三階さんがい)” の例文
それゆゑ二階にかいあるひ三階さんがい居合ゐあはせたひとが、階下かいかとほることの危險きけんおかしてまで屋外おくがいさうとする不見識ふけんしき行動こうどう排斥はいせきすべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
やあきたねどぶだ。おそろしい石灰いしばひだ。ひどみちだ。三階さんがいがあるぜ、浴衣ゆかたばかしの土用干どようぼしか、夜具やぐうら眞赤まつかな、なん棧橋さんばし突立つツたつてら。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それから三階さんがいのぼると、今度こんど時代順じだいじゆんならべて、だん/\かはつててゐるところをあらはしてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
宗助そうすけのまだたかくならない七時頃じごろに、昇降器エレヹーター煉瓦造れんぐわづくり三階さんがい案内あんないされて、其所そこ應接間おうせつまに、もう七八にん自分じぶんおなやうに、おなひとつてゐる光景くわうけいおどろいたこともあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こずゑ三階さんがい高樓かうろう屋根やねき、えだかはなかばへ差蔽さしおほうたけやきしたに、片手かたて番傘ばんがさを、トンとかたたせながら、片手釣かたてづりかる岩魚いはなつて浴客よくきやく姿すがたえる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もし階數かいすうなゝつ、たかさが百尺ひやくしやく程度ていどのものならば、二階にかい三階さんがいあるひ四階建しかいだていたみがもつといちじるしいようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
第一だいいちこのいへは、むかし蕎麥屋そばやで、なつ三階さんがいのものほしでビールをませた時分じぶんから引續ひきつゞいた馴染なじみなのである。——座敷ざしきも、おもむきかはつたが、そのまゝ以前いぜんおもかげしのばれる。……めいぶつのがくがあるはずだ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ると、渡過わたりすぐる一方いつぱうきしは、したふか溪河たにがは——すなは摺上川すりかみがは——のがけのぞんで、づらりとならんだ温泉宿やど幾軒々々いくけん/\こと/″\みなうらばかりが……三階さんがいどころでない、五階ごかい七階しちかいに、座敷ざしきかさ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)