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友誼
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ゆうぎ
ふりがな文庫
“
友誼
(
ゆうぎ
)” の例文
ともかく民藝を栄えしめることによって、支那固有の美をますます発揮せしめることは、日本人の任務であり、
友誼
(
ゆうぎ
)
であると考えます。
北支の民芸(放送講演)
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
僕はあなたの
友誼
(
ゆうぎ
)
なんか望みません。そんなものは、
唾
(
つば
)
でも引っかけてやりたいくらいだ! いいですか? さあこの通り、僕は帽子を
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
我輩の如きは、君も見て知っているだろうが、小鳥峠の上で、仏頂寺と見事に心中を
遂
(
と
)
げたんだ、仏頂寺の
友誼
(
ゆうぎ
)
に
殉
(
じゅん
)
じたんだぜ。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おそらくこれは
嫉妬
(
しっと
)
と不信とに基づくことであろうから、この際
友誼
(
ゆうぎ
)
を結んで百事を聞き知ろうとするには、まずその心を
収攬
(
しゅうらん
)
するがいい。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その程まで、この男を
庇
(
かば
)
ってやらなければならない
友誼
(
ゆうぎ
)
も理由もわしにはない。……だが武蔵とても、この
期
(
ご
)
になってまさか逃げもすまい。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
誠に温順な平和な人で、交われば交わるほど
友誼
(
ゆうぎ
)
に厚い人であった。が如何なる圧迫を受けても決して所信を曲げない。
福沢先生の処世主義と我輩の処世主義
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
永久の
友誼
(
ゆうぎ
)
が続きそうでいて、そのくせ、親交を結んだ相手と、その晩近づきになった記念の酒席で大抵いつも喧嘩をやらかしてしまうのが落ちだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
痛ましいことではあるが、困窮のために
友誼
(
ゆうぎ
)
も薄らぐ時があるものである。以前には親しい仲であったのが、今はただ通りがかりの者に過ぎなくなる。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
けれどももしそのままでいったら、クリストフはかかる客間的な
友誼
(
ゆうぎ
)
になんらの幻をもかけなかったろうし、少しの親交も二人の間には生じなかったろう。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そもそも仏国の土国を
待
(
たい
)
するを見るに、
友誼
(
ゆうぎ
)
懇親によるのほか、さらに他意あらず。ゆえに土国のために害ある約は
立
(
たつ
)
べからず。この理、領解し
難
(
がた
)
きにあらず。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
まじめになって、友人を
諫
(
いさ
)
めたためにあるいは
友誼
(
ゆうぎ
)
を破り、あるいは他人の心に反抗心を
惹
(
ひ
)
き起こさせて、いっそう彼を
堕落
(
だらく
)
せしむるの
機縁
(
きえん
)
となることがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
尤
(
もっと
)
も柳糸子は喜劇的で明るくて、篠井智恵子は悲劇的で暗く、同じように美しいうちにも、性格も役柄も違って居るのが、
却
(
かえ
)
って二人の
友誼
(
ゆうぎ
)
を
濃
(
こま
)
やかにしたのかもわかりません。
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すなわち氏の
友誼
(
ゆうぎ
)
篤
(
あつ
)
き親友鳴海三郎氏の談によれば、次の如き興味ある事実が判明する。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小林に対する
友誼
(
ゆうぎ
)
を満足させるため、かつはいったん約束した
言責
(
げんせき
)
を果すため、津田はお延の
貰
(
もら
)
って来た小切手の
中
(
うち
)
から、その幾分を
割
(
さ
)
いて朝鮮行の
贐
(
はなむけ
)
として小林に贈る事にした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで、祖母は自分の夫の残酷無情を大いに憤激しながら彼に訴えて、ただ一つの道はあなたの
友誼
(
ゆうぎ
)
と同情に頼むのほかはないという結論に到達すると、サン・ジェルマン伯は〈よろしい。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
そうして
彼
(
かれ
)
は
昔
(
むかし
)
の
生活
(
せいかつ
)
が
健全
(
けんぜん
)
で、
愉快
(
ゆかい
)
で、
興味
(
きょうみ
)
のあったこと、その
頃
(
ころ
)
の
上流社会
(
じょうりゅうしゃかい
)
には
知識
(
ちしき
)
があったとか、またその
社会
(
しゃかい
)
では
廉直
(
れんちょく
)
、
友誼
(
ゆうぎ
)
を
非常
(
ひじょう
)
に
重
(
おも
)
んじていたとか、
証文
(
しょうもん
)
なしで
銭
(
ぜに
)
を
貸
(
か
)
したとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
言って見れば、
友誼
(
ゆうぎ
)
の法則なぞがそれですね。(学士と握手せんとす。)
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
あのちょびひげが、
友誼
(
ゆうぎ
)
にそむいて警察に知らせたのであろうか。そんなことはありえない。この地下装置による不当営利事業をその筋に知られたら、かれも重い処罰を受けるはずではないか。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それにもかかわらずKのことをこんなに引きとらえているなどとは! なぜだろうか? 叔父に対する個人的な
友誼
(
ゆうぎ
)
なのだろうか、あるいはKの訴訟をきわめて風変りなものと認めて、Kに対してか
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
そうした男と女の
友誼
(
ゆうぎ
)
というものは世の中に無いのであろうか。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかして後また
友誼
(
ゆうぎ
)
を
恢復
(
かいふく
)
して、これを
潔
(
きよ
)
め得るのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
人々はひどく
友誼
(
ゆうぎ
)
的だった。
撥陵遠征隊
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
あんな
友誼
(
ゆうぎ
)
を
粗忽評判記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「だが、君の
流刑
(
るけい
)
を聞き、また君が俺にしてくれた
友誼
(
ゆうぎ
)
の厚さに、
山泊
(
やま
)
の
頭目
(
とうもく
)
連中は、どうしても一度君に会いたいといってきかないんだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは不信にもとづくことであろうから、よろしく適当な縁故を求めて彼らと
友誼
(
ゆうぎ
)
を結び、それと親通するのが第一である。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
恐らくジャン・ミシェルの方でも、同じような
聴
(
き
)
き方をしていたであろう。多くの
友誼
(
ゆうぎ
)
は、他人相手に自分のことを語るための、相互
阿諛
(
あゆ
)
の結合にすぎない。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
欧米の各国はよほど日本に
友誼
(
ゆうぎ
)
を表し、既に四十年来不都合なる条約の
下
(
もと
)
に苦しめられたものが、国際法の主義に従って同等なる待遇を受けるというまでに進んだのである。
外交の方針
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
かかる事は吾々の為していい
友誼
(
ゆうぎ
)
であろうか。またはこれが建築に対する正しい理解であろうか。吾々はその破壊を是認すべき積極的理由をどこに見出したらよいのであるか。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
感謝と
友誼
(
ゆうぎ
)
の表情と、彼の思いも設けなかった偽りならぬ尊敬が(
嘲
(
あざけ
)
るような視線と包み切れぬ
軽蔑
(
けいべつ
)
の代りに)現われていたので彼は全く頭ごなしに
罵倒
(
ばとう
)
されでもした方が気安いほど
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
或は
同
(
おんな
)
じ事かも知れない。僕はどうしても、それを君に話さなければならない。話す義務があると思うから話すんだから、今日までの
友誼
(
ゆうぎ
)
に免じて、快よく僕に僕の義務を果さしてくれ
給
(
たま
)
え
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水戸は傍から
友誼
(
ゆうぎ
)
に
篤
(
あつ
)
い忠言を送った。ドレゴは、無言で
肯
(
うなず
)
いた。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
かかる恋愛はいつもかかる
友誼
(
ゆうぎ
)
といっしょになるものである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
心友としての男女の
友誼
(
ゆうぎ
)
の存在を信じていた。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
忠盛は、かれの
友誼
(
ゆうぎ
)
を、
胆
(
きも
)
にめいじている。ふかく、徳として「忘れてはすまない人……」と、つねに子どもらへも、話していたことだった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼らが愛したのは、彼のうちの卑俗な点、
凡庸
(
ぼんよう
)
な輩と共通な点ばかりであって、真に彼自身であるところのものをではなかった。彼らの
友誼
(
ゆうぎ
)
は一つの誤解にすぎなかった……。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
我輩は隣邦国民の
友誼
(
ゆうぎ
)
として従来数々支那人に警告した、注意した。およそ国家の滅亡は他動的に非ずして、自動的なものである。亡ぼさるるというは当らず、亡びるのである。
日支親善策如何:――我輩の日支親善論
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
彼がきわめて
友誼
(
ゆうぎ
)
的な意図をいだいているのは、よそ目にもそれと察しられた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
友誼
(
ゆうぎ
)
の三
分
(
ぶ
)
一は服装が引き受ける者である。頭のなかで考えた友達と眼の前へ出て来た友達とはだいぶ違う。高柳君の服装はこの日の来客中でもっとも
憐
(
あわ
)
れなる服装である。愛は
贅沢
(
ぜいたく
)
である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「だって先生、科学的には非常に信用が置けるし、言うことも普通であるし、
友誼
(
ゆうぎ
)
も
潔癖
(
けっぺき
)
であるほど厚いし、
殊
(
こと
)
に細君のことなど潔癖で、細君が死んでから他の女には絶対に接しなかったという程の人格者としては
訝
(
おか
)
しいですが」
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「今日までは未だ彼にいささかの
友誼
(
ゆうぎ
)
をのこしていたが、こんな不忠不孝を勧める悪人と分ればかえって思い切りがよい」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここに於て単に理論から言えば、世界の人類は同胞なり、世界の人類には
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
人、東洋人という区別はないのである。感情も、
友誼
(
ゆうぎ
)
も、充分に成り立つ訳だ。同じ人間である。
平和事業の将来
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
彼女は両親を
軽蔑
(
けいべつ
)
しかねた。両親を愛していた。しかしもうこのままの生活をつづけることはできなかった。シモーヌ・アダンにたいする
友誼
(
ゆうぎ
)
も、なんの助けともならなかった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
友誼
(
ゆうぎ
)
に対する愛の中に発見するに違いない……
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
藤吉郎は相役のがんまくに、
友誼
(
ゆうぎ
)
を尽して
交際
(
つきあ
)
っていた。がんまくは、蒲団をかぶって寝ていた。何ぞというと、よく寝てばかりいる男だった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
友誼
(
ゆうぎ
)
においては、恩を受くる者も施す者もないんだ。ぼくは恩なんか甘受しない! ぼくたちはたがいに愛してるから、同等の者なんだ。君に会うのが待ち遠しくてたまらない。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
秀吉は、利家の
友誼
(
ゆうぎ
)
に
酬
(
むく
)
ゆるに、加賀の石川、河北の二郡を附したほか、子息の利長にも、
松任
(
まっとう
)
四万石を与え、代りに、府中の城は、これを収めた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親愛な
友誼
(
ゆうぎ
)
をも破り、自分の健康をも失わんとした。数か月の間、もはや眠りもせず、食をもとらず、病的な熱心さで同じ議論を際限もなく繰り返した。たがいに刺激し興奮し合った。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
こう二つの結びあいを離れて、さらにふたりの性格を箇々にながめてみると、なおその
友誼
(
ゆうぎ
)
を
完
(
まっと
)
うし合った底に、
津々
(
しんしん
)
たる両者の人間の味が噛みしめられる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
独立せんがためには、組合生活を捨て、
友誼
(
ゆうぎ
)
をも捨てなければならないだろう。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
追って、そうお訊ね下さる
友誼
(
ゆうぎ
)
に対して、甚だ
不挨拶
(
ぶあいさつ
)
を申すようで恐れ入るが、いささか思案もござれば、どうぞ御懸念なく、留守方のお勤め、
慥乎
(
しっか
)
とお守りねがいたい
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“友誼”の意味
《名詞》
友誼(ゆうぎ)
友達のよしみ。
(出典:Wiktionary)
友
常用漢字
小2
部首:⼜
4画
誼
漢検準1級
部首:⾔
15画
“友誼”で始まる語句
友誼的