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迯
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に
ふりがな文庫
“
迯
(
に
)” の例文
けれども実は私も心の中では怖いさ。
何処
(
どこ
)
から焼け始まってドンな事になるか知れぬと思うから、
何処
(
どこ
)
かに
迯
(
に
)
げる用意はして置かなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
細
(
ほそ
)
い
足
(
あし
)
のおかげで
走
(
はし
)
るわ、
走
(
はし
)
るわ、よつぽど
遠
(
とほ
)
くまで
迯
(
に
)
げのびたが、
藪
(
やぶ
)
のかげでその
美
(
うつ
)
くしい
角
(
つの
)
めが
笹
(
さヽ
)
に
引掛
(
ひつか
)
かつてとう/\
猟人
(
かりうど
)
につかまつたとさ。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「いや外ではとり
迯
(
に
)
がす
惧
(
おそ
)
れがあります、もはやお屋敷まわりに手配りもできていますから、ではごめんを蒙ります」
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
われ慌てゝ
迯
(
に
)
ぐるを、少女はすかさず追ひすがりて、兩膝にて我身をしかと挾み、いやがりて振り向かむとする頭を、やう/\胸の方へ引き寄せたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と云うと
生酔
(
なまよい
)
も酔が覚め、腰が抜けて
迯
(
に
)
げる事が出来ませんで、
這
(
は
)
いながら板塀の側に
慄
(
ふる
)
えておりますと、剣術遣いはジリ/\ッと詰寄って参ったから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
直
(
ぢき
)
に
迯
(
に
)
げて来さへすりや、切れると云ふんぢやなし、
少
(
すこし
)
の
間
(
ま
)
不好
(
いや
)
な夢を見たと思へば、それでも死ぬよりは
愈
(
まし
)
だらう、と私はさう申しますと、狭山さんは、それは
詐取
(
かたり
)
だ……
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「それや
偽
(
にせ
)
大納言が通る、太い
奴
(
やつ
)
だ。こらしてやれ。」と、叫んで、おぢいさんに石を投げたり、打つてかゝつてきましたので、おぢいさんは、はう/\の
態
(
てい
)
で
迯
(
に
)
げだしました。
拾うた冠
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
ロミオ いかにも、
生
(
い
)
きてをられぬ
身
(
み
)
ぢゃ。なればこそ
此墓
(
こゝ
)
へは
來
(
き
)
た。いやなう、
若
(
わか
)
、
命知
(
いのちし
)
らずの
者
(
もの
)
に
手出
(
てだ
)
しをなさるな。
早
(
はや
)
うお
迯
(
に
)
げなされ。
此
(
この
)
亡者達
(
もうじゃたち
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
うて
怖
(
おそ
)
れたがよい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そうですから容易に
迯
(
に
)
げることも出来ずその石牢の中で苦しんで居るので、折々この世の日影を見るような事が出来ると、必ず打ち叩かれるか恐ろしい
拷問
(
ごうもん
)
に遇わされるそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
相手にならねば、
甚
(
はなはだ
)
機嫌がわるい※から、余義なくその手を押さえそうにすれば、
忽
(
たちま
)
ちきゃッきゃッと
軽忽
(
きょうこつ
)
な声を発し、高く笑い、遠方へ
迯
(
に
)
げ、例の
睚
(
まぶち
)
の裏を返して、ベベベーという。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
譬へば関東には「
迯
(
に
)
げ水」の実在が信ぜられて居た。それは、先へ行けば行く程、水が逃げて行くと考へられて居たものである。又「
入間
(
イルマ
)
言葉」なども、大分後になつて、歌枕に這入つて来た。
花の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「おれの
角
(
つの
)
はなんて
美
(
うつく
)
しいんだらう。だが、この
足
(
あし
)
の
細
(
ほそ
)
いことはどうだろう、もすこし
太
(
ふと
)
かつたらなア」と
独語
(
ひとりごと
)
を
言
(
いつ
)
た。そこへ
猟人
(
かりうど
)
が
来
(
き
)
た。おどろいて
鹿
(
しか
)
は
迯
(
に
)
げだした。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
これだけは
端金
(
はした
)
で出して置くと仰しゃったのを側で聞いておりまして、
不図
(
ふと
)
悪い了簡を出して、お包を持って
迯
(
に
)
げましたが、中にお書付でも
在
(
あ
)
ってはお気の毒でございますから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
イヤ/\気楽な所ではない、僕は命掛けだ。君達は戦うとも和睦しようとも勝手にしなさい、僕は始まると
即刻
(
そっこく
)
迯
(
に
)
げて行くのだからと
云
(
いっ
)
たら、加藤がプリ/\
怒
(
おこっ
)
て居たことがあります。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
画
(
ゑ
)
も少しは
遣
(
や
)
ると
云
(
い
)
つたやうな
多芸
(
たげい
)
の
才子
(
さいし
)
で、
学課
(
がくくわ
)
も
中以上
(
ちういじやう
)
の
成績
(
せいせき
)
であつたのは、
校中
(
かうちう
)
評判
(
ひやうばん
)
の少年でした、
私
(
わたし
)
は十四五の
時分
(
じぶん
)
はなか/\の
暴
(
あば
)
れ者で、
課業
(
くわげふ
)
の時間を
迯
(
に
)
げては
運動場
(
うんどうば
)
へ出て
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ベンヺ ロミオ、
速
(
はや
)
う!
速
(
はや
)
う
迯
(
に
)
げた! あれ、
市人
(
まちびと
)
が
騷
(
さわ
)
ぎはじむる。チッバルトは
落命
(
らくめい
)
ぢゃ。
狼狽
(
うろた
)
へてゐるところでない。
捕
(
とら
)
へられたならば、
領主
(
りゃうしゅ
)
は
死罪
(
しざい
)
を
宣告
(
せんこく
)
せう。
速
(
はや
)
う
落
(
お
)
ちた、
速
(
はや
)
う/\!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
迯
(
に
)
げ出す途中ではぐれてしまい、今日が日まで行方が知れないから、
※々
(
だん/\
)
手分けをして捜がしたが、何うしても知れなかったのが、不図山の宿の山形屋という宿屋に泊っていた客が
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かう
執着
(
とつつか
)
れでもするやうな気がして、あの、それ、
能
(
よ
)
く夢で
可恐
(
おそろし
)
い奴なんぞに
追懸
(
おつか
)
けられると、
迯
(
に
)
げるには迯げられず、声を出さうとしても出ないので、どうなる事かと思ふ事がありませう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いよ/\戦争になって
迯
(
に
)
げる時にその家を
担
(
かつ
)
いで行かれるものでない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何処
(
どこ
)
へ
迯
(
に
)
げようぞ、
隠
(
かく
)
れようぞ。
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
側にいた
年齢
(
としごろ
)
廿二三で
半合羽
(
はんがっぱ
)
を着ている
商人体
(
あきんどてい
)
の男が、草鞋の
穢
(
よご
)
れたのを
穿
(
は
)
いて
頬冠
(
ほうかむ
)
りをしながら、此の男も出に掛りますと、
突然
(
いきなり
)
傍にあった角右衞門の風呂敷包を
引攫
(
ひっさら
)
って
迯
(
に
)
げましたから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは
如何
(
いか
)
にお
可愛
(
かはい
)
いのか存じませんけれど、一旦
愛相
(
あいそ
)
を
尽
(
つか
)
して
迯
(
に
)
げて行つた女を、いつまでも思込んで
遅々
(
ぐづぐづ
)
してゐらつしやるとは、まあ何たる不見識な事でせう! 貴方はそれでも男子ですか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そうで無いにしても表で暴れて家を
揺
(
ゆすぶ
)
ると家が潰れるでしょう、奴の力は大した者だから、やアというと
家
(
うち
)
に地震が
揺
(
い
)
って
打潰
(
ぶっつぶ
)
されて
了
(
しま
)
います、
何
(
なん
)
にしても
家
(
うち
)
にいると面倒だから
迯
(
に
)
げて下さい、え
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ヤレ
彼
(
あ
)
の旦那を取れ、此の旦那の妾になれと今まで云われた事は何度あるか知れやしないが、
漸々
(
よう/\
)
云抜けては置いたが、辛くって/\今日は駈出そうか、明日は
迯
(
に
)
げようかと思った事もあったけれど
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
迯
部首:⾡
9画
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迯込
取迯
迯亡
迯去
迯行
迯道
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持迯
迯了
迯入
迯失
迯戻
迯歸
迯𢌞
高迯