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一揆
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いっき
ふりがな文庫
“
一揆
(
いっき
)” の例文
佐久間騒動などという
一揆
(
いっき
)
をひき起したりした象山という学者は、あの人だったかなどと、彼女はそんなことを考えたりしていた。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうしても農兵は戻してもらいたい、そのことはお役人も承知して帰りました。それからわずか三日目があの百姓
一揆
(
いっき
)
の騒ぎです。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
穏かでないのは、これが城下の人ではなく、
蓑笠
(
みのかさ
)
をつけ
得物
(
えもの
)
を取った、百姓
一揆
(
いっき
)
とも見れば見られぬこともない人々であります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「何も急いだり、
焦
(
あせ
)
ったりすることはいらないから、仕事なり恋なり、無駄をせず、
一揆
(
いっき
)
で心残りないものを射止めて欲しい」
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
やがて江戸に女
一揆
(
いっき
)
の起きるやも計られない大問題でしたから、右門はあわてて手を振ると、にが笑いしいしいいいました。
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
氏郷軍は民家を焼払って進んだところ、本街道筋にも
一揆
(
いっき
)
の
籠
(
こも
)
った敵城があった。それは
四竈
(
しかま
)
、
中新田
(
なかにいだ
)
など云うのであった。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
『いや一向同情は出来ない。
廃刀令
(
はいとうれい
)
が出たからと云って、
一揆
(
いっき
)
を起すような連中は、自滅する方が当然だと思っている。』
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
後に述べるような政治手段とりわけ暴動、
一揆
(
いっき
)
、集団示威、宣伝などは、多くは右にみるような群集心理の利用である。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
一揆
(
いっき
)
の内部のことには知識がなく、外部の日本人は特に
切支丹
(
キリシタン
)
宗門の内情に不案内であるし、外国人も間接的な
風聞
(
ふうぶん
)
を書きとめている程度にすぎない。
安吾史譚:01 天草四郎
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それぞれに、
樒
(
しきみ
)
、線香を手向けたのがあって、十三塚と云う……
一揆
(
いっき
)
の頭目でもなし、戦死をした勇士でもない。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幕府時代の百姓
一揆
(
いっき
)
は、政府をくつがえすというような、人権主義的な考え方のものではなかつた。それほどの実力もなかつた。また、そのような事実もない。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
老臣中の筆頭である筑摩
将監
(
しょうげん
)
春久に一萬数千の大兵を授けて、浅沼、
栗生
(
くりう
)
、
椎原
(
しいばら
)
の三郡に群がる
一揆
(
いっき
)
共を蹴散らしつゝ、三方から彼等の根拠地を攻めにかゝった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
各
(
おのおの
)
粗末なしかも丈夫そうな洋服を着て、
草鞋
(
わらじ
)
脚絆
(
きゃはん
)
で、鉄砲を
各手
(
てんで
)
に持って、いろんな帽子をかぶって——どうしても山賊か
一揆
(
いっき
)
の夜討ちぐらいにしか見えなかった。
鹿狩り
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
一揆
(
いっき
)
が相継いで起り、マターファは自分の知らぬ間に、自然推戴の形で、叛軍の首領になっていた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
彼は彼の
倶楽部
(
クラブ
)
で時事を談じた。やむなくんばただ
一揆
(
いっき
)
あるのみと叫んだ。そうして
囚
(
とら
)
われた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
江戸に米
一揆
(
いっき
)
が起き、奥州米を
運漕
(
うんそう
)
してお救い米を出す騒ぎになったが、政岑は、これも家督して間もない
尾州
(
びしゅう
)
名古屋の城主、
従三位権中納言
(
じゅさんみごんちゅうなごん
)
宗春と連れだって吉原へ出かけ
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
農民
一揆
(
いっき
)
に対して残忍な弾圧を下した副知事を、マリアは単身、駅で待ち伏せて
狙撃
(
そげき
)
した。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
政府も
一揆
(
いっき
)
も共にそれを了解し、一介の市民までもそれを感じていた。それゆえ、すべてが決せんとするその一郭の見通すべからざる暗黒のうちには、心痛の念が漂っていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
農民や町人に
贔屓
(
ひいき
)
していることである。私は昔から士族というものが嫌いである。私の祖先は南部藩の百姓
一揆
(
いっき
)
に加わっているが、その血がやはり私にも流れているせいだろうか。
平次と生きた二十七年
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
世間が騒々しくなり、貧しい人達が、
一揆
(
いっき
)
さわぎを起さぬとも限らぬ——広海屋、そちは、幸い、上方に持米多きよし、思い切って御奉公せよ——とのお言葉——わしも、辛いが
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
すると
人民
(
じんみん
)
が
王
(
おう
)
をうらんで、ある
時
(
とき
)
一揆
(
いっき
)
を
起
(
お
)
こして
王
(
おう
)
を
攻
(
せ
)
め
殺
(
ころ
)
しました。そしてわたしを
見
(
み
)
つけて、
生
(
い
)
け
捕
(
ど
)
りにしようとさわぎました。わたしはとうに
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
して、山の中にかくれました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
島原
一揆
(
いっき
)
のとき賊将
天草
(
あまくさ
)
四郎
時貞
(
ときさだ
)
を討ち取って大功を立てた忠利の身の上を気づかい、三月二十日には
松平伊豆守
(
まつだいらいずのかみ
)
、
阿部豊後守
(
あべぶんごのかみ
)
、
阿部対馬守
(
あべつしまのかみ
)
の連名の
沙汰書
(
さたしょ
)
を作らせ、針医
以策
(
いさく
)
というものを
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
富山県の片田舎に住む漁民の妻女たちが数百人大挙して米
一揆
(
いっき
)
を起したのが、偶然とはいえ、この度の騒動の口火となったということは、このたびの騒動の主因を最も好く説明しております。
食糧騒動について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
六左衛門はその責を問われたのであるが、当代の播磨守がしらべたところによると、そのときもし米で払わなかったら、百姓たちは
一揆
(
いっき
)
も起こしかねない事情にあった、ということがわかった。
古今集巻之五
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
はなはだしきは徒党を結び
強訴
(
ごうそ
)
・
一揆
(
いっき
)
などとて乱暴に及ぶことあり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
もっと分りよく云やあ、
磔刑
(
はりつけ
)
や縛り首になっちゃ
堪
(
たま
)
らねえから、涙をのんで、食えねえ中を、
一揆
(
いっき
)
も起こさずにやって来たんだ
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何も急いだり、
焦
(
あせ
)
ったりすることはいらないから、仕事なり恋なり、無駄をせず、
一揆
(
いっき
)
で心残りないものを射止めて欲しい」
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
託したわけなんだが、もしやあの百姓
一揆
(
いっき
)
の渦の中に捲き込まれるようなことになりはしないか、それを心配したものだから
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
諸国には当時の厳禁なる百姓
一揆
(
いっき
)
も起こりつつあった。しかし半蔵は、村の長老たちが考えるようにそれを単なる農民の
謀反
(
むほん
)
とは見なせなかった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今起った
一揆
(
いっき
)
は少しでも早く対治して
終
(
しま
)
って其の根を張り枝を茂らせぬ間に
芟除
(
かりのぞ
)
き抜棄てるのを
機宜
(
きぎ
)
の処置とする。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大衆は余程の
刺戟
(
しげき
)
か危険でもない限り
起
(
た
)
ち上がることはないが、かりに起ち上がって暴動なり
一揆
(
いっき
)
なりの行動を起す場合でも、その背後には必ず指導者がいる。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
斯くて前記永禄二年
己未
(
つちのとひつじ
)
の正月、織部正の命を受けて
志太遠江守
(
しだとおとうみのかみ
)
の軍勢は浅沼郡へ進発したが、檜垣の門徒等は在々所々の土民百姓共を
使嗾
(
しそう
)
して至る所に
一揆
(
いっき
)
を起させ
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私は、南部領の百姓の子で、三代前の祖先は、百姓
一揆
(
いっき
)
に加わっているはずである。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いわゆる百姓
一揆
(
いっき
)
は、維新前にもあった。しかしながら、維新後のほうが、はるかに激しいものであり、またその度数も多かったことは、すでに歴史家によって明らかにされている。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
ふたをあけてみると、さすがは切支丹伴天連の一味だけあって、実にその犯行は巧みな計画にもとづき、あくまでも宗門
一揆
(
いっき
)
の再挙を計るために、まずかれらは軍資金の調達に勤めました。
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
羽織、袴、白襟、紋着、迎いの人数がずらりと並ぶ、礼服を着た
一揆
(
いっき
)
を思え。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家康が武田の旧臣を身方に招き寄せている最中に、
小田原
(
おだわら
)
の
北条新九郎氏直
(
ほうじょうしんうろううじなお
)
が
甲斐
(
かい
)
の
一揆
(
いっき
)
をかたらって攻めて来た。家康は
古府
(
こふ
)
まで出張って、八千足らずの
勢
(
せい
)
をもって
北条
(
ほうじょう
)
の五万の兵と
対陣
(
たいじん
)
した。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
マターファがヤルートへ流された後も、土民の
一揆
(
いっき
)
は絶えなかった。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
遠い闇に、
一揆
(
いっき
)
の火は、
旺
(
さか
)
んに空を赤くしていた。それは、単なる土民の一揆でないことを、信長は、諸将に説き明かして
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神尾の祖先のうちの一人が、自分の放蕩費の尻を知行所の百姓に拭わせようとしたために、百姓
一揆
(
いっき
)
を起されて、家を危うくしたことがある。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とうとう、新しい時代の来るのを待ち切れないような第一の
烽火
(
のろし
)
が大和地方に揚がった。これは千余人から成る
天誅組
(
てんちゅうぐみ
)
の
一揆
(
いっき
)
という形であらわれて来た。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
然様
(
そう
)
なれば
然無
(
さな
)
きだに他国者の
天降
(
あまくだ
)
り武士を憎んで居る地侍の怒り出すのも亦有り内の情状であるから、そこで
一揆
(
いっき
)
も起るべき可能性が多かったのである。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
脅迫
(
きょうはく
)
、
威嚇
(
いかく
)
、暗殺、
一揆
(
いっき
)
、暴動、クーデターなどから、
総罷業
(
そうひぎょう
)
、サボタージュ、集団示威に至るまで、いろいろの手段があり、これらが極限までゆくと、内乱、革命、戦争ということになる。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
一揆
(
いっき
)
が事を起す前に七人の同志と江戸に潜行し将軍御膝元で事を挙げるつもりでしたが、島原の乱も案外早く平定し、徳川の
礎
(
いしずえ
)
はいよいよ
鞏固
(
きょうこ
)
で、
痩
(
やせ
)
浪人の策動ではどうにもならないと解ると
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたくし
)
どもとても、堅く申せば思想界は
大維新
(
だいいしん
)
の
際
(
さい
)
で、中には神を見た、まのあたり
仏
(
ぶつ
)
に接した、あるいは
自
(
みず
)
から救世主であるなどと言う、当時の熊本の
神風連
(
じんぷうれん
)
の如き、
一揆
(
いっき
)
の起りましたような事も
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
狩りたててきて、娘
一揆
(
いっき
)
を起こさせますぜ
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
紀州の
畠山貞政
(
はたけやまさだまさ
)
が、
根来
(
ねごろ
)
、
雑賀
(
さいが
)
党などの
一揆
(
いっき
)
をかたらい、海陸から大坂へ迫ろうとしている。勢い猛烈、油断ならずとある。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何のことじゃありません、昨晩もちょっとお話ししたじゃありませんか、湖岸一帯のあの
一揆
(
いっき
)
暴動のおそれなんですよ」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「しかし、この平穏はどうだ。つい十日ばかり前に、百姓
一揆
(
いっき
)
のあったあととは思われないじゃないか。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一揆
(
いっき
)
がはじまりゃあ
占
(
し
)
めたもんだ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“一揆”の解説
一揆(いっき)とは、日本において、一つの目的のために成立した集団の組織またはその行動を意味した概念。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
揆
漢検1級
部首:⼿
12画
“一揆”で始まる語句
一揆方