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無難
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ぶなん
ふりがな文庫
“
無難
(
ぶなん
)” の例文
「またいいおりもあろうというもの、ここで、きょうの
試合
(
しあい
)
をめちゃめちゃにしては、
咲耶子
(
さくやこ
)
を
無難
(
ぶなん
)
に取り返すことができなくなろう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は、
音
(
おと
)
をたてないように、
戸
(
と
)
だなをかじってみようかと
思
(
おも
)
ったが、それよりは、まず
無難
(
ぶなん
)
の、たなの
上
(
うえ
)
にのっている
芋
(
いも
)
を
食
(
た
)
べようと
思
(
おも
)
いました。
ねずみとバケツの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もしこの
家扶
(
かふ
)
が
下座敷
(
したざしき
)
にゐたまゝであつたならば
無論
(
むろん
)
壓死
(
あつし
)
したであらうが、
主人
(
しゆじん
)
思
(
おも
)
ひの
徳行
(
とくこう
)
のために
主人夫妻
(
しゆじんふうふ
)
と
共
(
とも
)
に
無難
(
ぶなん
)
に
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されたのであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
官軍の事をも感服しない、戦争するなら
銘々
(
めいめい
)
勝手にしろと、裏も表もなくその
趣意
(
しゅい
)
で貫いて居たから、私の身も塾も
危
(
あやう
)
い所を
無難
(
ぶなん
)
に過したことゝ思う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
幸
(
さいわ
)
い今度はさっきのようにむやみには冷やかされずに、まあ
無難
(
ぶなん
)
に済んだ。上がって来るものも、来るものも、みんな急いで降りて行くんで、
調戯
(
からか
)
う暇がなかったんだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
此
(
この
)
種
(
しゆ
)
の
海鳥
(
かいてう
)
は、
元來
(
ぐわんらい
)
左迄
(
さまで
)
に
性質
(
せいしつ
)
の
猛惡
(
まうあく
)
なもので
無
(
な
)
いから、
此方
(
こなた
)
さへ
落付
(
おちつ
)
いて
居
(
を
)
れば、
或
(
あるひ
)
は
無難
(
ぶなん
)
に
免
(
まぬが
)
れる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
たかも
知
(
し
)
れぬが、
不意
(
ふい
)
の
事
(
こと
)
とて、
心
(
しん
)
から
顛倒
(
てんだう
)
して
居
(
を
)
つたので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
わしはもう長い間そういうことに決めているが、やはりいちばん
無難
(
ぶなん
)
なようだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
けれども、
淡泊
(
たんぱく
)
で、
無難
(
ぶなん
)
で、
第一
(
だいいち
)
儉約
(
けんやく
)
で、
君子
(
くんし
)
の
食
(
く
)
ふものだ、
私
(
わたし
)
は
好
(
すき
)
だ。が
言
(
い
)
ふまでもなく、それどころか、
椎茸
(
しひたけ
)
も
湯皮
(
ゆば
)
もない。
金魚麩
(
きんぎよぶ
)
さへないものを、
些
(
ちつ
)
とは
増
(
まし
)
な、
車麩
(
くるまぶ
)
は
猶更
(
なほさら
)
であつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無難
(
ぶなん
)
に屋敷へ
送込
(
おくりこみ
)
奧
(
おく
)
へ通り呉々も越前守に申
含
(
ふく
)
めけるは明朝早々御屋形御登城有て御取計ひ有べし夫迄は
大切
(
たいせつ
)
の御身と主人よりも申付て候
何樣
(
なにやう
)
の儀候とも小石川御屋形の御意と御申立あるべし其内には
屹度
(
きつと
)
宜
(
よろ
)
しき御沙汰有べしと申
置
(
おき
)
暇乞
(
いとまごひ
)
して歸りには
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かういふ
津浪
(
つなみ
)
は
沖合
(
おきあひ
)
に
於
(
おい
)
ては
概
(
がい
)
して
數尺
(
すうしやく
)
の
高
(
たか
)
さしか
持
(
も
)
たないから、もしそれが
其
(
その
)
まゝの
高
(
たか
)
さを
以
(
もつ
)
て
海岸
(
かいがん
)
に
押寄
(
おしよ
)
せたならば、
大抵
(
たいてい
)
無難
(
ぶなん
)
なるべきはずである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
作物
(
さくぶつ
)
の現状と文士の窮状とは既に上説の如くであって、ここに保護のために使用すべき金が若干でもあるとすれば、それを分配すべき比較的
無難
(
ぶなん
)
な方法はただ一つあるだけである。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『あゝ、
此樣
(
こん
)
な
時
(
とき
)
に、せめて
浪
(
なみ
)
の
江丸
(
えまる
)
が
無難
(
ぶなん
)
であつたらば。』と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
當時
(
とうじ
)
二人
(
ふたり
)
とも
木造家屋
(
もくぞうかおく
)
の
二階
(
にかい
)
にをられたので、
下敷
(
したじき
)
になりながら
小屋組
(
こやぐみ
)
の
空所
(
くうしよ
)
に
挾
(
はさ
)
まり、
無難
(
ぶなん
)
に
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されたが、
階下
(
かいか
)
にゐた
家扶
(
かふ
)
は
主人夫婦
(
しゆじんふうふ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
案
(
あん
)
じながら
辛
(
から
)
うじて
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
焦
(
こ
)
げのなさそうなところを見計って
一掬
(
ひとしゃく
)
いしゃもじの上へ乗せたまでは
無難
(
ぶなん
)
であったが、それを裏返して、ぐいと茶碗の上をこいたら、茶碗に
入
(
はい
)
りきらん飯は
塊
(
かた
)
まったまま畳の上へ
転
(
ころ
)
がり出した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“無難”の意味
《名詞》
無難(ぶなん)
災難が無いこと。無事。
あたりさわりがないこと。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
“無”で始まる語句
無
無暗
無頓着
無理
無垢
無花果
無事
無聊
無造作
無慙