(
くれい
)
の
悪酔語堀
(
ごんぼうほり
)
だで。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして
甚麽
(
どんな
)
話の機會からか、智惠子を口説いてみた。彼は有らゆる美しい言葉を並べた。女は
眤
(
ぢつ
)
と
俯向
(
うつむ
)
いてゐた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
嗚呼其時になつたら、お八重さんは
甚麽
(
どんな
)
に美しく見えるだらうと思ふと、其お八重の、今日目を輝かして熱心に語つた美しい顏が、
怎
(
どう
)
やら
嫉
(
ねた
)
ましくもなる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
嗚呼其時になつたら、お八重さんは
甚麽
(
どんな
)
に美しく見えるだらうと思ふと、其お八重の、今日目を輝かして熱心に語つた美しい顔が、怎やら嫉ましくもなる。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、明るい街を歩く時は、頭腦が
紛糾
(
こんがら
)
かつて
四邊
(
あたり
)
を
甚麽
(
どんな
)
人が行かうと氣にも止めなかつたに
不拘
(
かゝはらず
)
、時として右側に
逸
(
そ
)
れ、時として左側に寄つて歩いて居た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、明るい街を歩く時は、
頭脳
(
あたま
)
が
紛糾
(
こんがら
)
かつて
四辺
(
あたり
)
を
甚麽
(
どんな
)
人が行かうと気にも止めなかつたに不拘、時として右側に
逸
(
そ
)
れ、時として左側に寄つて歩いて居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『千早先生も又、
甚麽
(
どんな
)
御事情だかも知れねえども、今急にお罷めアねえくとも宜うごあんすべアすか?』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『おや然う。まあ
甚麽
(
どんな
)
にか宅ぢや御世話樣になりましたか、
眞
(
ほん
)
に遠い所をよく
入來
(
いらつしや
)
つた。まあ/\お二人共自分の家へ來た積りで、
緩
(
ゆつく
)
り見物でもなさいましよ。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『おや
然
(
さ
)
う。まあ
甚麽
(
どんな
)
にか
宅
(
うち
)
ぢや御世話様になりましたか。
真
(
ほんと
)
に遠い所をよく
入来
(
いらし
)
つた。まあ/\お二人共自分の家へ来た積りで、
緩
(
ゆつく
)
り見物でもなさいましよ。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『然うです。美術學校で同級だつたんですが、……あゝ御存知ですか! 然うですか!』と
鷹揚
(
おうやう
)
に
頷
(
うなづ
)
いて、『
甚麽
(
どんな
)
で居るんでせう? まだ結婚しないでせうか?』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
然
(
さ
)
うです。美術学校で同級だつたんですが、……あゝ御存じですか! 然うですか!』と鷹揚に頷いて、『
甚麽
(
どんな
)
で居るんでせう? まだ結婚しないでせうか?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誰が
甚麽
(
どんな
)
人やらも知らぬのに、随分乱暴な話で、主筆氏の事も、野口君は
以前
(
まへ
)
から知つて居られたが、予に至つては初めて逢つて会議の際に多少議論しただけの事。
悲しき思出:(野口雨情君の北海道時代)
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『千早先生も又、
甚麽
(
どんな
)
御事情だかも知れねえども、今急にお罷めアねえくとも
宜
(
よ
)
うごあんべアすか?』
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
尤も、靜子は譬へ
甚麽
(
どんな
)
事があつても、自分で自分の境遇に反抗し得る樣な氣の強い女ではないのだが。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
で、忠太は先ず、二人が東京へ逃げたと知れた時に、村では兩親初め
甚麽
(
どんな
)
に驚かされたかを語つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、手早く書きつけて、
鐵筆
(
ペン
)
を擱いた。此後は
甚麽
(
どんな
)
事を書けばよいのか、まだ考へて居ないのだ。で、渠は火鉢に向直つて、頭だけ捻つて、書いただけを讀返して見る。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
叔父の事にしては、家が
怎
(
ど
)
うならうと、妻子が
甚麽
(
どんな
)
服装
(
なり
)
をしようと、
其麽
(
そんな
)
事は
従頭
(
てんで
)
念頭にない。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甚麽
(
どんな
)
気がしてアノ手巾を私の袂に入れただらうと考へて見たが、否、不図すると、アレは市子でなくて、名は忘れたが、ソレ、アノ何とか云つた、色の浅黒い貧相な奴が
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其中に自分だけが腕車の上に縛られてゆくのであつたが、
甚麽
(
どんな
)
人が其腕車を曳いたのか解らぬ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甚麽
(
どんな
)
關係になつてるか知ら? 六頁になつて……釧路十勝二ケ國を……帶廣に支社を置いて、……田川が此方に居るとすると俺は要らなくなるし……田川が帶廣に行くと
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、手早く書きつけて、
鉄筆
(
ペン
)
を擱いた。この後は
甚麽
(
どんな
)
事を書けばよいのか、まだ考へて居ないのだ。で、渠は火鉢に向直つて、
頭
(
かしら
)
だけ捻つて、書いただけを読返して見る。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甚麽
(
どんな
)
氣がしてアノ
手巾
(
ハンカチ
)
を私の袂に入れたのだらうと考へて見たが、否、不圖すると、アレは市子でなくて、名は忘れたが、ソレ、アノ何とか云つた、色の淺黒い貧相な奴が
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『だハンテ若い人は困る。人が
甚麽
(
どんな
)
に心配してるかも知らないで、氣ばかり早くてさ。』
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『だハンテ若い人は困る。人が
甚麽
(
どんな
)
に心配してるかも知らないで、気ばかり早くてさ。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
洋風
擬
(
まが
)
ひの
家屋
(
うち
)
の離れ/″\に列んだ——そして
甚麽
(
どんな
)
大きい建物も
見涯
(
みはて
)
のつかぬ大空に圧しつけられてゐる様な、石狩平原の
中央
(
ただなか
)
の都の
光景
(
ありさま
)
は、やゝもすると私の目に浮んで来て
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
木立の多い洋風
擬
(
まが
)
ひの家屋の離れ/″\に列んだ——そして
甚麽
(
どんな
)
大きい建物も見涯のつかぬ大空に壓しつけられてゐる樣な石狩平原の
中央
(
ただなか
)
の都の
光景
(
ありさま
)
は、やゝもすると私の目に浮んで來て
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
モウ
確然
(
すつかり
)
普通の女でなくなつた證據には、アレ浩さんも見たでせう、乞食をして居乍ら、何時でもアノ通り
紅
(
べに
)
をつけて新らしい下駄を穿いて居ますよ。夜は
甚麽
(
どんな
)
處に寢るんですかネー。——
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
モウ
確然
(
すつかり
)
普通の女でなくなつた証拠には、アレ浩さんも見たでせう、乞食をして居乍ら、何時でもアノ通り
紅
(
べに
)
をつけて新らしい下駄を穿いて居ますよ。夜は
甚麽
(
どんな
)
処に寝るんですかネー。——
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喜見
(
きけん
)
とか云ふ、土地で一番の料理屋に
伴
(
つ
)
れて行かれて、「毎日」が
例令
(
たとへ
)
甚麽
(
どんな
)
事で此方に
戈
(
ほこ
)
を向けるにしても、
自體
(
てんで
)
對手にせぬと云つた樣な態度で、唯君自身の思ふ通りに新聞を拵へて呉れれば可い。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喜見
(
きけん
)
とか云ふ、
土地
(
ところ
)
で一番の料理屋に伴れて行かれて、「毎日」が
仮令
(
たとへ
)
甚麽
(
どんな
)
事で此方に戈を向けるにしても、
自頭
(
てんで
)
対手にせぬと云つた様な態度で、唯君自身の思ふ通りに新聞を拵へて呉れれば可い
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
氣羞しくて厭だと言つては
甚麽
(
どんな
)
に作松に叱られたか知れない。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
気羞しくて厭だと言つては
甚麽
(
どんな
)
に作松に叱られたか知れない。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は其時
甚麽
(
どんな
)
気持がしたつたか、今になつては思出せない。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は其時
甚麽
(
どんな
)
氣持がしたつたか、今になつては思出せない。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
また
渠
(
かれ
)
は、一体
甚麽
(
どんな
)
人を見ても羨むといふことのない。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
甚
常用漢字
中学
部首:⽢
9画
麽
部首:⿇
14画
“甚”で始まる語句
甚
甚兵衛
甚句
甚大
甚深
甚麼
甚助
甚太夫
甚内
甚平