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御尤
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ごもつとも
ふりがな文庫
“
御尤
(
ごもつとも
)” の例文
「御立腹の段は誠に
御尤
(
ごもつとも
)
で、
私
(
わたくし
)
に於ても一々御同感で御座りまする、が、
只
(
た
)
だ何分にも篠田が青年等の中心になつて居りまするので」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『
御尤
(
ごもつとも
)
です——いや、それではいづれ後刻御目に懸つて、御礼を申上げるといふことにしませう。
何卒
(
どうか
)
皆さんへも
宜敷
(
よろしく
)
仰つて下さい。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故
(
なぜ
)
そう
急
(
きふ
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
したかとの
君
(
きみ
)
の
質問
(
しつもん
)
は
御尤
(
ごもつとも
)
である。
僕
(
ぼく
)
は
不幸
(
ふかう
)
にして
之
(
これ
)
を
君
(
きみ
)
に
白状
(
はくじやう
)
してしまはなければならぬことに
立到
(
たちいた
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「大きに
御尤
(
ごもつとも
)
だ。だが
下婢
(
げぢよ
)
は
下婢
(
げぢよ
)
、
妻
(
さい
)
は
妻
(
さい
)
さ。
下婢
(
げぢよ
)
で用が足りる位なら、世間の男は誰だツてうるさい
妻
(
さい
)
なんか持ちはしない。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
御尤
(
ごもつとも
)
です……あんなに
丹精
(
たんせい
)
をなさいましたから……でも、お
引越
(
ひつこ
)
しなすつたあとでは、
水道
(
すゐだう
)
を
留
(
と
)
めたから、
遣水
(
やりみづ
)
は
涸
(
か
)
れました。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「成程、
御尤
(
ごもつとも
)
で……」と市島氏は型のやうに一寸頭を下げた。そしてその次ぎの瞬間には文求堂の店で見た古い
唐本
(
たうほん
)
の値段の事を考へてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
こればかりは余り
公
(
おほやけ
)
に御自慢は出来ん事で御座いますもの、秘密に遊ばしますのは実に
御尤
(
ごもつとも
)
で御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
若い教授は坊主と辯論がしたくない。多分セルギウスを少し足りないやうに思つてゐるらしい。そこでなんでもセルギウスの言ふことを
御尤
(
ごもつとも
)
だとばかり云つてゐる。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
両親は
側
(
そば
)
にゐても、万事御無理
御尤
(
ごもつとも
)
にしてゐる。鷹雄はそれをいゝ事にして、両親の前でもわざと秋子に口を
利
(
き
)
かずにゐるやうな事をする。娘にとつてこれが何よりも辛い。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
大屋様地主様いづれの御無理も
御尤
(
ごもつとも
)
と受ける
質
(
たち
)
なれば、長吉と喧嘩してこれこれの乱暴に
逢
(
あ
)
ひましたと訴へればとて、それはどうも仕方が無い大屋さんの息子さんでは無いか
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御尤
(
ごもつとも
)
です。そこで兎に角鍛冶屋町を尼さん達が大勢通るのです。朝も昼も晩も通るのです。それが皆フランスを話します。どれもどれもまづさ加減の競争をしてゐるやうなフランスですね。
尼
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
吾人が折々西行芭蕉の名を引出すを怪しみたるは
御尤
(
ごもつとも
)
なり、然れども、いかにせん吾人は真正の意味に於て、日本の詩人(過去の、即ち仏教的日本の)としては先づ指を彼等に屈する者なり。
賤事業弁
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「親分さん、お疑ひは
御尤
(
ごもつとも
)
ですが、私はなんにも存じません」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
御尤
(
ごもつとも
)
至極
(
しごく
)
、であればこそ、松島大明神と
斯
(
か
)
く随喜渇仰致すでは
御
(
お
)
わせんか——ドウしたのか、花吉、ベラ棒に手間が取れる」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
御主意
(
ごしゆい
)
御尤
(
ごもつとも
)
に
候
(
さふらふ
)
。
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
唱歌
(
しやうか
)
は
思
(
おも
)
ひ
止
(
と
)
まり
候
(
さふらふ
)
。
淺
(
あさ
)
ましい
哉
(
かな
)
。
教室
(
けうしつ
)
に
慣
(
な
)
れ
候
(
さふらふ
)
に
從
(
した
)
がつて
心
(
こゝろ
)
よりも
形
(
かたち
)
を
教
(
をし
)
へたく
相成
(
あひな
)
る
傾
(
かたむ
)
き
有之
(
これあり
)
、
以後
(
いご
)
も
御注意
(
ごちゆうい
)
願上候
(
ねがひあげさふらふ
)
。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
御尤
(
ごもつとも
)
です。私のやうな者でもそんなに言つて下さると思へば、決して嬉くない事はありません。ですから、その御深切に対して
裹
(
つつ
)
まず自分の
考量
(
かんがへ
)
をお話し申します。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
大屋樣
(
おほやさま
)
地主樣
(
ぢぬしさま
)
いづれの
御無理
(
ごむり
)
も
御尤
(
ごもつとも
)
と
受
(
う
)
ける
質
(
たち
)
なれば、
長吉
(
ちようきち
)
と
喧嘩
(
けんくわ
)
してこれこれの
亂暴
(
らんぼう
)
に
逢
(
あ
)
ひましたと
訴
(
うつた
)
へればとて、それは
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い
大屋
(
おほや
)
さんの
息子
(
むすこ
)
さんでは
無
(
な
)
いか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御尤
(
ごもつとも
)
です。只今のやうな校長先生の御意見を伺つて見ますと、私共が
斯様
(
こん
)
な御相談に参るといふことからして、恥入る次第です。
成程
(
なるほど
)
、学問の上には階級の差別も
御座
(
ござい
)
ますまい。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と言つたやうなもので、どれもこれも
御尤
(
ごもつとも
)
の事づくめだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
御尤
(
ごもつとも
)
です、新聞には大抵、小米と申すのが、
未
(
ま
)
だ
賤業
(
せんげふ
)
に
陥
(
おちい
)
らぬ以前、何か兼吉と醜行でもあつた様にありますが、其れは多分小米と申すの
実母
(
はゝ
)
から出た誤聞であります
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
然し、お話の上で到底私如きの力には及ばず、成程活きてをられんのは
御尤
(
ごもつとも
)
だ、他人の
私
(
わたし
)
でさへ外に道は無い、と考へられるやうなそれが事情でありましたら、私は決してお
止
(
とど
)
め申さん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此家
(
このや
)
の
内
(
うち
)
に
一人
(
ひとり
)
もなし
老婆
(
ばあ
)
さまも
眉毛
(
まゆげ
)
よまれるなと
憎々
(
にく/\
)
しく
言
(
い
)
ひ
放
(
はな
)
つて
見返
(
みかへ
)
りもせずそれは
御尤
(
ごもつとも
)
の
御立腹
(
ごりつぷく
)
ながら
是
(
こ
)
れまでのこと
露
(
つゆ
)
ばかりも
私
(
わたくし
)
知
(
し
)
りての
事
(
こと
)
はなしお
憎
(
にく
)
しみはさることなれど
申譯
(
まをしわけ
)
の
一通
(
ひととほ
)
りお
聞
(
き
)
き
遊
(
あそ
)
ばして
昔
(
むかし
)
の
通
(
とほ
)
りに
思召
(
おぼしめ
)
してよと
詫入
(
わびい
)
る
詞
(
ことば
)
聞
(
き
)
きも
敢
(
あ
)
へず
何
(
なん
)
といふぞ
父親
(
てゝおや
)
の
罪
(
つみ
)
は
我
(
わ
)
れは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
尤
漢検準1級
部首:⼪
4画
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御尤様