毛皮けがは)” の例文
かはつてかへつてたのはくま膏薬かうやく伝次郎でんじらう、やちぐさんだかさかむたぬき毛皮けがはそでなしをて、糧切まぎりふぢづるでさや出来できてゐる。
すこぎ、ミハイル、アウエリヤヌヰチはかへらんとて立上たちあがり、玄關げんくわん毛皮けがは外套ぐわいたう引掛ひつかけながら溜息ためいきしてふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたし可愛かあいあしは!わたし毛皮けがはひげは!なんつても屹度きつと夫人ふじんわたしばつするにちがひない!何處どこれをおとしたかしら?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかし近頃ちかごろきつね毛皮けがは帽子ぼうし首卷くびまきなどがつくられます。米國べいこくから移入いにゆうして飼養しようされてゐるものもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それがためにものしたりあなをあけるきりるい、ことに毛皮けがはだとかものだとかを、つたりつゞあはせたりするためには、いしきりかたくてもをれやすくてだめですから、それにはどうしても
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
うです一ぺんつて御覽ごらんになつちや、わざ/\毛皮けがはいただぶ/\したものなんかて、一寸ちよつと面白おもしろいですよ。なんなら御紹介ごせうかいしませう。丁度ちやうど明後日あさつてばんんでめしはせることになつてゐるから。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
丁度ちやうど其日そのひ夕方ゆうがた、ドクトル、ハヾトフはれい毛皮けがは外套ぐわいたうに、ふか長靴ながぐつ昨日きのふ何事なにごとかつたやうなかほで、アンドレイ、エヒミチを其宿そのやど訪問たづねた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
きつね、たぬき、てん、のうさぎ、むさゝび、りすなどやまむけものはどこにゐるのでも毛皮けがはやくちますが、とく北方ほつぽうむものほど、しつがいゝのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
たぬき毛皮けがは大變たいへんやくつもので、値段ねだんたかいのです。きつねたぬきむかしひとばかすものとしんじられたりしましたが、けつしてそんなばかげたことがありるわけもありません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
かれつねひさしいた丸帽まるばうかぶつて、ふか長靴ながぐつ穿ふゆには毛皮けがは外套ぐわいたうそとあるく。病院びやうゐんてよりもなく、代診だいしんのセルゲイ、セルゲヰチとも、會計くわいけいとも、ぐに親密しんみつになつたのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)