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みしりごし
ふりがな文庫
“
見知越
(
みしりごし
)” の例文
通
(
とほ
)
りかゝつた
見知越
(
みしりごし
)
の、みうらと
言
(
い
)
ふ
書店
(
しよてん
)
の
厚意
(
こうい
)
で、
茣蓙
(
ござ
)
を
二枚
(
にまい
)
と、
番傘
(
ばんがさ
)
を
借
(
か
)
りて、
砂
(
すな
)
の
吹
(
ふ
)
きまはす
中
(
なか
)
を
這々
(
はふ/\
)
の
體
(
てい
)
で
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あっちこっち、
見知越
(
みしりごし
)
の顔を見付けては、ひそひそ話をしていたじいやが、相談するように一郎の顔をのぞき込んだ。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「ほめられて」といっただけでは、相手の様子は何ともわからぬが、どうもこれは
見知越
(
みしりごし
)
の人らしくない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
渠は又、近所の誰彼、
見知越
(
みしりごし
)
の少年共を、自分が生村の会堂で育てられた如く、育てて、教へて……と考へて来て、
周囲
(
あたり
)
に人無きを幸ひ、其等に対する時の
厳
(
おごそ
)
かな態度をして見た。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と老人はその中に
見知越
(
みしりごし
)
の顔を見つけ出さうと、
狡
(
こす
)
さうな眼つきで皆の顔を見比べた。すると、一番前に末松
謙澄
(
けんちよう
)
氏夫人が立つてゐるのが見つかつた。老人は鼻を鳴らして喜んだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
と首を伸ばして、分ったような、分らぬような、
見知越
(
みしりごし
)
のような、で、ないような、その辺あやふやなお妙の顔の見方をしたが
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よく見ると同じ町にゐて、かねて
見知越
(
みしりごし
)
のさる
商人
(
あきんど
)
の娘だつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
自分から
顛倒
(
てんとう
)
していて突当った人を見ると、
蛇
(
じゃ
)
の道は
蛇
(
へび
)
で、追廻す蝶吉がまた追廻す探索は届いて、顔まで
見知越
(
みしりごし
)
の恋の
仇
(
あだ
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、お
知己
(
ちかづき
)
でも、お
見知越
(
みしりごし
)
のものでもありません。
眞個
(
まつたく
)
唯今
(
たゞいま
)
行違
(
ゆきちが
)
ひましたばかり……ですから
失禮
(
しつれい
)
なんですけれども。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの人は、私が世話になってる叔父が
媒酌人
(
なこうど
)
で結婚をしたんだろう。大して懇意ではないが
見知越
(
みしりごし
)
でいたのだった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳳仙花の咲いた処でぬっと出て来たのは玄関番、
洗晒
(
あらいざら
)
した筒袖の浴衣に、白地棒縞の袴を穿いた、
見知越
(
みしりごし
)
の書生で
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの若い
芸妓
(
げいしゃ
)
は、もう其処には居なかった。それはそれで、懇意なのも
見知越
(
みしりごし
)
なのも、いずれも広間へ出たらしく、居合したのは知らぬ顔ばかりであった。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おなじむきに
連立
(
つれだ
)
つた
學生
(
がくせい
)
の
方
(
かた
)
が、
大方
(
おほかた
)
居
(
ゐ
)
まはりで
見知越
(
みしりごし
)
であつたらう。
言
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
引擔
(
ひつかつ
)
いで
下
(
くだ
)
すつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と腹の底から出るような、奥底のない声をかけて、番傘を横に開いて、出した顔は
見知越
(
みしりごし
)
。
一昨日
(
おととい
)
もちょっと顔を合わせた、
峰
(
みね
)
の回向堂の堂守で、耳には
数珠
(
じゅず
)
をかけていた。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
指す
方
(
かた
)
もあらでありくともなく歩をうつすに、
頭
(
かしら
)
ふらふらと足の重たくて
行
(
ゆき
)
悩む、前に
行
(
ゆ
)
くも、後ろに帰るも皆
見知越
(
みしりごし
)
のものなれど、誰も取りあわむとはせで
往
(
ゆ
)
きつ
来
(
きた
)
りつす。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
指す
方
(
かた
)
もあらでありくともなく
歩
(
ほ
)
をうつすに、
頭
(
かしら
)
ふらふらと足の
重
(
おも
)
たくて
行悩
(
ゆきなや
)
む、前に
行
(
ゆ
)
くも、後ろに帰るも皆
見知越
(
みしりごし
)
のものなれど、
誰
(
たれ
)
も取りあはむとはせで
往
(
ゆ
)
きつ
来
(
きた
)
りつす。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見知越
(
みしりごし
)
の
仁
(
じん
)
ならば、知らせて
欲
(
ほし
)
い、
何処
(
そこ
)
へ行って頼みたい、と
祖母
(
としより
)
が言うと、ちょいちょい見懸ける男だが、この土地のものではねえの。
越後
(
えちご
)
へ
行
(
ゆ
)
く飛脚だによって、
脚
(
あし
)
が
疾
(
はや
)
い。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
三千歳
(
みちとせ
)
さん、お
桐
(
きり
)
さん。」——
風流懺法
(
ふうりうせんぽふ
)
の
女主人公
(
をんなしゆじんこう
)
と、もう
一人
(
ひとり
)
見知越
(
みしりごし
)
の
祇園
(
ぎをん
)
の
美人
(
びじん
)
に、
停車場
(
ステエシヨン
)
から
鴨川越
(
かもがはごえ
)
に、
遙
(
はる
)
かに
無線電話
(
むせんでんわ
)
を
送
(
おく
)
つた
處
(
ところ
)
は、
然
(
さ
)
まで
寢惚
(
ねとぼ
)
けたとも
思
(
おも
)
はなかつたが
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
半月
(
はんつき
)
、
一月
(
ひとつき
)
、
三月
(
みつき
)
、ものの
半年
(
はんとし
)
も
住馴
(
すみな
)
れたのは
殆
(
ほとん
)
どあるまい……
處
(
ところ
)
で
氣
(
き
)
を
着
(
つ
)
けるでもなく、
唯吉
(
たゞきち
)
が
二階
(
にかい
)
から
見知越
(
みしりごし
)
な、
時々
(
とき/″\
)
の
其
(
そ
)
の
家
(
いへ
)
の
主
(
あるじ
)
も、
誰
(
たれ
)
が
何時
(
いつ
)
のだか
目紛
(
めまぎ
)
らしいほど、ごつちやに
成
(
な
)
つて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見知越
(
みしりごし
)
で、乗合わした男と——いや、その男も実は、はじめて見たなどと話していると、向う側に、革の
手鞄
(
てかばん
)
と、書もつらしい、
袱紗包
(
ふくさづつみ
)
を上に置いて、腰を掛けていた、
土耳古形
(
トルコがた
)
の毛帽子を
被
(
かぶ
)
った
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足駄穿
(
あしだばき
)
の
尻端折
(
しりっぱしょり
)
で、
出会頭
(
であいがしら
)
に、これはと、
頬被
(
ほおかぶり
)
を取った顔を見ると、したり、可心が金沢で
見知越
(
みしりごし
)
の、いま尋ねようとして、見合わせた酒造家の、これは兄ごで、見舞に行った
帰途
(
かえり
)
だというのです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
知
常用漢字
小2
部首:⽮
8画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“見知”で始まる語句
見知
見知人
見知置
見知顔
見知らぬ紳士