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劈頭
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へきとう
ふりがな文庫
“
劈頭
(
へきとう
)” の例文
開戦の
劈頭
(
へきとう
)
から首都
巴里
(
パリー
)
を
脅
(
おびや
)
かされやうとした
仏蘭西
(
フランス
)
人の脳裏には英国民よりも
遥
(
はるか
)
に深く
此
(
この
)
軍国主義の影響が刻み付けられたに違ない。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
説
(
せつ
)
を
敷衍
(
ふえん
)
して
日本美術史
(
にほんびじゆつし
)
の
劈頭
(
へきとう
)
にこれを
高唱
(
かうしやう
)
したものであるが
今日
(
こんにち
)
においても、なほこの
説
(
せつ
)
を
信
(
しん
)
ずる
人
(
ひと
)
が
少
(
すくな
)
くないかと
思
(
おも
)
ふ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
向象賢はその
劈頭
(
へきとう
)
第一に、
先
(
ま
)
ず国相具志川按司の跡役に就いて大和に伺ったら、自分に
仰付
(
おおせつ
)
けられたということを書いています。
琉球史の趨勢
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
ところで、開会
劈頭
(
へきとう
)
社大の浅沼が
管
(
くだ
)
を巻いてかかると、小山議長は昂然として浅沼に一撃を加え、騒ぐ議場を尻目にして日程変更を宣した。
議会見物
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
この頃になって、久しぶりで手にしてみると、
劈頭
(
へきとう
)
から、
南贍部洲
(
なんせんぶしゅう
)
とか、
傲来
(
ごうらい
)
国とかいうようなむつかしい字が一杯出て来る。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
『忘れ得ぬ人は必ずしも忘れてかなうまじき人にあらず、見たまえ僕のこの原稿の
劈頭
(
へきとう
)
第一に書いてあるのはこの句である。』
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
劈頭
(
へきとう
)
第一に小言を食わせるなんぞは驚いたね。気持の好い天気だぜ。君の内の親玉なんぞは、
秋晴
(
しゅうせい
)
とかなんとか云うのだろう。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
劈頭
(
へきとう
)
の「汝らのみまことに人なり、智慧は汝らと共に死なん」とある語を
初
(
はじめ
)
とし、以下すべてにこの冷笑的気分が
漲
(
みなぎ
)
っている。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
蓋
(
けだ
)
しこの亡邸の一挙たる、彼が
身世
(
しんせい
)
齟齬
(
そご
)
の第一着にして、彼れ
自
(
みずか
)
らその猛気を用いたる
劈頭
(
へきとう
)
に加えたり。彼れ何故にかくの如き事を為せしか。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼は門脇の寄進札の
劈頭
(
へきとう
)
に、あだかもこの寺門の保護者のやうに掲げ出されてある自分の名を、出来るだけ見まいとした。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
まず
劈頭
(
へきとう
)
にズウフラの説明をしなければならない。江戸時代に遠方の人を呼ぶ機械があって、俗にズウフラという。
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思っていたが、実に思いがけなく今明治四十四年の
劈頭
(
へきとう
)
において、我々は早くもここに十二名の謀叛人を殺すこととなった。ただ一週間前の事である。
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
こんなでたらめな状態が自分の理想した幕府の
劈頭
(
へきとう
)
にやって来たかとおもうと、尊氏は
慚愧
(
ざんき
)
と怒りに燃やされた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
Everyman's Libray の Poe's Tales of Mystery and Imagination の編者の序文の
劈頭
(
へきとう
)
に
ブリユンチエールの言葉について
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
それはスペンサーの進化哲学を見ても、
劈頭
(
へきとう
)
第一に不可知的を説いているということを考えて、スペンサーでさえもけっして徹底的な唯物主義者ではない。
明治哲学界の回顧:04 結論――自分の立場
(新字新仮名)
/
井上哲次郎
(著)
劈頭
(
へきとう
)
第一に掲げなければならぬのは、能楽喜多流の『舞い方及び作法の概要』と名づくる心得書の中に示されてある「鼻の表現」に関する一
齣
(
せつ
)
であります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これ
尚書
(
しょうしょ
)
斉泰
(
せいたい
)
の
疎間
(
そかん
)
するなりと
謂
(
い
)
いぬ。建文帝は位に
即
(
つ
)
きて
劈頭
(
へきとう
)
第一に諸王をして悦ばざらしめぬ。諸王は帝の
叔父
(
しゅくふ
)
なり、尊族なり、
封土
(
ほうど
)
を有し、兵馬民財を有せる也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは大奮発だ。
劈頭
(
へきとう
)
第一にお登和さんのお料理を御両親へ差上げるのは至極好かろう。後にお登和さんを説明する上において
大
(
おおい
)
に力ありだ。ちょうど幸いな事がある。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「矢張り伝記でございますから、
劈頭
(
へきとう
)
に御誕生が出ないと、
何
(
ど
)
うも具合が悪いと存じまして」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
劈頭
(
へきとう
)
に自然主義が小説をかえって一定の型に
嵌
(
は
)
め込む迷妄を破してあるのは表向きの議論であるに過ぎない。それをまた鴎外の文壇復帰の弁だとのみ思うのも皮相の見であろう。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
しかも、夫押鐘博士との精神生活が、彼女に
諦観
(
ていかん
)
的な深さを加えたことも勿論であろう。しかし、法水はこの典雅な婦人に対して、
劈頭
(
へきとう
)
から
些
(
いささ
)
かも仮借せず、峻烈な態度に出た。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
また、
劈頭
(
へきとう
)
の手紙の全文から立ちのぼる女の「なま」な憎悪感に就いては、原作者の芸術的手腕に感服させるよりは、直接に現実の
生
(
なま
)
ぐさい迫力を感じさせるように出来ています。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
芭蕉自らこの句を以て自家の新調に属する
劈頭
(
へきとう
)
第一の作となし、従ふてこの句を以て俳句変遷の第一期を
劃
(
かく
)
する境界線となしたるがために、
後人
(
こうじん
)
相和してまたこれを口にしたりと見ゆ。
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
パデレフスキーは祖国ポーランド新興
劈頭
(
へきとう
)
の大統領になったのに対して、負け戦のオーストリーのために働いたクライスラーは、物質的にはなんの酬いられるところもなかったのである。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
劈頭
(
へきとう
)
彼は強姦の事実を否定して、犯した事は犯したが暴力は用いないと云った。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「——何故に、かくの如き手段をとるに至りたるかについては、余はその説明に、非常なる困難を覚ゆるものにして、まず
劈頭
(
へきとう
)
において、わが日本国が、
海面沈下
(
かいめんちんか
)
したることを告ぐるなり」
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この例にもれず、
劈頭
(
へきとう
)
の応答から、ハランを起してしまったのである。
復員殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
将
(
はたま
)
た延期すべきやは第一帝国議会の
劈頭
(
へきとう
)
第一の大問題となった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
劈頭
(
へきとう
)
の犠牲者
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
主人が水彩画を夢に見た翌日例の金縁
眼鏡
(
めがね
)
の美学者が久し振りで主人を訪問した。彼は座につくと
劈頭
(
へきとう
)
第一に「
画
(
え
)
はどうかね」と口を切った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
火把
(
たいまつ
)
を握れば、火遂にその手に及ぶ、然り、思いの外
殺急
(
さっきゅう
)
に及び来れり。
伯夷
(
はくい
)
伝を読んで感激したる
徳川光圀
(
とくがわみつくに
)
の如きは、
劈頭
(
へきとう
)
の予言者にあらずや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
日本内地に散在するJ・I・C団員の本名と国籍とを一々取調べさせております
中
(
うち
)
に、
劈頭
(
へきとう
)
第一に内報を受けましたのは小生妻ノブ子の名前でありました。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
勝家の全身にはすぐ威厳を
交
(
ま
)
ぜた反感が硬直し出した。
劈頭
(
へきとう
)
早くも甚だおもしろからぬ顔つきが露骨だった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかして旧約聖書はその教訓部の
劈頭
(
へきとう
)
に異邦人の心的経験を記載して、以てその人類的経典たることを自証しているのである。げに聖書ほど人類的の書はない。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
と
劈頭
(
へきとう
)
第一に尋ねた。先生は私の
煩悶
(
はんもん
)
を
能
(
よ
)
く知っている。それで私も足が向くのだった。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「安井では仲平におよめを取ることになりました」
劈頭
(
へきとう
)
に御新造は主題を
道破
(
どうは
)
した。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自分
(
じぶん
)
は
先
(
ま
)
づ
劈頭
(
へきとう
)
第
(
だい
)
一に『
喋舌
(
しやべ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ない
者
(
もの
)
は
大馬鹿
(
おほばか
)
である』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と、星崎さんは
劈頭
(
へきとう
)
にまず断った。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところでだ……まず
劈頭
(
へきとう
)
第一に一つの難解を極めた謎々をタタキ付けて、読者のアタマをガアンと一つ面喰らわせてしまうのが、探偵小説の紋切型だろう。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
心のうちで
劈頭
(
へきとう
)
に「まさか」と叫んだ彼は、次の瞬間に「ことによると」と云い直さなければならなくなった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
劈頭
(
へきとう
)
第一に一発食ったんですから、撃沈されないまでも、これは形勢に関係します」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と
劈頭
(
へきとう
)
に、議長格の柴田勝家から、主君を
悼
(
いた
)
むの辞やら、
爾後
(
じご
)
の報告などがあって後
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かくしてヨブは神に四十二章の
劈頭
(
へきとう
)
に記さるる大告白を発するに至ったのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
W氏が事件後も
尚
(
なお
)
、この点に関する疑念を捨てず、前掲の如き貴重なる談話を記録せる、その用意の周到なるに、
劈頭
(
へきとう
)
の敬意を表せざるを得ざるものなり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いつもなら何をおいても小さな
髷
(
まげ
)
に
結
(
い
)
った母が一番先へ出て来て、義理ずぐめにちやほやしてくれるところを、今日に限って、
劈頭
(
へきとう
)
にお秀が顔を出したばかりか
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
きょうの清洲会議の
胆煎人
(
きもいりにん
)
として、また議長として、いちばん
威儀儼然
(
いぎげんぜん
)
として、先ほどから
劈頭
(
へきとう
)
第一の口をきろうとしているのに、人々のひとみが
徒
(
いたず
)
らに散っているため、その唇が
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
衣笠さんは念の為めに問い合せたが、
素
(
もと
)
よりその積りだったから、
劈頭
(
へきとう
)
第一に
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
検事の役目を承わった動的表現界の代表者、
犢
(
こうし
)
の神は鼻息荒く立ち上って、
劈頭
(
へきとう
)
左の如く論じ出しました。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「先生泥棒に逢いなさったそうですな。なんちゅ
愚
(
ぐ
)
な事です」と
劈頭
(
へきとう
)
一番にやり込める。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
劈頭
(
へきとう
)
第一に書いているから、これは何を
措
(
お
)
いても実行するぜ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“劈頭”の意味
《動詞》
劈頭(へきとう)
物事の最初。「擘」は「引き裂く」の意。
(出典:Wiktionary)
劈
漢検1級
部首:⼑
15画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“劈”で始まる語句
劈
劈開
劈痕
劈裂
劈襀
劈雲
劈痕焼
劈開片