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御法度
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ごはっと
ふりがな文庫
“
御法度
(
ごはっと
)” の例文
「いや、二階の灯は
御法度
(
ごはっと
)
だ、——それはいいが、お清さん、こんな事は訊きにくいが、勘次郎さんに近頃親しい女はなかったのかね」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
渡場
(
わたし
)
をかち渡りするは
御法度
(
ごはっと
)
なんでア、何たるワザワグこったべえ、只じゃ済まねえべ、お関所破りと同罪なんでア、早うでんぐり
返
(
けえ
)
りな
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ところが人間万事
塞翁
(
さいおう
)
の馬、
七転
(
ななころ
)
び
八起
(
やお
)
き、弱り目に
祟
(
たた
)
り目で、ついこの秘密が露見に及んでついに
御上
(
おかみ
)
の
御法度
(
ごはっと
)
を破ったと云うところで
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
切支丹ならば
御法度
(
ごはっと
)
も御法度の上に、その身は
礫
(
はりつけ
)
、
家蔵身代
(
いえくらしんだい
)
は
闕所
(
けっしょ
)
丸取られと相場が決まっているんだから、——おお、苦しい! 太夫水を
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
おめえは芸人、相手は町人、なにも御家の
御法度
(
ごはっと
)
を破ったという訳でもねえから、そんなに怖がって隠すこともあるめえ。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
一方、彼の前の机の上にはさまざまな禁制品や
御法度
(
ごはっと
)
の武器が、なまけものの腕白小僧からとりあげられて置いてあった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
藥種屋 されば、
其樣
(
そのやう
)
な
大毒藥
(
だいどくやく
)
をば
貯
(
たくは
)
へてはをりまするが、マンチュアの
御法度
(
ごはっと
)
では、
賣
(
う
)
ったりゃ、
命
(
いのち
)
がござりませぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
第一、そんな
御法度
(
ごはっと
)
破りを出せば親方も同罪だ、わっしや久米一のためにも、ウントここで
肌
(
はだ
)
を脱がなきゃなりません
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
楊弓場
(
ようきゅうば
)
の軒先に御神燈出すこといまだ
御法度
(
ごはっと
)
ならざりし頃には
家名
(
いえな
)
小さく書きたる店口の
障子
(
しょうじ
)
に
時雨
(
しぐれ
)
の
夕
(
ゆうべ
)
なぞ
榎
(
えのき
)
の
落葉
(
おちば
)
する
風情
(
ふぜい
)
捨てがたきものにて
※
(
そうら
)
ひき。
葡萄棚
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
不義は
御法度
(
ごはっと
)
だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、
赤裸々
(
せきらら
)
な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一条件だ。
堕落論〔続堕落論〕
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
……
版木
(
はんぎ
)
だけは本でかくしても、膝の木くずはごまかせない。あなたが
御法度
(
ごはっと
)
の
大黒尊像
(
だいこくそんぞう
)
を版木で起していたことは、さっきからちゃんと見ぬいているんです。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
香坂 僕達の家庭ではカフェーが
御法度
(
ごはっと
)
です。しかし交際上
拠
(
よんどこ
)
ろない場合があります。その折、女房の目を
掠
(
かす
)
めて、男子の体面を保つ法
如何
(
いかん
)
? という問題です。
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「不義は御家の
御法度
(
ごはっと
)
」で、危いと首にかかわるし、第一若い男と奥女中との間、余程取締りの厳重であるべき筈だのに、出来たのだから通仙もいい男にちがいない。
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
振袖を肩のところへかけるを合図に、下郎は飛びのき不義はお家の
御法度
(
ごはっと
)
、とシラ/″\しく言えば、女の身で恥かしいこと言い出して殿御に嫌われては最うこれまで
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初めの内こそ
御法度
(
ごはっと
)
を
真向
(
まっこう
)
に、横に首を振り続けている清二郎も、古傷まで知らせた上は返答によって生命をもらうという仙太郎の脅しと、なによりもたんまり謝礼の約束に眼が
晦
(
くら
)
んで
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ちっとも遠慮することはありゃあしねえよ——どうせ天下のお
式目
(
しきもく
)
、
御法度
(
ごはっと
)
ばかり破って、
今日
(
きょう
)
びをくらしている渡世じゃあないか——おめえは知らず、このおれと来ては、どうせ首が
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
このたびのお仕置きは、諸見物の立寄る事かたく
御法度
(
ごはっと
)
、ときびしく申しわたされ、のこり惜しそうに、あとを振り返り振り返り退散して、夫婦はそれどころで無く大不平、なんの因果で
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
某の男おのが主人の娘または腰元などに
馴
(
な
)
れ染めしが、いつしかその事主人の耳に入り不義は
御家
(
おいえ
)
の
御法度
(
ごはっと
)
なりとて御手討になるべき処を、側の者が申しなだめて二人の命を
乞
(
こ
)
ひたるならん。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「仕方が無い。これァ薬屋仲間で、
御法度
(
ごはっと
)
の薬品なんだ」
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
嘘
(
うそ
)
はお
釈迦
(
しゃか
)
の
御法度
(
ごはっと
)
だ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
(
御法度
(
ごはっと
)
だ。)
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「フーム、菱屋は
御法度
(
ごはっと
)
の抜け荷(密輸入)を
捌
(
さば
)
いて、主人の市兵衛は一番番頭と一緒に三宅島へ遠島になったはずだな」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なにしろ
御法度
(
ごはっと
)
破りの仕事だから、今までのように一
尾
(
ぴき
)
二分では売られない、これからは一尾一両ずつに買ってくれと云い出したが、宇三郎は承知しない。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
不義は
御法度
(
ごはっと
)
だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一の条件だ。
続堕落論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
秘密も秘密、公儀
御法度
(
ごはっと
)
の
兵糧倉
(
ひょうろうぐら
)
と武器倉を二カ所にこしらえ、巧みな
砦塞
(
とりで
)
すらも築造中なのでござります。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
種員は
草双紙
(
くさぞうし
)
類
御法度
(
ごはっと
)
のこの頃いよいよ小遣銭にも窮してしまったため国貞門下の
或
(
ある
)
絵師と相談して
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
水車
御法度
(
ごはっと
)
というお触れが出たんでござんしてね、それで、利用のできる器械を
廃
(
すた
)
らせたままで、わざわざこうして
足搗
(
あしづ
)
きをやらなきぁならねえ世界になったんでございます
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
御法度
(
ごはっと
)
をも
顧
(
かえりみ
)
ず、蟠龍軒の屋敷へ
踏込
(
ふんご
)
み、数人の者を
殺害
(
せつがい
)
いたし候段重々恐入り奉ります
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
じゃ、そのところを、チョッピリ耳こすり致しますが、蜂須賀様じゃ、また近頃、だいぶ精を出して、火薬を買い込むって話じゃございませんか——あの天下
御法度
(
ごはっと
)
の
戦薬
(
いくさぐすり
)
をね。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それ以来あの通り金網を張って警戒し、半紙百枚以上の凧は
御法度
(
ごはっと
)
になりました。金助の
剥
(
はが
)
したのは右の
雌鯱
(
めじゃち
)
で、その遠眼鏡で御覧になると一枚足らなくなっているところがよく分ります
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御法度
(
ごはっと
)
の
敵討
(
かたきうち
)
さえ、筋が立てば、大ビラにやらせる世の中じゃないか。姉妹二人十何年も死の苦しみを
嘗
(
な
)
めさせられて、その上姉が首を
吊
(
つ
)
ったんだ。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へえ、どうもあの楽屋は風儀が悪うござんして、
御法度
(
ごはっと
)
の慰み事が
流行
(
はや
)
るもんですから……」
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「しかし百助、それだけの理由では、兆二郎を
御法度
(
ごはっと
)
破りと見なすわけに参らんぞ」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔は不義はお家の
御法度
(
ごはっと
)
などと云ってお手打になるような事がございました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家ごとに
焚
(
た
)
く
盂蘭盆
(
うらぼん
)
の
送火
(
おくりび
)
に
物淋
(
ものさび
)
しい風の
立初
(
たちそ
)
めてより、道行く人の
下駄
(
げた
)
の音夜廻りの拍子木犬の
遠吠
(
とおぼえ
)
また
夜蕎麦売
(
よそばうり
)
の呼声にも
俄
(
にわか
)
に物の哀れの誘われる折から、わけても今年は
御法度
(
ごはっと
)
厳しき浮世の秋
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「もう飛乗りや飛下りは
御法度
(
ごはっと
)
でございますよ」
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「俺の見当では、たぶん
抜荷
(
ぬけに
)
を扱っていたのだと思う、——抜荷というと何でもないようだが、こいつは大変な
御法度
(
ごはっと
)
で、露顕すると獄門にも
磔刑
(
はりつけ
)
にもなる」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
宮地の芝居だから、大目に見ているのかも知れねえが、男と女と入りまじりの芝居は
御法度
(
ごはっと
)
だ。
半七捕物帳:54 唐人飴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
御法度
(
ごはっと
)
の明るい旦那のこと。そんな必要はありませんや。さあお通ンなすって」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さア
其処
(
そこ
)
です、文治殿こそは
日本
(
にっぽん
)
に二三とあるまじき
天晴
(
あっぱれ
)
名士と心得ますが、
何
(
ど
)
うでござるな、その日本名士が上州あたりの長脇差や泥坊が、
御法度
(
ごはっと
)
を犯して隠れている
汚
(
よご
)
れた国へまいりますか
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御法度
(
ごはっと
)
の悪いことをしていたにしても、主人を訴人して菱屋を取潰した金蔵が、主人の娘のお茂さんと祝言するというのは見ちゃいられません。それでは人間の道が違います。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御法度
(
ごはっと
)
の賽ころを掴んで二十人あまりの若い者を
頤
(
あご
)
で追い廻していた男であるが、取る年と共にすっかりと
堅気
(
かたぎ
)
になって、女房の名前で営んでいた緑屋という小料理屋を本業に
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが今では、みんな
御法度
(
ごはっと
)
、
商
(
あきな
)
いまで宵かぎりでぴたりと木戸を閉めてしまう
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奉「黙れ……其の方天下の
御法度
(
ごはっと
)
を心得ぬか」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今年は火の用心の
御布令
(
おふれ
)
があって、江戸の町ではどんど焼きが
御法度
(
ごはっと
)
だそうですよ」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
御法度
(
ごはっと
)
を破って、秘法を盗みに、他国から住み込んでいる廻し者を、俺が見破ってやるのは、取りも直さず
汝
(
うぬ
)
の
落度
(
おちど
)
を防いでやることになるんだ。恩とは思わねえで、人を蹴飛ばす法があるかッ
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あ! ここは
荷抜屋
(
ぬきや
)
の巣だな」と万吉は眼をみはった。荷抜屋というのは、御禁制の密貿易をやる
輩
(
やから
)
のことで、年に一度か二年目ごとに、仲間で集めた
御法度
(
ごはっと
)
の品を
異国船
(
いこくせん
)
に売り込むのが商売。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
錦絵は
御法度
(
ごはっと
)
、彫職の俺などは上ったりだ、元の植木屋に返ったところで、ろくな仕事があるわけは無し、明日から何をして行けば
宜
(
い
)
いか、見当も付かない始末よ、親の代からの借金は山程あるし
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なるほど少し変だが、——
御法度
(
ごはっと
)
とは言っても、親の敵討はお上でもお目こぼしだ。次第によっては御褒美が出るくらいのもの、町方の岡っ引が飛出したところで、物笑いになるばかりじゃないかな」
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それだからいけないよ。飲むさ。頃合に飲んでごらん。迎え酒というやつだ。だが、
自棄
(
やけ
)
はいけない、江戸へ行って、浜町の別宅に納まってもらっても、
自棄酒
(
やけざけ
)
は
御法度
(
ごはっと
)
ということにしてもらいたいね」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“御法度”で始まる語句
御法度物