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小座敷
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こざしき
ふりがな文庫
“
小座敷
(
こざしき
)” の例文
これが
昔
(
むかし
)
の
本陣
(
ほんぢん
)
だと
叔父
(
をぢ
)
が
言
(
い
)
つただゞつ
廣
(
ぴろ
)
い
中土間
(
なかどま
)
を
奧
(
おく
)
へ
拔
(
ぬ
)
けた
小座敷
(
こざしき
)
で、お
平
(
ひら
)
についた
長芋
(
ながいも
)
の
厚切
(
あつぎり
)
も、
大鮪
(
おほまぐろ
)
の
刺身
(
さしみ
)
の
新
(
あたら
)
しさも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
廊下を通って父親の居間になっている日本間の方へ往くと、廊下のとっつきの
小座敷
(
こざしき
)
で人の気配がするのだ、奴さん、そっと
障子際
(
しょうじぎわ
)
へ寄って耳を立てると、むし笑いに笑う女の声がするが
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ふいと
立
(
た
)
つて
家
(
うち
)
をば
御出
(
おで
)
あそばさるゝ、
行先
(
ゆくさき
)
は
何
(
いづ
)
れも
御神燈
(
ごじんとう
)
の
下
(
した
)
をくゞるか、
待合
(
まちあひ
)
の
小座敷
(
こざしき
)
、それをば
口惜
(
くちを
)
しがつて
私
(
わたし
)
は
恨
(
うら
)
みぬきましたけれど
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
を
言
(
い
)
へば、
私
(
わたし
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
の
取
(
と
)
りやうが
惡
(
わる
)
くて
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
偖
(
さて
)
千太郎は
何所
(
どこ
)
を何うか我が家へ歸り
悔
(
くや
)
し涙にかき
暮
(
くれ
)
ながら二階の
小座敷
(
こざしき
)
へ
竊
(
そつ
)
と
這入
(
はひ
)
り心中に思ふ
樣
(
やう
)
如何にしても口惜きは長庵なり
眼前
(
がんぜん
)
渡して其金を知らぬと
言
(
いふ
)
さへ
恐
(
おそろ
)
しきに
己
(
おのれ
)
が惡事を覆はん
爲
(
ため
)
此我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
通されたのが
小座敷
(
こざしき
)
で、
前刻
(
さっき
)
言ったその四畳半。廊下を横へ
通口
(
かよいぐち
)
がちょっと隠れて、気の着かぬ処に
一室
(
ひとま
)
ある……
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
と
母親
(
はゝおや
)
怪
(
あや
)
しき
笑顏
(
ゑがほ
)
をして
少
(
すこ
)
し
經
(
た
)
てば
愈
(
なほ
)
りませう、いつでも
極
(
きま
)
りの
我
(
わが
)
まゝ
樣
(
さん
)
、
嘸
(
さぞ
)
お
友達
(
ともだち
)
とも
喧嘩
(
けんくわ
)
しませうな、
眞實
(
ほんに
)
やり
切
(
き
)
れぬ
孃
(
ぢよう
)
さまではあるとて
見
(
み
)
かへるに、
美登利
(
みどり
)
はいつか
小座敷
(
こざしき
)
に
蒲團
(
ふとん
)
抱卷
(
かいまき
)
持出
(
もちい
)
でゝ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
池
(
いけ
)
、
亭
(
ちん
)
、
小座敷
(
こざしき
)
、
寮
(
れう
)
ごのみで、その
棟梁
(
とうりやう
)
が
一度
(
いちど
)
料理店
(
れうりてん
)
を
其處
(
そこ
)
に
開
(
ひら
)
いた
時
(
とき
)
のなごりだと
聞
(
き
)
いた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
案内
(
あんない
)
はかねて
知
(
し
)
る
梯子
(
はしご
)
を
登
(
のぼ
)
り
果
(
は
)
てゝ
右手
(
みぎて
)
の
小座敷
(
こざしき
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それからその人の部屋とも思われる、
綺麗
(
きれい
)
な
小座敷
(
こざしき
)
へ寝かされて、目の覚める時、物の欲しい時、
咽
(
のど
)
の乾く時、涙の出る時、
何時
(
いつ
)
もその娘が顔を見せない事はなかったです。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
棧
(
かけはし
)
の
亭
(
ちん
)
で、
遙
(
はるか
)
にポン/\とお
掌
(
て
)
が
鳴
(
な
)
る。へーい、と
母家
(
おもや
)
から
女中
(
ぢよちう
)
が
行
(
ゆ
)
くと、……
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
ない。
池
(
いけ
)
の
梅
(
うめ
)
の
小座敷
(
こざしき
)
で、トーンと
灰吹
(
はひふき
)
を
敲
(
たゝ
)
く
音
(
おと
)
がする、
娘
(
むすめ
)
が
行
(
ゆ
)
くと、……
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
吃驚
(
びつくり
)
するやうな
大景氣
(
だいけいき
)
の
川鐵
(
かはてつ
)
へ
入
(
はひ
)
つて、たゝきの
側
(
そば
)
の
小座敷
(
こざしき
)
へ
陣取
(
ぢんど
)
ると、
細露地
(
ほそろぢ
)
の
隅
(
すみ
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、
臆病神
(
おくびやうがみ
)
が
顯
(
あら
)
はれて、
逃路
(
にげみち
)
を
探
(
さが
)
せや
探
(
さが
)
せやと、
電燈
(
でんとう
)
の
瞬
(
またゝ
)
くばかり、
暗
(
くら
)
い
指
(
ゆび
)
さしをするには
弱
(
よわ
)
つた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“小座”で始まる語句
小座舗
小座頭
小座蒲団