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寝室
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ねま
ふりがな文庫
“
寝室
(
ねま
)” の例文
旧字:
寢室
夜更
(
よなか
)
に
目敏
(
めざと
)
い母親の
跫音
(
あしおと
)
が、夫婦の
寝室
(
ねま
)
の外の縁側に聞えたり、
夜
(
よ
)
の
未明
(
ひきあけ
)
に板戸を引あけている、いらいらしい声が聞えたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
画
(
え
)
に描いた
太陽
(
おひさま
)
の夢を見たんだろう。何だか謎のような事を言ってるわね。——さあさあ、お
寝室
(
ねま
)
ごしらえをしておきましょう。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実際なる此人殺しの
寝室
(
ねま
)
の内には取散したる跡を見ず老人の日頃不自由なく暮し
而
(
しか
)
も質素を
旨
(
むね
)
として万事に注意の
普
(
あまね
)
き事は
是
(
これ
)
だけにて察せらる
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
唯
蚊
(
か
)
だけが
疵
(
きず
)
だが、至る処の
堂宮
(
どうみや
)
は
寝室
(
ねま
)
、
日蔭
(
ひかげ
)
の草は
茵
(
しとね
)
、貯えれば腐るので家々の貰い物も自然に多い。ある時、安さんが
田川
(
たがわ
)
の側に
跪
(
ひざまず
)
いて居るのを見た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お定はすぐ起きて、
寝室
(
ねま
)
にしてゐる四畳半許りの板敷を出た。手探りに草裏を突かけて、表裏の入口を開けると、厩では
乾秣
(
やた
)
を欲しがる馬の、羽目板を蹴る音がゴト/\と鳴る。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
此の密書を
奪
(
と
)
られてはと先頃按摩に姿を
窶
(
やつ
)
し、当家へ
入込
(
いりこ
)
み、
一夜
(
あるよ
)
拙者の
寝室
(
ねま
)
へ忍び込み、此の密書を盗まんと致しましたところを取押えて棒縛りになし
翌朝
(
よくあさ
)
取調ぶる所存にて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そういったかと思うと、彼女は何か用ありげに
寝室
(
ねま
)
の外へ出て行ってしまった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
寝室
(
ねま
)
へ戻って、何か思切ったような意気込で、早瀬は
勢
(
いきおい
)
よく枕して目を閉じたが、枕許の
香
(
こう
)
は、包を開けても見ず、手拭の移香でもない。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌朝
(
あした
)
お今のたつ時、浅井は二階の
寝室
(
ねま
)
でまだ寝ていた。
階下
(
した
)
のごたごたする様子が、うとうとしている耳へ、伝わって来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
居室等を過ぎ
小広
(
こびろ
)
き
寝室
(
ねま
)
へと
入込
(
いりこ
)
みぬ、見れば
茲
(
こゝ
)
には早や両人の紳士ありて共に小棚の横手に立てり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
納戸の次の、八畳許りの室が
寝室
(
ねま
)
になつてゐたが、夜昼蒲団を布いた儘、雨戸の開く事がない。妙な臭気が家中に漂うてゐた。一口に謂へば、叔父の家は夜と黄昏との家であつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主殺
(
しゅうころし
)
の罪に落さずして彼が本懐を遂げさせんがため、
態
(
わざ
)
と宮野邊源次郎と見違えさせ討たれしこと、孝助を急ぎ
門外
(
もんそと
)
に
出
(
いだ
)
し
遣
(
や
)
り、自身に源次郎の
寝室
(
ねま
)
に忍び入り、彼が刀の鬼となる覚悟
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蘭堂は我が恋人を殺害した当の敵と同じ
寝室
(
ねま
)
に夜を明かしたことになる。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
画
(
え
)
に
描
(
か
)
いた
太陽
(
おひさま
)
の夢を見たんだらう。何だか
謎
(
なぞ
)
のやうな事を言つてるわね。——さあ/\、お
寝室
(
ねま
)
こしらへをして置きませう。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
遊びに
倦
(
う
)
みつかれたような浅井には、幾夜ぶりかで寝る、広々した自分の
寝室
(
ねま
)
の
臥床
(
ねどこ
)
に手足を伸ばすのが心持よかった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
重いカーテンがおろしてあるので、
寝室
(
ねま
)
は夕暮れの様に薄暗かった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
余も何をか
躊躇
(
ためら
)
う
可
(
べ
)
き目科の後に一歩も遅れず引続きて歩み入れば奥の
室
(
ま
)
と云えるは是れ
客室
(
きゃくま
)
と居室と
寝室
(
ねま
)
とを兼たる者にして彼方の隅には
脂染
(
あかじみ
)
たる布を以て覆える
寝台
(
ねだい
)
あり、室中何と無く薄暗し
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
飯島の方へはお目附が
御検屍
(
ごけんし
)
に到来して、段々死骸を
検
(
あらた
)
め見るに、脇腹に槍の
突傷
(
つきゝず
)
がありましたから、源次郎如き鈍き腕前にては
兎
(
と
)
ても飯島を討つ事は
叶
(
かな
)
うまじ、されば必ず飯島の
寝室
(
ねま
)
に忍び入り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手ランプを持つた儘、
寝室
(
ねま
)
にしてゐる四畳半許りの板敷に入つた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
新座敷の方の庭から、丁字形に入込んでいる中庭に臨んだ主人の
寝室
(
ねま
)
を、お島はある朝、
毎朝
(
いつも
)
するように掃除していた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お
婿
(
むこ
)
さんが、
硝子盃
(
コツプ
)
に、
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
をお
計
(
はか
)
んなさる
間
(
あひだ
)
——えゝ
然
(
さ
)
うよ。……お
寝室
(
ねま
)
には
私
(
わたし
)
と三
人
(
にん
)
きり。……
誰
(
だれ
)
も
可厭
(
いや
)
だつて、
看護婦
(
かんごふ
)
さんさへお
頼
(
たの
)
みなさらないんだそうです。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玄関の障子を開けると三畳、横に六畳間、奥が此八畳間、其奥にも一つ六畳間があつて主人夫婦の
寝室
(
ねま
)
になつてゐる。台所の横は、お定の室と名指された四畳の細長い室で、二階の八畳は主人の書斎。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
小野田は
昨夜
(
ゆうべ
)
も自分たちの
寝室
(
ねま
)
にしている
茶
(
ちゃ
)
の
室
(
ま
)
で、二人きりになった時、そう言ってお島を
詰
(
なじ
)
ったのであったが、今朝もやっぱりそれを気にしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
別にお
寝室
(
ねま
)
と申してもございませんがその代り
蚊
(
か
)
は一ツも居ませんよ、
町方
(
まちかた
)
ではね、
上
(
かみ
)
の
洞
(
ほら
)
の者は、里へ泊りに来た時
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
って寝かそうとすると、どうして入るのか解らないので
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌朝お庄が目を覚ました時分は、
屋内
(
やうち
)
がまだひっそりしていたが、立て廻した
屏風
(
びょうぶ
)
の外の日影は
闌
(
た
)
けていた。
昨夜
(
ゆうべ
)
は
寝室
(
ねま
)
へ
退
(
ひ
)
けてからも、
衆
(
みんな
)
はいつまでも騒いでいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
別
(
べつ
)
にお
寝室
(
ねま
)
と
申
(
まを
)
してもございませんが
其換
(
そのかは
)
り
蚊
(
か
)
は一ツも
居
(
ゐ
)
ませんよ、
町方
(
まちかた
)
ではね、
上
(
かみ
)
の
洞
(
ほら
)
の
者
(
もの
)
は、
里
(
さと
)
へ
泊
(
とま
)
りに
来
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
つて
寝
(
ね
)
かさうとすると、
何
(
ど
)
うして
入
(
はい
)
るのか
解
(
わか
)
らないので
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
晩飯の時、叔母は叔父の好きな取っておきの
干物
(
ひもの
)
などを
炙
(
あぶ
)
り、酒もいいほど
銚子
(
ちょうし
)
に移して
銅壺
(
どうこ
)
に
浸
(
つ
)
けて、自身
寝室
(
ねま
)
へ行って、二度も
枕頭
(
まくらもと
)
で声をかけて見たが、叔父は起きても来なかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“寝室”の解説
寝室(しんしつ、en: bed room)は、住宅(住居)において睡眠をとるための部屋。寝間(ねま)ともいう。
(出典:Wikipedia)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
室
常用漢字
小2
部首:⼧
9画
“寝”で始まる語句
寝
寝衣
寝台
寝床
寝覚
寝転
寝惚
寝所
寝呆
寝起