大巌おほいは)” の例文
旧字:大巖
ぱうは、大巌おほいはおびたゞしくかさなつて、陰惨冥々いんさんめい/\たる樹立こだちしげみは、露呈あらはに、いし天井てんじやううねよそほふ——こゝの椅子いすは、横倒よこたふれの朽木くちきであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
磯辺に高き大巌おほいは
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
はや、幻影まぼろしえつゝ、そのまへに、一ふじつゝじをちりばめた、大巌おほいはに、あいごとみづのぞむで、あしは、めぐらしたさくえたのを見出みいだした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あきてゝながめてると、やがてあさところこしあたりふかところちゝうへになる。もつと激流げきりうながす。かはの七分目ぶんめところに、大巌おほいはが一つみづいて龍虎りうこおどらす。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
背後うしろうねつて切出きりだしたやうな大巌おほいはが二ツ三ツ四ツとならんで、うへはうかさなつて背後うしろつうじてるが、わし見当けんたうをつけて、心組こゝろぐんだのは此方こツちではないので
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あつぱれ、はうみづにせかるゝ大巌おほいはながれさからひ押転おしころばす、およ如何いかばかりのちからがあるな。」
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
真中まんなか鰐鮫わにざめくちをあいたやうなさきのとがつたくろ大巌おほいは突出つきでると、うへからながれてさツはや谷川たにがはが、これあたつてふたつわかれて、およそ四ぢやうばかりのたきになつてどツちて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……坊主ばうず法衣ころもは、大巌おほいはいろみだれた双六すごろくばんおほふて、四辺あたりすみよりもかげくろい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから跣足はだしになつて、かゝへられるやうにしてくだつて、また、老樹らうじゆ大巌おほいは挟間さまひだりに五だん白樺しらかば巨木きよぼくした南祖坊なんそばうだうがあつた。みぎに三だん白樺しらかば巨木きよぼくしたに、一龍神りうじんほこらがあつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)