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かいふう
ふりがな文庫
“
海風
(
かいふう
)” の例文
唱一語
(
しやういちご
)
以てわがこの思ひを言ひあらはさむすべもがな。かくて月あかき一夜、
海風
(
かいふう
)
に向ひて長く
嘯
(
うそぶ
)
かなむ。わが胸のいかばかり
輕
(
かる
)
かるべき。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
今
(
いま
)
や
遠
(
とほ
)
からず
橄欖島
(
かんらんたう
)
のほとりで
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
に
對面
(
たいめん
)
し、それより
本艦
(
ほんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」と
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
電光艇
(
でんくわうてい
)
とが
舳艫
(
じくろ
)
相
(
あひ
)
並
(
なら
)
んで
颯々
(
さつ/\
)
たる
海風
(
かいふう
)
に
帝國軍艦旗
(
ていこくぐんかんき
)
を
飜
(
ひるが
)
へしつゝ
頓
(
やが
)
て
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その男は、
盲縞
(
めくらじま
)
のつかれた
袷
(
あわせ
)
に、無造作に帯を巻きつけ、
蓬
(
よもぎ
)
のような頭の
髪
(
け
)
を
海風
(
かいふう
)
に逆立たせて、そのせいか、際立って
頬骨
(
ほほぼね
)
の目立つ顔を持った
痩身
(
そうしん
)
の男であった。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
東岸一帯は小高い
丘
(
おか
)
をなして
自
(
おのず
)
から
海風
(
かいふう
)
をよけ、幾多の人家は水の
畔
(
はた
)
から上段かけて其
蔭
(
かげ
)
に
群
(
むら
)
がり、幾多の舟船は其蔭に息うて居る。余等は弁天社から燈台の方に上った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
たった一人
逗子
(
ずし
)
の
海風
(
かいふう
)
とコルドヴァの
杏竹桃
(
きょうちくとう
)
とを夢みている、お君さんの姿を想像——畜生、悪意がない所か、うっかりしているとおれまでも、サンティマンタアルになり兼ねないぞ。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
人車
(
じんしや
)
は
徐々
(
じよ/\
)
として
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れた。
僕
(
ぼく
)
は
窓
(
まど
)
から
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
忽
(
たちま
)
ちラツパを
勇
(
いさ
)
ましく
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
てゝ
車
(
くるま
)
は
傾斜
(
けいしや
)
を
飛
(
と
)
ぶやうに
滑
(
すべ
)
る。
空
(
そら
)
は
名殘
(
なごり
)
なく
晴
(
は
)
れた。
海風
(
かいふう
)
は
横
(
よこ
)
さまに
窓
(
まど
)
を
吹
(
ふ
)
きつける。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
その
夜
(
よ
)
のことであります。この
町
(
まち
)
から
火事
(
かじ
)
が
出
(
で
)
て、おりしも
吹
(
ふ
)
き
募
(
つの
)
った
海風
(
かいふう
)
にあおられて、
一軒
(
けん
)
も
残
(
のこ
)
らず
焼
(
や
)
きはらわれてしまいました。いまでも
北海
(
ほっかい
)
の
地平線
(
ちへいせん
)
にはおりおり
黒
(
くろ
)
い
旗
(
はた
)
が
見
(
み
)
えます。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は甲板の
腰掛
(
こしかけ
)
に腰を
下
(
おろ
)
して
海風
(
かいふう
)
の
衣袂
(
いべい
)
を
翻
(
ひるがえ
)
すに任している。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
かの
海風
(
かいふう
)
は 鰯雲は高く
來
(
きた
)
るかな……
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
今日も
海風
(
かいふう
)
は相当に強く、時々言葉が吹きとばされることがあったが、
漸
(
ようや
)
く夕焼もうすれ、すすめられる
儘
(
まま
)
に、太郎岬の上にある、という彼の家を訪れることを決心した。それは
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
艇尾
(
ていび
)
には
色
(
いろ
)
淺黒
(
あさぐろ
)
く、
虎髯
(
こぜん
)
を
海風
(
かいふう
)
に
吹
(
ふ
)
かせたる
雄風
(
ゆうふう
)
堂々
(
どう/″\
)
たる
海軍大尉
(
かいぐんたいゐ
)
あり、
舵柄
(
だへい
)
を
握
(
にぎ
)
れる
身
(
み
)
を
延
(
のば
)
して、『やゝ、
貴下等
(
きから
)
も
日本人
(
につぽんじん
)
ではないか。』とばかり、
私
(
わたくし
)
と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
面
(
おもて
)
を
見詰
(
みつ
)
めたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
その
)
傍
(
かたはら
)
には、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は、
例
(
れい
)
の
水兵
(
すいへい
)
姿
(
すがた
)
で、
左手
(
ひだり
)
は
猛犬
(
まうけん
)
「
稻妻
(
いなづま
)
」の
首輪
(
くびわ
)
を
捕
(
とら
)
へ、
右手
(
ゆんで
)
は
翩飜
(
へんぽん
)
と
海風
(
かいふう
)
に
飜
(
ひるが
)
へる
帝國軍艦旗
(
ていこくぐんかんき
)
を
抱
(
いだ
)
いて、その
愛
(
あい
)
らしい、
勇
(
いさ
)
ましい
顏
(
かほ
)
は、
莞爾
(
につこ
)
と
此方
(
こなた
)
を
仰
(
あほ
)
いで
居
(
を
)
つたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“海”で始まる語句
海
海岸
海嘯
海鼠
海苔
海老
海月
海原
海辺
海人