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ぶなん
もしこの
家扶が
下座敷にゐたまゝであつたならば
無論壓死したであらうが、
主人思ひの
徳行のために
主人夫妻と
共に
無難に
救ひ
出されたのであつた。
官軍の事をも感服しない、戦争するなら
銘々勝手にしろと、裏も表もなくその
趣意で貫いて居たから、私の身も塾も
危い所を
無難に過したことゝ思う。
我は
宿へ
皈り足にて
遙に
行過たる
頃例の
雪頽の
音をきゝて、これかならずかの山ならんと
嶺を
无事に
通りしをよろこびしにつけ、こゝのあるじはふもとを
无難に
行過給ひしや