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庭先
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にはさき
ふりがな文庫
“
庭先
(
にはさき
)” の例文
お
品
(
しな
)
の
姿
(
すがた
)
が
庭
(
には
)
に
見
(
み
)
えた
時
(
とき
)
には
西風
(
にしかぜ
)
は
忘
(
わす
)
れたやうに
止
(
や
)
んで
居
(
ゐ
)
て、
庭先
(
にはさき
)
の
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
にぶつ
懸
(
か
)
けた
大根
(
だいこ
)
の
乾
(
から
)
びた
葉
(
は
)
も
動
(
うご
)
かなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
足音
(
あしおと
)
は向ふへ
遠退
(
とおの
)
いて行く。三四郎は
庭先
(
にはさき
)
へ廻つて下駄を
突掛
(
つゝか
)
けた儘孟宗藪の所から、一間余の土手を這ひ下りて、提燈のあとを
追掛
(
おつか
)
けて行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
未
(
ま
)
だか
未
(
ま
)
だかと
正太
(
しようた
)
は
門
(
かど
)
へ
出
(
で
)
つ
入
(
い
)
りつして、
呼
(
よ
)
んで
來
(
こ
)
い三五
郎
(
らう
)
、お
前
(
まへ
)
はまだ
大黒屋
(
だいこくや
)
の
寮
(
りよう
)
へ
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
があるまい、
庭先
(
にはさき
)
から
美登利
(
みどり
)
さんと
言
(
い
)
へば
聞
(
きこ
)
える
筈
(
はづ
)
、
早
(
はや
)
く、
早
(
はや
)
くと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
品
(
しな
)
は
庭先
(
にはさき
)
の
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
から
垂
(
た
)
れた
大根
(
だいこ
)
が
褐色
(
かつしよく
)
に
干
(
ひ
)
て
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
た。おつぎも
勘次
(
かんじ
)
の
横
(
よこ
)
へ
筵
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
いて
又
(
また
)
大根
(
だいこ
)
を
切
(
き
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、
人
(
ひと
)
が
絽
(
ろ
)
の羽織を
着
(
き
)
て
歩
(
ある
)
く様になつた。二三日、
宅
(
うち
)
で
調物
(
しらべもの
)
をして
庭先
(
にはさき
)
より
外
(
ほか
)
に
眺
(
なが
)
めなかつた代助は、冬帽を
被
(
かぶ
)
つて
表
(
おもて
)
へ出て
見
(
み
)
て、急に暑さを感じた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
厭
(
いや
)
やな
正太
(
しようた
)
さんだと
憎
(
に
)
くらしげに
言
(
い
)
はれて、
夫
(
そ
)
れならば
歸
(
かへ
)
るよ、お
邪魔
(
じやま
)
さまで
御座
(
ござ
)
いましたとて、
風呂塲
(
ふろば
)
に
加减
(
かげん
)
見
(
み
)
る
母親
(
はゝおや
)
には
挨拶
(
あいさつ
)
もせず、ふいと
立
(
た
)
つて
正太
(
しようた
)
は
庭先
(
にはさき
)
よりかけ
出
(
いだ
)
しぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
庭先
(
にはさき
)
の
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
枯葉
(
かれは
)
からも、
枝
(
えだ
)
へ
掛
(
か
)
けた
大根
(
だいこ
)
の
葉
(
は
)
からも
霜
(
しも
)
が
解
(
と
)
けて
雫
(
しづく
)
がまだぽたり/\と
垂
(
た
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
庭
(
には
)
へ
敷
(
し
)
いてある
庭葢
(
にはぶた
)
の
藁
(
わら
)
も
只
(
たゞ
)
ぐつしりと
濕
(
しめ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
椅子
(
いす
)
を
下
(
お
)
りるとき、
身體
(
からだ
)
が
眞直
(
まつす
)
ぐになつたので、
視線
(
しせん
)
の
位置
(
ゐち
)
が
天井
(
てんじやう
)
から
不圖
(
ふと
)
庭先
(
にはさき
)
に
移
(
うつ
)
つたら、
其所
(
そこ
)
にあつた
高
(
たか
)
さ五
尺
(
しやく
)
もあらうと
云
(
い
)
ふ
大
(
おほ
)
きな
鉢栽
(
はちうゑ
)
の
松
(
まつ
)
が
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
に
這入
(
はい
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おゝ
夫
(
それ
)
よりは
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
彼
(
あ
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
、
藤本
(
ふぢもと
)
のならば
宜
(
よ
)
き
智惠
(
ちゑ
)
も
貸
(
か
)
してくれんと、十八
日
(
にち
)
の
暮
(
くれ
)
れちかく、
物
(
もの
)
いへば
眼口
(
めくち
)
にうるさき
蚊
(
か
)
を
拂
(
はら
)
ひて
竹村
(
たけむら
)
しげき
龍華寺
(
りうげじ
)
の
庭先
(
にはさき
)
から
信如
(
しんによ
)
が
部屋
(
へや
)
へのそりのそりと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
庭
常用漢字
小3
部首:⼴
10画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“庭”で始まる語句
庭
庭前
庭面
庭下駄
庭園
庭訓
庭樹
庭掃
庭口
庭燎