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ふれ
ふりがな文庫
“
布令
(
ふれ
)” の例文
「
申
(
もう
)
し上げます。町はもうすっかり
掃除
(
そうじ
)
ができてございます。
人民
(
じんみん
)
どもはもう
大悦
(
おおよろこ
)
びでお
布令
(
ふれ
)
を
待
(
ま
)
たずきれいに
掃除
(
そうじ
)
をいたしました」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これは神仏混淆の例証ではありませんが、やはり神仏区別のお
布令
(
ふれ
)
からして仏様側が
手酷
(
てきび
)
しくやられた余波から起った事柄であります。
幕末維新懐古談:32 本所五ツ目の羅漢寺のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ある時王様は国中にお
布令
(
ふれ
)
を出しました。そのお布令は、人民の中から王様の試験に合格した者を王子として選ぶといふのでした。
辞書と新聞紙
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
その結末と、籠城の準備を評議するという名目で、翌日、再集合の
布令
(
ふれ
)
をまわしてみると、登城人数は前の半分にも足らなかった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
午後一時に総員広場に集れの
布令
(
ふれ
)
が廻って、時は
愈
(
いよいよ
)
目睫
(
もくしょう
)
に迫った。山田は蒼白くなっては度々水で口を濡しながら「サア往こう」と昂然として言う。
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
▼ もっと見る
大阪も、それを
布令
(
ふれ
)
ろ、と、跡部に申したが、彼奴には判らん——ところで、又、盛之進様が、御出生になったのう
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
伝染病が襲うて来るも此月だ。
赤痢
(
せきり
)
、
窒扶斯
(
ちぶす
)
で草葺の避病院が一ぱいになる年がある。真白い
診察衣
(
しんさつい
)
を着た医員が歩く。大至急清潔法施行の
布令
(
ふれ
)
が来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
生れた子を殺して「まびく」という、どこでもおこなわれているし、北国などでは藩で
布令
(
ふれ
)
を出した例もある。
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
明治九年の太政官のお
布令
(
ふれ
)
で、神仏を
劃然
(
かくぜん
)
と区別し、神社の境内から、抹香臭いものは悉く追い出されました。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
給仕は
顫
(
ふる
)
へながら
理由
(
わけ
)
を話した。それによると何月何日のお
布令
(
ふれ
)
に、自今若芽薑一切禁止といふ事があつたので、それ以来百姓が唯の一本も作らなくなつたのださうだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いとしい
妃
(
きさき
)
の
望
(
のぞ
)
みとあれば、せめて、この
最後
(
さいご
)
の
望
(
のぞ
)
みをもかなえてやりたいものだと
思
(
おも
)
われたので、このことを
国
(
くに
)
じゅうに
布令
(
ふれ
)
されますと、
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
たちは、
娘
(
むすめ
)
も、
女房
(
にょうぼう
)
も
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、それにもかかわらず、正月八日から十四日まで行なわれる
御斎会
(
ごさいえ
)
は例年通りというお
布令
(
ふれ
)
が出たが、南都の僧の全滅した今となっては、顔ぶれを揃えるのも難しい。
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
是
(
こ
)
れは
今明日
(
こんみょうにち
)
の中にいよ/\事は始まると覚悟を定めた。その前に幕府から
布令
(
ふれ
)
が出てある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あの
気性
(
スピリット
)
だから、攘夷派が二三度攻撃したからって、それで恐入ってしまうような
弱気
(
ウイークネス
)
な男じゃない……入関禁制の
布令
(
ふれ
)
を聞くと、ケチのついた荷など引きとれねえというんで
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これは昔饑饉のあった時お
布令
(
ふれ
)
が出たのをその儘守っているのだと申します。そこで彼処の家では顔の映るような茶粥を喰べているという形容が起って来ますが、お分りですか?
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
恩賞は望みに任すとまでの
布令
(
ふれ
)
が、発布されておるというありさまなのでございます。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そんなこたあねえだ。ゆんべは正式の
布令
(
ふれ
)
を廻したんぢやあんめえ。東京から
喬
(
たか
)
さを
泉
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお
布令
(
ふれ
)
を出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
表に東京市の四角な判が押してあり、裏は生年月日に芸名、落語協会長の判があって、「これを四六時中持って歩け」という御
布令
(
ふれ
)
があって、これを持っていないと営業ができなかった。
犬
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
御領主の富田樣から、お
布令
(
ふれ
)
が出た。あのお布令といふものが、自體氣に喰はね。村總體を一つの同じお布令で縛らうとしても、太いものがあつたり、細いものがあつたりして、工合よう行くものか。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
滅多には参りませんが来ても只村役人がお
布令
(
ふれ
)
の書付や何かを
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と関鉄之介が低い声で
布令
(
ふれ
)
た。
『七面鳥』と『忘れ褌』
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
減じられようというお
布令
(
ふれ
)
じゃ。だからもう、たとえおまえが帰ってつかまっても、たかだか軽い流罪ぐらいですむことじゃろうよ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
政府はこの弊を
矯
(
た
)
めるがために神仏混淆を明らかに区別することにお
布令
(
ふれ
)
を出し、神の
地内
(
じない
)
にある仏は一切取り
除
(
の
)
けることになりました。
幕末維新懐古談:31 神仏混淆廃止改革されたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「そうか、それではまちがいあるまい。ああ、どんなにお
待
(
ま
)
ちしただろう。すぐ
町
(
まち
)
を
掃除
(
そうじ
)
するよう
布令
(
ふれ
)
を出せ」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
贅沢
(
ぜいたく
)
な品の贈答はならぬとか、祝儀や不祝儀の宴会はいけないとか、
富籤
(
とみくじ
)
は禁ずるなどという、緊縮の
布令
(
ふれ
)
が出るばかりで、むしろ不況の度はひどくなっていった。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
祭の時には七日も芝居を興行して、田舎役者が芸をするその時には、藩から
布令
(
ふれ
)
が出る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
村々へ
布令
(
ふれ
)
を廻した位では、美女佳人は隠してしまって、決して御前には
差出
(
さしだ
)
しません。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
先に、告示された
布令
(
ふれ
)
は、さらに広く諸国へまでわたった。そして恩賞にも、金銀ならば
幾額
(
いくら
)
、荘園なれば田何枚と、書き加えられた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なるほど当年二十三のものは子歳で、私は正にそれに当っている。
何時
(
いつ
)
何日
(
いくか
)
に扱所に出頭して寸法や何やかやを調べるという
布令
(
ふれ
)
である。これは大騒ぎ。
幕末維新懐古談:22 徴兵適齢のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
……ここはもと佐和山城のあるじ石田三成の領分であった、二年前慶長五年七月、領主一代の合戦があるため、心ある者は陣へまいって働くようにという
布令
(
ふれ
)
がまわった。
蜆谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おのれ、そこの御高札を見ぬか、いや、辻々の掲示はもちろん、あれほど、厳しゅう
官
(
かみ
)
より
布令
(
ふれ
)
てある念仏
停止
(
ちょうじ
)
のことを知らぬのか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城代家老の
布令
(
ふれ
)
がしばしば出て、政治に関する批判や論議を禁じ、三人以上の集会を禁じ、日没後は公用以外の外出を禁じ、やがて指名者のほかは登城まで差止めの布令が出た。
十八条乙
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
梅雪入道は、家康にかたく
誓
(
ちか
)
って、そこそこに
堺
(
さかい
)
へ立ちもどった。にわかに家来一同をまとめて、領土へ帰国の
旨
(
むね
)
を
布令
(
ふれ
)
だした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飲食店の時間にきびしい制限が
布令
(
ふれ
)
だされ、もちろん裏はあるにはちがいないが、この魚河岸はまるで別格のようで、表もあけたまま、
軒提灯
(
のきぢょうちん
)
も掛けたまま、客は遠慮のない高ごえで
おさん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
千早城もまた
大捷
(
たいしょう
)
と聞えたので、同じ五月二十三日、
還幸
(
かんこう
)
の沙汰を
布令
(
ふれ
)
だされ、晴れの都門
凱旋
(
がいせん
)
の途についておられたのである。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
百石につき米百二十俵を上下していたお禄が、少しまえから百俵と
定
(
きま
)
り、そのうえしばしば御借り上げの
布令
(
ふれ
)
が出るほどで、御政治むきの御不勝手なことは私などにもおぼろげには察しがついていた。
日本婦道記:桃の井戸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
江戸の
常詰
(
じょうづめ
)
をのぞくと、約二百何十名かの頭数が、今朝の総登城の
布令
(
ふれ
)
に驚いて、
眸
(
ひとみ
)
に不安な光をたたえ、本丸へ詰合っていたわけである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田中兵部という大将がこの付近の監察に当たり「石田軍の兵となって出陣した者、また敗戦後に帰村した者は届け出るように、もし秘して
匿
(
かく
)
まうような場合は
屹度
(
きっと
)
申しつけるであろう」という厳重な
布令
(
ふれ
)
がまわった。
蜆谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
北京
(
ホッケイ
)
ノ囚人
盧俊儀
(
ロシュンギ
)
、及ビ、ソノ護送役人ヲ殺害シテ
盧
(
ロ
)
ヲ
奪
(
ウバ
)
イ去ッタ大罪人ヲ訴エ
出
(
イ
)
デヨ、という莫大な懸賞つきの
布令
(
ふれ
)
なのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御禁制の
布令
(
ふれ
)
が出ても出ても、岡場所に
隠
(
かく
)
し
売女
(
ばいた
)
は減らないし、富興行は
密
(
ひそ
)
かに
流行
(
はや
)
るし、
万年青
(
おもと
)
狂いはふえるし、
強請
(
ゆすり
)
や
詐欺
(
かたり
)
は横行するし
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「たれが、そのような令をば
布令
(
ふれ
)
たか。——城戸に
軍揃
(
いくさぞろ
)
いせよ、などとは、わが
夫
(
つま
)
貞氏どの以外には、
一人
(
いちにん
)
とて、いわれまじき令であるはず」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日、曹操は、襄陽へ入城すると
布令
(
ふれ
)
て来た。蔡夫人は劉琮をつれて、
江
(
こう
)
の
渡口
(
わたし
)
まで出迎え拝礼して、城内へみちびいた。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実は、明朝には、この由を、全家中へ
布令
(
ふれ
)
出そうと存じていたが、はや、その方たちの耳にきこえ、いかい心配をかけたそうな。……ゆるせよ。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つまり
凡下放埒
(
ぼんげほうらつ
)
でも、坊主でも武士でも、敵味方なく、正成の首さえ持ってくれば、その日から船井ノ庄一郡の
地頭
(
じとう
)
にしてやるというお
布令
(
ふれ
)
だ。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六波羅一
掃
(
そう
)
の後、おのれ六波羅奉行と
称
(
とな
)
え、
御教書
(
みぎょうしょ
)
などを
布令
(
ふれ
)
だし、かずかずの越権、目にあまるものがある。——その足利こそ油断ならぬ者だ。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さいぜん堀口貞満から、第一の
布令
(
ふれ
)
は、各陣へ廻しておいた。すでにあれによって、うごく者はうごいていようが」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いま、忠顕が来ての話では、どうしても、ここは明朝出発するとの
布令
(
ふれ
)
じゃそうな。女たちも身仕舞しておけよ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陳達
(
ちんたつ
)
もぼやいていたが、どう考えても、こいつあ、やっぱり華陰県の県城で、
布令
(
ふれ
)
を廻しゃあがったせいだろうぜ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ご裁可さえ給われば、ただちに、諸大名へ、兵の割当てと、発向の日を、
布令
(
ふれ
)
るばかりに相なっておりまする」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
布
常用漢字
小5
部首:⼱
5画
令
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“布令”で始まる語句
布令書
布令廻