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永年
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ながねん
ふりがな文庫
“
永年
(
ながねん
)” の例文
永年
(
ながねん
)
の繁盛ゆえ、かいなき
茶店
(
ちゃみせ
)
ながらも利得は積んで山林
田畑
(
でんぱた
)
の幾町歩は内々できていそうに思わるれど、ここの
主人
(
あるじ
)
に一つの癖あり
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
永年
(
ながねん
)
しまっておいた
油
(
あぶら
)
は、もうこればかしになってしまった。もうすこし
長
(
なが
)
く
月日
(
つきひ
)
がたったら、
油
(
あぶら
)
は、一
滴
(
てき
)
もなくなってしまっただろう……。
びんの中の世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といって
永年
(
ながねん
)
下宿していらっしゃるお客様だし、
副食物
(
おかず
)
のお更りなら銭も取れるが飯の代を余計に貰う事も出来んといつでも
愚痴
(
ぐち
)
ばかり言う。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
召使一同厳重に取調べられたが、一人も疑わしい者はなかった、皆
永年
(
ながねん
)
玉村家の
恩顧
(
おんこ
)
を受けたものばかりであった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
じつはわたしも
鬼
(
おに
)
の
娘
(
むすめ
)
です。
永年
(
ながねん
)
あなたと
同
(
おな
)
じような
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なめにあった人を
見
(
み
)
て
知
(
し
)
っています。けれどもそれをどうして
上
(
あ
)
げることもできませんでした。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
他人の非に出あわぬ朝とて幾十年の間ほとんどないのを思いよくも
永年
(
ながねん
)
この忍耐をしつづけて来たものだと、我が身をふり返って今さら感慨にふけるのだった。
睡蓮
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
しからばいかなる方法をもって寝室内へ忍び込む事が出来ただろうか? 毎夜、彼は
扉
(
ドア
)
に鍵をかけて錠を下す事が
永年
(
ながねん
)
の習慣になって一夜でも忘れた事が無い。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
今この下人が、
永年
(
ながねん
)
、使はれてゐた主人から、
暇
(
ひま
)
を出されたのも、この衰微の小さな餘波に外ならない。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
永年
(
ながねん
)
連添
(
つれそ
)
う間には、
何家
(
どこ
)
でも
夫婦
(
ふうふ
)
の間に晴天和風ばかりは無い。夫が妻に対して
随分
(
ずいぶん
)
強い不満を
抱
(
いだ
)
くことも有り、妻が夫に対して
口惜
(
くや
)
しい
厭
(
いや
)
な
思
(
おもい
)
をすることもある。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
永年
(
ながねん
)
さがしてきたほんもののお高に会ってことばまでかわしながら、頭から別人と思いこんで、そのまま
放
(
はな
)
してやって、いまだに、預かっている財産を渡すために
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私
(
わたくし
)
が
他所
(
よそ
)
に
情婦
(
おんな
)
をつくりましたのは、あれはホンの
当座
(
とうざ
)
の
出来心
(
できごころ
)
で、
心
(
しん
)
から
可愛
(
かわい
)
いと
思
(
おも
)
っているのは、
矢張
(
やは
)
り
永年
(
ながねん
)
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
って
来
(
き
)
た
自家
(
うち
)
の
女房
(
にょうぼう
)
なのでございます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろを蹈みつける足であった。この足を持つ女こそは、彼が
永年
(
ながねん
)
たずねあぐんだ、女の中の女であろうと思われた。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
儂は、この青軍の航空母艦『
黄鷲
(
きわし
)
』に乗っていて、戦闘機を一台受持ってた。こいつは最新型というやつではないが、
儂達
(
わしたち
)
には
永年
(
ながねん
)
馴染
(
なじみ
)
の、非常に使いよい飛行機だった。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分はこの
永年
(
ながねん
)
方々を
流浪
(
るろう
)
してあるいて、折々こんな因縁に出っ食わして我ながら変に感じた事が時々ある。——しかしそれも落ちついて考えると、大概解けるに違ない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしも
永年
(
ながねん
)
その中に交っていたのだ。アニキが家政のキリモリしていた時に、ちょうど妹が死んだ。彼はそっとお菜の中に交ぜて、わたしどもに食わせた事がないとも限らん。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
保雄には幾分でも自分の感化を受けて
然
(
さ
)
う云ふ青年文学者の出るのが
唯
(
たゞ
)
一
図
(
づ
)
に嬉しいので、
永年
(
ながねん
)
の苦労も、
分
(
ぶん
)
に過ぎた負債も、世間の自分に対する悪評も
然程
(
さほど
)
苦には成ら無かつた。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
しかし
永年
(
ながねん
)
一人で苦労して来た老人や子供の世話を、東京に行けば、
子息
(
むすこ
)
と一緒にすることが出来ると思ふと、何となく肩が
下
(
お
)
りるやうな気がした。
子息
(
むすこ
)
と住むといふことも嬉しかつた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
これまでにも、
永年
(
ながねん
)
男の中で働いてきている八重に、いねはある警戒の目を向けたことはあったが、面と向うと八重の顔からは、恥さらしのことはせん、とでもいうような安心より読みとれなかった。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
己が
永年
(
ながねん
)
聞いていて
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて『
飛
(
と
)
んだことを言はるゝ、これは
拙者
(
せつしや
)
永年
(
ながねん
)
祕藏
(
ひざう
)
して居るので、
生命
(
いのち
)
にかけて
大事
(
だいじ
)
にして居るのです』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
子規は人間として、又文學者として、最も「
拙
(
せつ
)
」の缺乏した男であつた。
永年
(
ながねん
)
彼と交際をした
何
(
ど
)
の月にも、
何
(
ど
)
の日にも、余は未だ曾て彼の
拙
(
せつ
)
を笑ひ得るの機會を
捉
(
とら
)
へ
得
(
え
)
たた
試
(
ためし
)
がない。
子規の画
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
中にも気の毒なのは乃公のアニキだ。彼だって人間だ。恐ろしい事とも思わずに何ゆえ仲間を集めて乃公を食うのだろう。やっぱり
永年
(
ながねん
)
のしきたりで悪い事とは思っていないのだろう。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
と
兄
(
あに
)
はいって、
永年
(
ながねん
)
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
ってきたくわを、
地面
(
じめん
)
にたたきつけるように
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
しました。すると、くわは、ひっくりかえって、さもうらめしそうな
顔
(
かお
)
つきをして、
兄
(
あに
)
をながめました。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私達のように
永年
(
ながねん
)
都会に
棲
(
す
)
んで、極度に神経を敏感以上、病的に
削
(
けず
)
られている者は、別に特殊な
修練
(
しゅうれん
)
を
経
(
へ
)
ないでも、いつの間にか、ちょっとした
透視
(
とうし
)
ぐらいは出来るようになっているのだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「愚直な程です。同郷人で、
永年
(
ながねん
)
目をかけている男です」
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“永年”の意味
《名詞》
永年(えいねん)
長い年月。
(出典:Wiktionary)
永
常用漢字
小5
部首:⽔
5画
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
“永”で始まる語句
永劫
永
永久
永遠
永代
永代橋
永禄
永々
永井荷風
永生