一部いちぶ)” の例文
それからもと支那しな領地りようちであつて、いま日本につぽん一部いちぶになつた臺灣たいわんにも石器時代せつきじだい遺物いぶつますが、支那しなからるものとよくてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
造船所ざうせんじよない一部いちぶ貯藏ちよぞうされてあつたのだが、あゝ、昨夜さくや大海嘯おほつなみではその一個いつこ無事ぶじではるまい、イヤ、けつして無事ぶじはづはありません。
なほ國土こくど保安ほあんのために森林しんりん一部いちぶを『保安林ほあんりん』といふものにして、永久えいきゆうらないでくようにもなつたのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
これになると、ほとゝぎすは、實際じつさいいてゐるようにんでゐます。けっして枕詞まくらことばでなく、四月しがつ意味いみするうづきの、自然しぜん景色けしき一部いちぶとしてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
私達はどんなにそのめにもだえたでせう!その頃の風潮ふうてうからは、たゞ破壞はくわいをのみ會得ゑとくして、建設けんせつについては一部いちぶ一厘いちりんだにもまなぶことが出來できなかつたのです。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
私はまた足もとのすなを見ましたらその砂粒すなつぶの中にも黄いろや青や小さな火がちらちらまたたいているのでした。おそらくはそのツェラ高原の過冷却湖畔かれいきゃくこはんも天の銀河ぎんが一部いちぶと思われました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
(1)子どもが生まれたとき、大網膜だいもうまく一部いちぶがやぶれないで、そのまま子どもの頭にのこっていることがあります。むかしは、これを幸運こううんのしるしだと考えて、〈ふくかわ〉とよんだわけです。
あの、磐梯山ばんだいさん噴火ふんくわして、一部いちぶ山廓さんくわくをそのまゝみづうみそこにした。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今度こたび一部いちぶふみとしておづさにのぼせ、おほやけひやうをもこひ
うもれ木:01 序 (旧字旧仮名) / 田辺竜子(著)
しかもこの博物館はくぶつかん見物人けんぶつにんおどろかすものは、そのギリシヤ、ローマの部屋へや一部いちぶにイタリイのポムペイで發掘はつくつされたむかしいへ客間きやくまそのまゝを模造もぞうしてあることです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このたび高濱虚子たかはまきよしさん・柳田國男先生やなぎだくにをせんせい御一ごいつしょに、この一部いちぶ書物しよもつつくることになりました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ふかママの森や、風やかげ肉之ママ草や、不思議ふしぎ都会とかい、ベーリング市までつづ電柱でんちゅうれつ、それはまことにあやしくも楽しい国土である。この童話集の一列は実に作者の心象スケッチの一部いちぶである。
おほいさははとよりもおほきく、なつあひだはね一部いちぶをのぞくほかは、全部ぜんぶ黒褐色こつかつしよくで、ふゆになるとゆき見誤みあやまられるように白色はくしよくかはります。これは寒國かんこくうさぎふゆあひだ眞白まつしろになるのとおな保護色ほごしよくです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
湯野ゆの温泉をんせん一部いちぶである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかしこれは日本につぽんのごく一部いちぶおこなはれたゞけで、九州きゆうしゆう筑後ちくご肥後ひごなどに時々とき/″\ることが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かういふ傳記でんき一部いちぶつて諸平もろひらうたむと、まことおもふかいところがかんじられます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)