調てう)” の例文
さびしきまゝにこと取出とりいだひとこのみのきよくかなでるに、れと調てうあはれにりて、いかにするともくにえず、なみだふりこぼしておしやりぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つまり調てう子がよければ持てんを一き切る事もたびたびで、自然しぜんかちが多いが、それがぎやくになると、どうにもたりがわるくて、負がかさなつて苛々しい
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ぼくどもは枯枝かれえだをひろひ石をあつめてかりかまどをなし、もたせたる食物を調てうぜんとし、あるひは水をたづねて茶をれば、上戸は酒のかんをいそぐもをかし。
むもの、野にむもの、しぎは四十八ひんと称しそろとかや、僕のも豈夫あにそ調てうあり、御坐ございます調てうあり、愚痴ぐちありのろけあり花ならば色々いろ/\あくたならば様々さま/″\
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
八〇白江しらえ熊谷くまがへの両士、きみ八一大御酒おほみきすすめたてまつるとて八二まめやかなるに、臣も八三あざら(け)き物一しゆ調てうじまゐらせんため、御従みともおくれたてまつりぬとまうす。
琴のを知り、琵琶の調てうを知るものは、之を三絃の調に比較せよ、一方はいかに荘重に、いかに高韻なるに引きかへて、他はいかに軽韻卑調なるに注意するなるべし
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
昌黎しやうれいまこととせず、つまびらか仔細しさいなじれば、韓湘かんしやうたからかにうたつていはく、青山雲水せいざんうんすゐくついへ子夜しや瓊液けいえきそんし、寅晨いんしん降霞かうかくらふ。こと碧玉へきぎよく調てうたんじ、には白珠はくしゆすなる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『吟声調てうを成さず——あゝ、あゝ、折角せつかくの酒も醒めて了つた。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
調てうのけぢめものいろもさびおとろへて
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
あまりに調てうのかなしきに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
忽ちくづれ調てうかはる
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
調てうを問ふな
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ぼくどもは枯枝かれえだをひろひ石をあつめてかりかまどをなし、もたせたる食物を調てうぜんとし、あるひは水をたづねて茶をれば、上戸は酒のかんをいそぐもをかし。
病床にありての作なるからに調てうさうも常にまして整はざるところ多し。讀者の寛恕を乞ふになむ。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
調てう音色ねいろの變化
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
亡兄ばうけい(京伝)いはく、それはよきおもひつきなりまづこゝろむべしとてにはか調てうじさせしに、いかにも美味びみなり。
亡兄ばうけい(京伝)いはく、それはよきおもひつきなりまづこゝろむべしとてにはか調てうじさせしに、いかにも美味びみなり。
案内が調てうじたるものそろはぬわんにもり、山折敷やまをしきにすゑていだせり。