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祠
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やしろ
ふりがな文庫
“
祠
(
やしろ
)” の例文
私
(
わたくし
)
は
竜宮行
(
りゅうぐうゆき
)
をする
前
(
まえ
)
に、
所中
(
しょっちゅう
)
そのお
祠
(
やしろ
)
へ
参拝
(
さんぱい
)
したのでございますが、それがつまり
私
(
わたくし
)
に
取
(
と
)
りて
竜宮行
(
りゅうぐうゆき
)
の
準備
(
じゅんび
)
だったのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
夜の十一時頃に、わたし達は町と村との境にある弁天の
祠
(
やしろ
)
のそばを通った。当夜の非番で、村の或る家の俳句会に出席した帰り路である。
鴛鴦鏡
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
毎年初夏の頃になると、
薄紅
(
うすくれない
)
色の合歓の花が咲く。その頃になるとこの
祠
(
やしろ
)
の祭があるので、村祭同様に村中の者が家業を休む。
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小野さんは
孤堂
(
こどう
)
先生と
小夜子
(
さよこ
)
を連れて今この橋を通りつつある。驚ろかんとあせる群集は弁天の
祠
(
やしろ
)
を抜けて
圧
(
お
)
して来る。
向
(
むこう
)
が
岡
(
おか
)
を下りて圧して来る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生れて間もない私が
竜門
(
りゅうもん
)
の鯉を染め出した
縮緬
(
ちりめん
)
の
初着
(
うぶぎ
)
につつまれ、まだ若々しい母の腕に抱かれて
山王
(
さんのう
)
の
祠
(
やしろ
)
の石段を登っているところがあるかと思うと
厄年と etc.
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
「洛陽から三十里、
躍龍潭
(
やくりょうたん
)
の
淵
(
ふち
)
に、一つの
祠
(
やしろ
)
があります。そこにある梨の木は高さ十余丈、千古の神木です。これを
伐
(
き
)
って
棟梁
(
はり
)
といたしましては如何でしょうか」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
例えばあの世に行けば
皆
(
み
)
んなが神様のお
祠
(
やしろ
)
みたいな所へ入って、朝から晩までお
勤行
(
つとめ
)
をしているというような事や、空中を白い着物を着て飛んで行ける事や、
大体
(
だいたい
)
野原で
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、才を
恃
(
たの
)
み物に
傲
(
おご
)
って、鬼神を信ぜず、
祠
(
やしろ
)
を焼き、神像を水に沈めなどするので、狂士を以て目せられている大異には、そんなことはすこしも神経に触らなかった。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
塚
(
つか
)
の
森
(
もり
)
の
榎
(
えのき
)
の
根
(
ね
)
に、
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けむり
)
淡
(
あは
)
く
立
(
た
)
ち、
苔
(
こけ
)
の
石
(
いし
)
の
祠
(
やしろ
)
には
燈心
(
とうしん
)
が
暗
(
くら
)
く
灯
(
とも
)
れ、
鉦
(
かね
)
は
更
(
さら
)
に
谺
(
こだま
)
して、
老
(
おい
)
たるは
踞
(
うづくま
)
り、
幼
(
をさな
)
きたちは
立
(
た
)
ち
集
(
つど
)
ふ、
山
(
やま
)
の
峽
(
かひ
)
なる
境
(
さかひ
)
の
地藏
(
ぢざう
)
のわきには、
女
(
をんな
)
を
前
(
まへ
)
に
抱
(
だ
)
いて
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁日の晩は外ばかり
賑
(
にぎやか
)
で、路地の中は却て客足が少いところから、窓の女達は貧乏稲荷と呼んでいる事などを思出し、人込みに交って、まだ一度も
参詣
(
さんけい
)
したことのない
祠
(
やしろ
)
の方へ行って見た。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
小
(
ちひ
)
さな
祠
(
やしろ
)
の
前
(
まへ
)
に、
米
(
こめ
)
の
粉
(
こ
)
で
造
(
つく
)
つたお
餅
(
もち
)
をあげて
來
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とお
)
り
姫
(
ひめ
)
のお
祠
(
やしろ
)
は
相模
(
さがみ
)
の
走水
(
はしりみず
)
と
申
(
もう
)
すところにあるのですが、あそこは
私
(
わたくし
)
の
縁
(
えん
)
づいた
三浦家
(
みうらけ
)
の
領地内
(
りょうちない
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
昔
(
むか
)
し住吉の
祠
(
やしろ
)
で芸者を見た事がある。その時は
時雨
(
しぐれ
)
の中に立ち尽す島田姿が常よりは
妍
(
あで
)
やかに余が
瞳
(
ひとみ
)
を照らした。箱根の大地獄で
二八余
(
にはちあま
)
りの西洋人に
遇
(
あ
)
った事がある。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
秦
(
しん
)
の時、
武都
(
ぶと
)
の故道に
怒特
(
どとく
)
の
祠
(
やしろ
)
というのがあって、その祠のほとりに大きい
梓
(
あずさ
)
の樹が立っていた。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其処には荒廃した
祠
(
やしろ
)
が夕闇の底に見えていた。
桟道
(
かけはし
)
に見覚えのある
陳宝祠
(
ちんほうし
)
であった。杜陽はびっくりして侍女の方を見た。侍女は二羽の
雉
(
きじ
)
となって鳴きながら壑の方へ飛んで往った。
陳宝祠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
現世
(
げんせ
)
に
立派
(
りっぱ
)
なお
祠
(
やしろ
)
があるとおり、こちらの
世界
(
せかい
)
にも
矢張
(
やは
)
りそう
言
(
い
)
ったものがあり、
御用
(
ごよう
)
があればすぐそちらへお
出
(
で
)
ましになられるそうで……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
呂城は呉の
呂蒙
(
りょもう
)
の築いたものである。河をはさんで、両岸に二つの
祠
(
やしろ
)
がある。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“祠”の解説
祠(ほこら)とは、神を祀る小規模な殿舎。語源は神道用語の「ほくら(神庫、宝倉)」の転訛という。小祠(しょうし)、小堂(しょうどう)とも。もともとは古神道に由来する信仰であるが、神仏習合によって道祖神に関連した仏(地蔵菩薩など)も祀るようになった。神社の簡略形で、人が立ち入ることが難しい場所や、集落や個人が所有する土地に設置され、神職は常駐しない。
(出典:Wikipedia)
祠
漢検1級
部首:⽰
10画
“祠”を含む語句
小祠
祠堂
祠堂金
淫祠
祠官
祠前
古祠
祭祠
社祠
祠畔
菅神祠
素女祠
葛女祠
野祠
陳宝祠
神祠巫覡
神祠
町祠
生祠記
水祠
...