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みじたく
ふりがな文庫
“
身支度
(
みじたく
)” の例文
「……
備前
(
びぜん
)
岡山、
備後灘
(
びんごなだ
)
、松山上空」とラジオは艦載機来襲を刻々と告げている。正三の
身支度
(
みじたく
)
が出来た頃、高射砲が
唸
(
うな
)
りだした。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
さて、すっかり
身支度
(
みじたく
)
がおわると、バタバタ窓をしめて、かれもこの家を立ちかけたが、
門口
(
かどぐち
)
でフイと一つの忘れ物を思いだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夢なら醒めないうちにと手早く
身支度
(
みじたく
)
をし終って表へ出た。寒風の中を一散に堤防目がけて走った。——今夜は二日分、往復四回駆けてやる——
快走
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もとより
拒
(
こば
)
むべき
筋合
(
すじあい
)
のものでございませぬから、
私
(
わたくし
)
は
早速
(
さっそく
)
身支度
(
みじたく
)
してこの
親切
(
しんせつ
)
な、
老
(
お
)
いたる
竜神
(
りゅうじん
)
さんの
後
(
あと
)
について
出掛
(
でか
)
けることになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さりながら
先祖
(
せんぞ
)
に
對
(
たい
)
し
家
(
いへ
)
に
對
(
たい
)
する
孝
(
かう
)
は
二人
(
ふたり
)
が
命
(
いのち
)
なり
捨
(
す
)
てゝ
榮
(
はえ
)
ある
身
(
み
)
ぞと
思
(
おも
)
へば
何處
(
いづく
)
に
殘
(
のこ
)
る
未練
(
みれん
)
もなしいざ
身支度
(
みじたく
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
一同はかれらをおどろかさぬように、木陰にかくれて昼飯をすまし、それから思い思いの
身支度
(
みじたく
)
にとりかかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
亭主に催促されるまま、朝飯もそこそこに私も
身支度
(
みじたく
)
を整えましたが、今考えてみてもその時の自分の気持だけは、私にも、どうしてもわからないのです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
見ると、その人はもう退院の
身支度
(
みじたく
)
をすました様子で寝台に腰をかけていた。若い元気そうな人である。
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
にも拘らず彼はのそのそ
身支度
(
みじたく
)
をした。くそ落ちつきに落ちついて、ばか丁寧に荷ごしらえをしていた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
今は本家の手前争う事もならず、まして自分は養子の身の上
家付
(
いえつき
)
の娘に
逆
(
さか
)
らう事も
叶
(
かな
)
わねば言わるるままに
身支度
(
みじたく
)
して明日はいよいよ東京へ出発する事となれり。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
長良川
(
ながらがわ
)
木曽川いつの間にか越えて清洲と云うに、この次は名古屋よと
身支度
(
みじたく
)
する間に電燈の蒼白き光曇れる空に映じ、はやさらばと一行に別れてプラットフォームに下り立つ。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
妾
身支度
(
みじたく
)
をして、うちにある現金と、銀行の
通帳
(
かよいちょう
)
を持って、裏口からソッと脱け出してここへ来たの……あなたと一緒に預金を引き出して逃げようか、どうしようかと思って……
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さてその
翌朝
(
あけのあさ
)
、聴水は
身支度
(
みじたく
)
なし、里の
方
(
かた
)
へ出で来つ。
此処
(
ここ
)
の畠
彼処
(
かしこ
)
の
廚
(
くりや
)
と、日暮るるまで
求食
(
あさ
)
りしかど、はかばかしき獲物もなければ、尋ねあぐみて
只
(
と
)
ある
藪陰
(
やぶかげ
)
に
憩
(
いこ
)
ひけるに。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
代助は奥へ
這入
(
はい
)
つた。
婆
(
ばあ
)
さんを呼んで
着物
(
きもの
)
を出させやうと思つたが、腹の痛むものを
使
(
つか
)
ふのが
厭
(
いや
)
なので、自分で簟笥の
抽出
(
ひきだし
)
を
掻
(
か
)
き
回
(
まは
)
して、急いで
身支度
(
みじたく
)
をして、
勝
(
かつ
)
の
車
(
くるま
)
に乗つて
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(リュックサックを背負いて
身支度
(
みじたく
)
する。)いや、どうもお邪魔をしました。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お
供
(
とも
)
に
立
(
た
)
つべき
與曾平
(
よそべい
)
といふ
親仁
(
おやぢ
)
、
身支度
(
みじたく
)
をするといふ
始末
(
しまつ
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ロレ さゝ、
嫁御寮
(
よめごれう
)
の
教會行
(
けうくわいゆき
)
の
身支度
(
みじたく
)
は
整
(
とゝの
)
ひましたかの?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
照彦
(
てるひこ
)
様は
身支度
(
みじたく
)
をしながらきいた。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
龍太郎
(
りゅうたろう
)
はあんがいおちついて、なにか伊那丸の耳にささやいた。そして、夜のふけるのを待って、
足帯
(
あしおび
)
、
脇差
(
わきざし
)
など、しっかりと
身支度
(
みじたく
)
しはじめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身支度
(
みじたく
)
をととのえることは、心の配備を点検することであった。荷の一つから取り出した羽織を、ぱたっと
皺
(
しわ
)
をたたいてひっかけた。流し目をくれながらその
紐
(
ひも
)
を結んだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
正三もまたあの七月三日の晩から八月五日の晩——それが最終の逃亡だった——まで、夜間形勢が怪しげになると
忽
(
たちま
)
ち逃げ出すのであった。……土佐沖海面警戒警報が出るともう
身支度
(
みじたく
)
に取掛る。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
松野
(
まつの
)
は
答
(
こた
)
へぬ、
秋雨
(
あきさめ
)
はれて
後
(
のち
)
一日
今日
(
けふ
)
はと
俄
(
にはか
)
に
思
(
おも
)
ひ
立
(
たち
)
て、
糸子
(
いとこ
)
例
(
れい
)
の
飾
(
かざ
)
りなき
粧
(
よそ
)
ほひに
身支度
(
みじたく
)
はやく
終
(
をは
)
りて、
松野
(
まつの
)
が
來
(
く
)
る
間
(
ま
)
まち
遠
(
どほ
)
しく
雪三
(
せつざう
)
がもと
我
(
わ
)
れより
誘
(
さそ
)
いぬ、と
見
(
み
)
れば
玄關
(
げんくわん
)
に
見馴
(
みな
)
れぬ
沓
(
くつ
)
一
足
(
そく
)
あり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「途中ですらあな。……何も大した
身支度
(
みじたく
)
は
要
(
い
)
りゃあしない。それより、おめえはもうそれでいいのか」
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は机を離れて
身支度
(
みじたく
)
にとりかかった。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
“身支度”の意味
《名詞》
何かをするために、身なりを整えること。
(出典:Wiktionary)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
支
常用漢字
小5
部首:⽀
4画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“身”で始まる語句
身体
身
身上
身装
身扮
身體
身動
身長
身代
身悶