“色調”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
トーン25.0%
トオン25.0%
しきちょう16.7%
ニユアンス16.7%
いろね8.3%
しきちやう8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時代の思想感情を含む生活の色調トーンを、遺憾なく演技として表現し得る能力をもつてゐるところから来るのです。
現代劇のない日本 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
……で、そのアスパラガスを描かんとするや、先づその全體の色調トオンを述べます。それから、徐々にその穗先の細かなニュアンスに移つて行きます。
プルウストの文体について (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
大雨たいうが晴れてから二日目の午後五時頃であった。世間は恐怖の色調しきちょうをおびた騒ぎをもって満たされた。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
縦ひ色調ニユアンス上の細かい変化はあつても、根本に於ては依然として『伝統』を続けることが出来るであらう。
『さびし』の伝統 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
向うの二階の方から聞えてくるものの音に、しんみりと聞きけっていたのが、いま目前に浮びあがって、その音曲おんぎょく色調いろねを楽しみ繰出している——
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かれこの取り留めのない花やかな色調しきちやうの反照として、三千代の事を思ひ出さざるを得なかつた。さうして其所そこにわが安住の地を見出みいだした様な気がした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)