戦場せんじょう)” の例文
旧字:戰場
おじさんは、戦場せんじょうのことでもおもったのか、ちょっとさびしいかおをして、ためいきをしました。それから、ちあがりました。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
いっぽう、王さまはやっと戦場せんじょうからかえってきました。そして、まっさきに、つまと子どもにあいたい、といいました。
となりの国は、この国より大きくって、新しい兵士へいしを、どんどん、戦場せんじょうへ送ってよこすので、この国のほうは、だんだん、負けぎみになってきました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのようすからさっすると、そのひとは、いかめしいよろいかぶとを身につけた、戦場せんじょう武士ぶしのように思われました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そしてちかうち黄道吉日こうどうきちにちえらんで、婚礼こんれいしきげようとしていたさいに、不図ふとおこりましたのがあの戦乱せんらんもなく良人おっととなるべきひと戦場せんじょうつゆ
ここはおまえ、甲斐かい信玄しんげん家康いえやすさまとが、しのぎをけずった有名な戦場せんじょうで、——ほれ、三方みかたはらというところだ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とこうりっぱにいいきって、すぐ戦場せんじょうかって行きました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あちらの地平線ちへいせんをほどちかい、にぎやかなまち燈火ともしびが、ぽうとやみめているのをて、兵士へいしなかには、戦場せんじょうおもすものもあったでしょう。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、ペテロの銅像どうぞうには、ぜひ、馬が必要ひつようでした。なぜなら、ペテロは馬にのって、戦場せんじょうにかつやくしました。そして、馬といっしょに、死んでいました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
戦場せんじょうのようにこんざつしている桜門さくらもん方角ほうがくから、ひとりの武将ぶしょうがふたりの従者じゅうしゃをつれ、作事奉行さくじぶぎょう筒井伊賀守つついいがのかみ家臣かしん案内あんないにしたがって、こっちへ向かってくるすがたが小さく見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうどそのころ、ある強い国の王さまが戦争せんそうをはじめました。若者わかものはこの王さまにつかえて、戦場せんじょうにでかけました。若者がてきのまえまできたとき、ちょうどたたかいがはじまりました。
やっとたどりついたところは、いつか激戦げきせんのあった、おもしてもぞっとするような戦場せんじょうであって、ものすごいつきひかりらしていたのであります。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うみ生活せいかつ戦場せんじょうとするものには、うみうえぬことは、本望ほんもうです。わたしいのちは、うみささげます。どうぞ、祖母そぼ達者たっしゃのうちだけ、わたしいのちたすけてください。
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
はなしかわって、こちらは、戦場せんじょうであります。てきは、ごわくわがぐん前進ぜんしんをさまたげている。ちゅう一の部隊ぶたいは、クリークをへだてて、そのてきかいあっていました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
大将たいしょうつかれて、のこったわずかなひとたちとともに、みやこをさして戦場せんじょうからあるいてきました。そして、戦争せんそうのためにれはてた、さびしいところをとおらなければなりませんでした。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たつ一は、支那しな戦場せんじょう景色けしき空想くうそうしました。また戦死せんしした徳蔵とくぞうさんをおもしました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちは、戦場せんじょうまれました。たくさんの人間にんげんんだ、その死骸しがいくさっているひろ野原のはらなかまれました。わたしたちは、あかるいひかりや、や、ほのおることはだいきらいです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やられたか、それともきずってたおれてはいないか?」と、戦場せんじょうあとてきかばねえて、さがしてあるきました。すると、その兵隊へいたいさんが、やぶのなかたおれているのをいだしたのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)