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引掛
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ひつか
ふりがな文庫
“
引掛
(
ひつか
)” の例文
暖い日で額が汗ばむ程なので、基督は外套を脱いで、そこらの楊の木に
引掛
(
ひつか
)
けた
儘
(
まゝ
)
、岡を
上
(
のぼ
)
つて多くの群衆にお説教をしに出掛けた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
肉付のいゝ若い女が
幾人
(
いくたり
)
も、赤い
潰髷
(
つぶし
)
の
結綿
(
ゆひわた
)
にもう
華美
(
はで
)
な
中形
(
ちゆうがた
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を着て
引掛
(
ひつか
)
け帶もだらしなく、歩む度に白い足の裏を見せながら行く。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
就中
(
なかんづく
)
、
意氣
(
いき
)
な
向
(
むき
)
は
湯上
(
ゆあが
)
りの
足
(
あし
)
を、
出
(
で
)
しなに、もう
一度
(
いちど
)
熱
(
あつ
)
い
湯
(
ゆ
)
に
浸
(
ひた
)
してぐいと
拭
(
ふ
)
き
上
(
あ
)
げて、
雪
(
ゆき
)
にうつすりと
桃色
(
もゝいろ
)
した
爪
(
つま
)
さきに
下駄
(
げた
)
を
引掛
(
ひつか
)
けたと
言
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
細
(
ほそ
)
い
足
(
あし
)
のおかげで
走
(
はし
)
るわ、
走
(
はし
)
るわ、よつぽど
遠
(
とほ
)
くまで
迯
(
に
)
げのびたが、
藪
(
やぶ
)
のかげでその
美
(
うつ
)
くしい
角
(
つの
)
めが
笹
(
さヽ
)
に
引掛
(
ひつか
)
かつてとう/\
猟人
(
かりうど
)
につかまつたとさ。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
九
時
(
じ
)
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎ、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
歸
(
かへ
)
らんとて
立上
(
たちあが
)
り、
玄關
(
げんくわん
)
で
毛皮
(
けがは
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
引掛
(
ひつか
)
けながら
溜息
(
ためいき
)
して
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
卯平
(
うへい
)
は五六
日
(
にち
)
の
間
(
あひだ
)
毎日
(
まいにち
)
唯
(
たゞ
)
ぶら/\と
出
(
で
)
ては
黄昏近
(
たそがれちか
)
くかそれでなければ
夜
(
よる
)
に
成
(
な
)
つて
歸
(
かへ
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
は
毎日
(
まいにち
)
唐鍬
(
たうぐは
)
持
(
も
)
つて
林
(
はやし
)
へ
出
(
で
)
た。おつぎは
半纏
(
はんてん
)
を
引掛
(
ひつか
)
けて
針
(
はり
)
の
師匠
(
しゝやう
)
へ
通
(
かよ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
濁醪
(
どぶろく
)
を
引掛
(
ひつか
)
ける者が
大福
(
だいふく
)
を
頬張
(
ほゝば
)
る者を
笑
(
わら
)
ひ
売色
(
ばいしよく
)
に
現
(
うつゝ
)
を
抜
(
ぬ
)
かす者が
女房
(
にようばう
)
にデレる
鼻垂
(
はなたらし
)
を
嘲
(
あざけ
)
る、之れ皆
他
(
ひと
)
の
鼻
(
はな
)
の
穴
(
あな
)
の
広
(
ひろ
)
きを
知
(
しつ
)
て
我
(
わ
)
が
尻
(
しり
)
の
穴
(
あな
)
の
窄
(
せま
)
きを
悟
(
さと
)
らざる
烏滸
(
をこ
)
の
白者
(
しれもの
)
といふべし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
ある時、須磨子が湯上りの
身体
(
からだ
)
に派手な
沿衣
(
ゆかた
)
を
引掛
(
ひつか
)
けてとんとんと
階段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
つて自分の居間に入ると、ふと
承塵
(
なげし
)
に懸つた額が目についた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それから、「お
獅子
(
しし
)
は? みいちやん。」と
聞
(
き
)
くと、
引掛
(
ひつか
)
けて
居
(
ゐ
)
る
半纏
(
はんてん
)
の
兩袖
(
りやうそで
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて、
取
(
と
)
つてはかぶり、
取
(
と
)
つてはかぶりしたさうである。いや、お
祭
(
まつり
)
は
嬉
(
うれ
)
しいものだ。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
荒繩
(
あらなは
)
が
手
(
て
)
に
在
(
あ
)
つたことを
心
(
こゝろ
)
づいた
時
(
とき
)
、
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
低
(
ひく
)
い
枝
(
えだ
)
にそれを
引掛
(
ひつか
)
けようとして
投
(
な
)
げた。
彼
(
かれ
)
の
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
は
暗夜
(
あんや
)
に
其
(
そ
)
の
目的
(
もくてき
)
を
遂
(
と
)
げさせなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
何處
(
どこ
)
かへ
絲
(
いと
)
を
引掛
(
ひつか
)
けた。」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“引掛”で始まる語句
引掛帯
引掛帶
引掛所