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僧都
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そうず
ふりがな文庫
“
僧都
(
そうず
)” の例文
僧都
(
そうず
)
はこうした報告を受けて、不思議に思いながらもうれしかった。尼君の法事の北山の寺であった時も源氏は厚く
布施
(
ふせ
)
を贈った。
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
役
(
えん
)
の
優婆塞
(
うばそく
)
の流れを汲む
豊前
(
ぶぜん
)
の
僧都
(
そうず
)
と自分から名乗って、あの辺では、信者も多く、
偉
(
えろ
)
う権式ぶっている
修験者
(
しゅげんじゃ
)
だそうでござります
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『宇治拾遺』に永超
僧都
(
そうず
)
は魚なければ食事せず、在京久しき間魚食わず、弱って南都に下る途上、その弟子魚を乞い得て
薦
(
すす
)
めた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
寂照は寂心恵心の間に挟まり、其他の
碩徳
(
せきとく
)
にも参学して、学徳日に進んで衆僧に仰がれ依らるるに至り、
幾干歳
(
いくばくさい
)
も経ないで
僧都
(
そうず
)
になった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
硫黄
(
いおう
)
が島の
僧都
(
そうず
)
一人、
縋
(
すが
)
る
纜
(
ともづな
)
切れまして、胸も苦しゅうなりましたに、
貴女
(
あなた
)
、その時、フトお思いつきなされまして、いやとよ、一段の事とて、のう。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「都では
僧都
(
そうず
)
の
御房
(
ごぼう
)
一人、そう云う神詣でもなさらないために、御残されになったと申して居ります。」
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
叡山
(
えいざん
)
の
西塔
(
さいとう
)
に実因
僧都
(
そうず
)
という人がいたが、この人が無類の大力であった。ある日、宮中の
御加持
(
ごかじ
)
に行って、
夜更
(
よふ
)
けて退出すると、何かの手違いで、供の者が一人もいない。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
国守の恩人曇猛律師は
僧都
(
そうず
)
にせられ、国守の姉をいたわった小萩は故郷へ
還
(
かえ
)
された。安寿が亡きあとはねんごろに
弔
(
とむら
)
われ、また入水した沼の
畔
(
ほとり
)
には尼寺が立つことになった。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
有王 わしは
都
(
みやこ
)
から来た者だが、(俊寛、都と聞いて驚いて有王を見る)この島に
法勝寺
(
ほっしょうじ
)
の
執行
(
しゅぎょう
)
俊寛
僧都
(
そうず
)
と申す方が十年前よりお渡りになっているはずだが、もしやご存じあるまいか。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
近江
(
おうみの
)
中将入道
蓮浄
(
れんじょう
)
俗名
成正
(
なりまさ
)
、
法勝寺執行
(
ほっしょうじのしゅぎょう
)
俊寛
僧都
(
そうず
)
、
山城守基兼
(
やましろのかみもとかね
)
、
式部大輔雅綱
(
しきぶのたいふまさつな
)
、平判官康頼、
宗判官信房
(
そうはんがんのぶふさ
)
、
新平判官資行
(
しんへいはんがんすけゆき
)
、
摂津国
(
せっつのくに
)
源氏
多田蔵人行綱
(
ただのくらんどゆきつな
)
といった連中で、他に北面の武士が多かった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
小舟にて
僧都
(
そうず
)
送るや春の水 蕪村
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
夫人のこの状態がまた苦労で、少納言は北山の
僧都
(
そうず
)
に
祈祷
(
きとう
)
のことを頼んだ。北山では哀れな肉親の夫人のためと、源氏のために
修法
(
しゅほう
)
をした。
源氏物語:12 須磨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
鰐淵寺
(
わにぶちでら
)
の
僧都
(
そうず
)
、心ある島武士。またかねてから宮方の成田、名和。そのほか、眼にみえぬあまたな味方が、いまぞと、ここをうながしておる」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金襴
(
きんらん
)
の
袈裟
(
けさ
)
、水晶の
念珠
(
ねんず
)
、それから白い双の眉毛——一目見ただけでも、
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に
功徳無量
(
くどくむりょう
)
の名を轟かせた、
横川
(
よかわ
)
の
僧都
(
そうず
)
だと申す事は疑おうようもございません。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
崖づくりを急流で落ちます、
大巌
(
おおいわ
)
の向うの
置石
(
おきいし
)
に、竹の
樋
(
とい
)
を
操
(
あやつ
)
って、
添水
(
そうず
)
——
僧都
(
そうず
)
を一つ掛けました。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多武峰
(
とうのみね
)
の増賀上人、
横川
(
よかわ
)
の
源信
(
げんしん
)
僧都
(
そうず
)
、皆いずれも当時の高僧で、しかも保胤には
有縁
(
うえん
)
の人であったし、其他にも然るべき人で得度させて呉れる者は沢山有ったろうが
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
俊寛は、狂気のように、その教書を基康の手から奪い取って、血走る目を注いだけれども、そこには俊寛とも
僧都
(
そうず
)
とも書いてはなかった。俊寛は、激昂のあまり、最初は使者を
罵
(
ののし
)
った。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「——では
僧都
(
そうず
)
の
庵
(
いおり
)
にあつまると申しても、歌、猿楽などいたして、半日を、風雅に遊ぼうというわけでもないですな」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薫
(
かおる
)
は山の
延暦寺
(
えんりゃくじ
)
に着いて、常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ。
横川
(
よかわ
)
の寺へは翌日行ったのであるが、
僧都
(
そうず
)
は大将の親しい
来駕
(
らいが
)
を喜んで迎えた。
源氏物語:56 夢の浮橋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
所詮は
長尾
(
ながお
)
の
僧都
(
そうず
)
は申すまでもなく、その日御見えになっていらしった山の
座主
(
ざす
)
や
仁和寺
(
にんなじ
)
の
僧正
(
そうじょう
)
も、
現人神
(
あらひとがみ
)
のような摩利信乃法師に、
胆
(
きも
)
を御
挫
(
くじ
)
かれになったのでございましょう。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
瓜
(
うり
)
は作らぬが近まわりに番小屋も見えず、稲が無ければ山田
守
(
も
)
る
僧都
(
そうず
)
もおわさぬ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも
上
(
かみ
)
は宮廷より
下
(
しも
)
は庶民までが
尊崇
(
そんそう
)
している恵心院
僧都
(
そうず
)
の弟子であり、又僧都の使命を帯びているということもあり、彼の人柄も優にやさしかった大内記の
聖
(
ひじり
)
寂心の弟子であるということもあり
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「俊寛
僧都
(
そうず
)
どのには、ましまさずや」
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それで源氏の君も多忙であった。北山の寺へも久しく見舞わなかったことを思って、ある日わざわざ使いを立てた。山からは
僧都
(
そうず
)
の返事だけが来た。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その瓊子もよそながら、以後は
鰐淵寺
(
わにぶちでら
)
の
僧都
(
そうず
)
の
庇護
(
ひご
)
の下にあるのであろう。そこで僧都頼源のたよりに託してこれをとどけてよこしたものにちがいない。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
僧都
(
そうず
)
の
御房
(
ごぼう
)
! よく御無事でいらっしゃいました。わたしです!
有王
(
ありおう
)
です!」
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
森厳藍碧
(
しんげんらんぺき
)
なる
琅玕殿裡
(
ろうかんでんり
)
。
黒影
(
こくえい
)
あり。——沖の
僧都
(
そうず
)
。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
北山の
僧都
(
そうず
)
がなくなっておしまいになったことは惜しいことだ。
親戚
(
しんせき
)
とせずに言ってもりっぱな宗教家でしたがね
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「たいへんです。いよいよ
物険
(
ものけわ
)
しく見えまする。護正院ノ
僧都
(
そうず
)
猷全
(
ゆうぜん
)
そのほか、一ノ木戸の者どもこぞッて、六波羅方へ降参に出たとやら沙汰しております」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとその印を結んだ手の
中
(
うち
)
から、
俄
(
にわか
)
に一道の
白気
(
はっき
)
が
立上
(
たちのぼ
)
って、それが隠々と
中空
(
なかぞら
)
へたなびいたと思いますと、丁度
僧都
(
そうず
)
の
頭
(
かしら
)
の真上に、
宝蓋
(
ほうがい
)
をかざしたような一団の
靄
(
もや
)
がたなびきました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僧都
(
そうず
)
には、あらかじめ、
叡山
(
えいざん
)
から書状を出しておいたことだし、
慈円
(
じえん
)
僧正からも口添えがあったことなので
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧都
(
そうず
)
も道理であるとうなずき、尊い心がけであることをほめなどするうちに日も暮れたため、中宿りに小野へ寄ることはふさわしい道順であると薫は思ったが
源氏物語:56 夢の浮橋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
僧都
(
そうず
)
の
御房
(
ごぼう
)
も
宗人
(
むねと
)
の一人に、おなりになったとか云う事ですが、——」
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
きつい気のする有名な
僧都
(
そうず
)
とか、僧正とかいうような人は、また一方では多忙でもあるがために、
無愛想
(
ぶあいそう
)
なふうを見せて、質問したいことも
躊躇
(
ちゅうちょ
)
されるものであるし
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
さきの使僧から託された——頼源
僧都
(
そうず
)
から帝のお手許へ——なる
油紙
(
ゆし
)
包みの
紙
(
こ
)
ヨリを無造作に解いてみたのだ。そんな行為を自身いやしむような
怯
(
ひる
)
みなどはどこにもない。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宮は
僧都
(
そうず
)
の所へも捜しにおやりになったが、姫君の行くえについては何も得る所がなかった。美しかった小女王の顔をお思い出しになって宮は悲しんでおいでになった。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
さらに、南岸坊の
僧都
(
そうず
)
、道場坊の
宥覚
(
ゆうかく
)
なども、千余の僧兵をひきいて
行宮
(
あんぐう
)
をかためにかかった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
息子
(
むすこ
)
の
僧都
(
そうず
)
から、聞き苦しい、念仏よりほかのことをあなたはしないようになさいと
叱
(
しか
)
られましてね。それじゃあ弾かせてもらわないでもいいと思って弾かないのですよ。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
女房たちもそうした色のものを縫い、それを着せる時には、思いがけぬ山里の光明とながめてきた人を悲しい尼の服で包むことになったと惜しがり、
僧都
(
そうず
)
を恨みもし、
譏
(
そし
)
りもした。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と
僧都
(
そうず
)
は言い、その強がりの僧に抱かせて家の中へ運ばせるのを、弟子たちの中に
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
もし生きておりましたならば今申しました母にだけは逢いとうございます。
僧都
(
そうず
)
様が手紙にお書きになりました人などには断然私はいないことにしてしまいたいと思うのでございます。
源氏物語:56 夢の浮橋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「これが、某
僧都
(
そうず
)
がもう二年ほど引きこもっておられる坊でございます」
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
大きな御祈願がこの人の手で多く行なわれたこともある
僧都
(
そうず
)
があった。
源氏物語:19 薄雲
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
いろいろ
祈祷
(
きとう
)
などをさせていても
効験
(
しるし
)
の見えない気がする。それでも祈祷はもう少し延ばすほうがいいね。効験をよく見せる僧がほしいものだ、何々
僧都
(
そうず
)
を
夜居
(
よい
)
にしてあなたにつけておくのだった
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
中宮は堅い御決心を兄宮へお告げになって、
叡山
(
えいざん
)
の
座主
(
ざす
)
をお招きになって、授戒のことを仰せられた。
伯父
(
おじ
)
君にあたる
横川
(
よかわ
)
の
僧都
(
そうず
)
が帳中に参ってお
髪
(
ぐし
)
をお切りする時に人々の
啼泣
(
ていきゅう
)
の声が宮をうずめた。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
僧
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
都
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“僧”で始まる語句
僧侶
僧形
僧
僧正
僧衣
僧院
僧伽
僧綱
僧官
僧伽梨