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雄鶏
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おんどり
ふりがな文庫
“
雄鶏
(
おんどり
)” の例文
旧字:
雄鷄
そんな時には彼女は自分の身を、鶏小屋に
雄鶏
(
おんどり
)
がいないとやはり夜っぴて眠らずに心配しつづける
雌鶏
(
めんどり
)
にひきくらべてみるのだった。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それは法則の通り
昨日
(
きのう
)
拵
(
こしら
)
えておいたスープの中へ二、三百目位な
雄鶏
(
おんどり
)
を丸のまま入れて塩をホンの少し加えて一時間ばかり
湯煮
(
ゆで
)
る。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その側には、トサカの美しい、白い
雄鶏
(
おんどり
)
が一羽と、灰色な
雌鶏
(
めんどり
)
が三羽ばかりあそんでいたが、やがてこれも裏の林の中へ隠れて
了
(
しま
)
った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのあざは、彼のからだが或る方向になったときにかぎり、
雄鶏
(
おんどり
)
のシルエットに見えた。僕は彼のことを、これからオンドリと呼ぼう。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金持
(
かねも
)
ちは、かごの
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
っている
鶏
(
にわとり
)
を
見
(
み
)
ました。それは、
背
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
い、ごま
色
(
いろ
)
の二
羽
(
わ
)
の
雌鶏
(
めんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のあまり
品
(
ひん
)
のよくない
雄鶏
(
おんどり
)
でありました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
十年前に、闇夜と労苦とのなかでオリヴィエは——このゴールの
憐
(
あわ
)
れな小さな
雄鶏
(
おんどり
)
は——その弱々しい歌で、遠い夜明けを告げたのだった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
毎朝、泊り木から飛び降りると、
雄鶏
(
おんどり
)
は「もう一つの」がやっぱりあそこにいるかどうかを見た——「もう一つの」はやっぱりそこにいる。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
まず、
雄鶏
(
おんどり
)
の方から初めました(木彫りの順序は鑿打ちで形を拵え、鑿と小刀で荒彫り、それから小作り、仕上げとなる)。
幕末維新懐古談:58 矮鶏の製作に取り掛かったこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
けれども近頃ではそんな姿を一度も甲野に見せないようになった。それは彼が羽根を抜いた
雄鶏
(
おんどり
)
に近い彼の体を
羞
(
は
)
じている為に違いなかった。
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ええ、牝鶏があしたなら構いませんが、こうやって
頭
(
つむり
)
を集めているのは、柳屋の
雄鶏
(
おんどり
)
が
宵啼
(
よいなき
)
をするからでございますぜ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雌鶏
(
めんどり
)
のことばに、
雄鶏
(
おんどり
)
も羽ばたきした。——
袁家
(
えんけ
)
から申しこんできた「共栄の福利を永久に
頒
(
わか
)
たん」との辞令が、真実のように思い出された。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同じようなわけで、後に教授が道化役になって
雄鶏
(
おんどり
)
の鳴き声をするのでも、映画のほうではちゃんとしたそれだけの因縁が明らかにされている。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
身形
(
みなり
)
が別に派手でも何でもないが、彼女を見付け出すのは鶏群中の
雄鶏
(
おんどり
)
を見出す程容易であった。彼女の手には
反物
(
たんもの
)
らしい紙包の買物が既に抱かれて居った。
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
ある男が羽をむしった
雄鶏
(
おんどり
)
を示してプラトンの「人間」だといったという話を聞いて、彼は膝がちがった方向にまがっているのが重要な相違だと思うといった。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
この語は coq から来ていて、一羽の
雄鶏
(
おんどり
)
が数羽の
牝鶏
(
めんどり
)
に取巻かれていることを条件として展開する光景に関するものである。すなわち「
媚態的
(
びたいてき
)
」を意味する。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
納屋の入口の前では、勇ましい
雄鶏
(
おんどり
)
が気取って歩き、あっぱれな亭主か、勇士か、紳士のようだった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
十羽ほどの鶏を籠に入れて、売りに来た者がありまして、
雌鶏
(
めんどり
)
と
雄鶏
(
おんどり
)
のひと
番
(
つが
)
いを買いましたが、雌鶏の方は夏の末に
斃
(
お
)
ちてしまいまして、
雄
(
おす
)
の方だけが残りました。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大きな
雄鶏
(
おんどり
)
である。総身の羽が赤褐色で、
頸
(
くび
)
に
柑子
(
こうじ
)
色の
領巻
(
くびまき
)
があって、黒い尾を長く垂れている。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大きなプリマウス種の
雄鶏
(
おんどり
)
が、鶏舎の外で死んで居た。羽毛が
其処
(
そこ
)
此処
(
ここ
)
にちらかって居る。昨夜鶏舎の戸をしめる時
誤
(
あやま
)
って雄鶏をしめ出したので、夜中
鼬
(
いたち
)
に
襲
(
おそ
)
われたのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見事なトサカを持ったレグホン種の真白い
雄鶏
(
おんどり
)
が、納屋から飛び出して、ときを作った。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
鴉
(
からす
)
と
狐
(
きつね
)
の
問答
(
もんどう
)
、
驢馬
(
ろば
)
と小犬の問答、
雄鶏
(
おんどり
)
と
雌鶏
(
めんどり
)
の問答などを
残
(
のこ
)
らず知っています。
動物
(
どうぶつ
)
も
昔
(
むかし
)
は口をきいたということを
人
(
ひと
)
から
聞
(
き
)
いても、ローズ・ブノワさんはちっとも
驚
(
おどろ
)
きません。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
雄鶏
(
おんどり
)
がときをつくる時のように、上を見上げて意気揚々としてダンスを踏みました。
オカアサン
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
林のかなたでは高く羽ばたきをして
雄鶏
(
おんどり
)
が時をつくる、それが米倉の壁や杉の森や林や藪に
籠
(
こも
)
って、ほがらかに聞こえる。堤の上にも
家鶏
(
にわとり
)
の群が幾組となく桜の陰などに遊んでいる。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
とは知りながらも、
雄鶏
(
おんどり
)
はときどき何か
癪
(
しゃく
)
にさわることがあると見えます。
夢がたり
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
昧暗
(
まいあん
)
から暁へ移った庭へ、
雄鶏
(
おんどり
)
が先へ飛び降りて、ククと
雌鶏
(
めんどり
)
を呼んだ。
父の俤
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
鶏の料理は
是非
(
ぜひ
)
とも鶏の割き方を覚えなければなりません。今あの料理人が三百目ほどの
雄鶏
(
おんどり
)
を
俎板
(
まないた
)
の上へ
仰向
(
あおむけ
)
に置きました。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
隼は
躊
(
ためら
)
うように、じっと同じ高さのところを飛んでいる。恐らく、彼は鐘楼の
雄鶏
(
おんどり
)
を
狙
(
ねら
)
っているだけなのかも知れない。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
餌
(
えさ
)
を拾う
雄鶏
(
おんどり
)
の役目と、
羽翅
(
はね
)
をひろげて
雛
(
ひな
)
を隠す
母鶏
(
ははどり
)
の役目とを兼ねなければならなかったような私であったから。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
斑
(
まだら
)
の
牝牛
(
めうし
)
が牧場の草を食べていて、そのゆるやかな鳴き声は、うつらうつらしてる田舎の静けさを満たしていた。鋭い声の
雄鶏
(
おんどり
)
が農家から農家へ答え合っていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして、
金網
(
かなあみ
)
を
張
(
は
)
ったかごの
中
(
なか
)
をのぞきますと、なるほど、
首
(
くび
)
の
長
(
なが
)
くて
赤
(
あか
)
い、
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、けづめの
鋭
(
するど
)
くとがった
雄鶏
(
おんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のそれよりやや
体
(
からだ
)
の
小
(
ちい
)
さい
雌鶏
(
めんどり
)
がいました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いまや、
雄鶏
(
おんどり
)
も、
雌鶏
(
めんどり
)
も、七面鳥、
鵞鳥
(
がちょう
)
、
家鴨
(
あひる
)
に加えて、牛や羊とともどもに、みな死なねばならぬ。十二日間は、大ぜいの人が少しばかりの食物ではすまさないのだ。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
井戸のそばの
空地
(
あきち
)
には、五、六羽の
鶏
(
とり
)
が午後の日を浴びながら遊んでいたが、その
雄鶏
(
おんどり
)
の一羽はどうしたのか俄かに全身の毛をさか立てて、店口の土間へ飛び込んで来たかと見る間もなく
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それはちょうど
雄鶏
(
おんどり
)
の
頸
(
くび
)
の羽根を
逆立
(
さかだ
)
てるのに似たものだった。
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
先ず若い
雄鶏
(
おんどり
)
の二百五十目位なものを買ってその肉を
肉挽器械
(
にくひききかい
)
で挽けば上等ですし、器械がなければ細かく叩いてその中へ大きな玉葱を一つ位
山葵卸
(
わさびおろ
)
しで
擦
(
す
)
り卸して
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
あるものは、頭の中に鉛の
弾丸
(
たま
)
を撃ち込まれる。ほかのものから離れる。狂おしく、空のほうに舞い上る。樹よりも高く、鐘楼の
雄鶏
(
おんどり
)
よりも高く、太陽を目がけて舞い上るのである。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
雄鶏
(
おんどり
)
の
鬨
(
とき
)
の声が、深く寝しずまった村に、ときおり聞えて、「羽のはえた奥方たちに夜半をしらせる」のだが、ひとびとは聖なる祭日の近づいたことを告げているのだと思うのである。
クリスマス
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
雄鶏
(
おんどり
)
と
牝鶏
(
めんどり
)
と遊ぶところへ、
釣針
(
つりばり
)
で
餌
(
え
)
をくれ、鳥の
咽喉
(
のど
)
に引掛けて釣取るという。犬を盗むものもある。それは黒砂糖で
他
(
よそ
)
の家の犬を呼び出し、殺して煮て食い、皮は張付けて敷物に造るとか。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
或るものは、頭の中に鉛の
弾丸
(
たま
)
を撃ち込まれる。ほかのものから離れる。狂おしく、空の方に舞い上がる。樹よりも高く、鐘楼の
雄鶏
(
おんどり
)
よりも高く、太陽を目がけて舞い上がるのである。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
それから鳥のシタフェというのは若い
雄鶏
(
おんどり
)
のお
腹
(
なか
)
の中をくり抜いて蒸した栗をバターと塩とお砂糖とで
和
(
あ
)
えてその中へよく詰め込んで鶏の皮の切口を木綿糸で縫ってテンパン皿へ入れる。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
雛鳥
(
ひなどり
)
のために
餌
(
えさ
)
を探す
雄鶏
(
おんどり
)
であるばかりでなく、同時にまたあらゆる危害から幼いものを護ろうとして
一寸
(
ちょっと
)
した物音にも
羽翅
(
はがい
)
をひろげようとする母鶏の役目までも一身に引受けねばならなかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その棒には、おまけに、節くれや、苔や、古い
雄鶏
(
おんどり
)
のように
蹴爪
(
けづめ
)
までついていた。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
雄鶏
(
おんどり
)
Coqs
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
“雄鶏”の意味
《名詞》
雄の鶏。
(出典:Wiktionary)
雄
常用漢字
中学
部首:⾫
12画
鶏
常用漢字
中学
部首:⿃
19画
“雄鶏”で始まる語句
雄鶏小路